第3戦前半、互角の攻防
第1クォーターは、両チームのディフェンスが機能するロースコアの展開となった。リバウンドもディフェンスが優勢となる中、デンソーが髙田真希のミドルレンジからのシュートでリードを奪う。
しかし、トヨタ自動車も後半に山本麻衣の3ポイントシュートとフリースローで一気に追い上げる。
それでもデンソーは、髙田がもう一度ギアを入れ直す。確実に2点を奪い、終了間際にはペイントエリアに侵入してファールを獲得。フリースローも沈め、14-10とリードした。
しかし最後の最後、トヨタ自動車の小野寺佑奈がコート中央付近からシュートを放つ。何と、そのボールがブザーと同時に3ポイントシュートとなってリングを貫いた。その結果、第1クォーターは13-14。神懸ったこのワンプレーは、トヨタ自動車にモメンタムをもたらす一撃となった。
第2クォーターは一転して点の取り合いとなる。トヨタ自動車は岡本美優が多彩な攻撃で7得点を挙げ、オフェンスを牽引する。
デンソーも今野紀花、川井麻衣、笠置晴菜が3ポイントシュートを沈め、全員で応戦。その結果、40-36とデンソーがリードして前半を終えた。

トヨタの小野寺は1Q終了直前にブザービーター-Journal-ONE撮影
後半、第4クォーターに明暗が分かれる
第3クォーター開始直後、トヨタ自動車は岡本の活躍で40-40の同点に追いつく。試合は振り出しに戻った。
髙田へのマークが厳しくなる中、デンソーは平賀真帆、藪未奈海、木村亜美が奮起する。役割を理解したプレーで得点を重ね、46-46と同点を維持したまま最終クォーターへと突入した。
そして運命の最終クォーター、先に仕掛けたのはトヨタ自動車だった。ディフェンスの要として自陣のペイントエリアを支配していたスーザン・アマカが、オフェンスでも存在感を示す。
だが、デンソーも踏みとどまる。シラ ソハナ ファトー ジャのスティールから流れを引き戻すと、エース・髙田が勝負どころで応える。接戦の末、最後に前へ出たのはデンソーだった。

シラ ソファナ ファトー ジャがスティールから速攻-Journal-ONE撮影
試合後に語られた言葉
試合後、髙田は「勝てて良かった。大事な試合だったので勝てたことが大きい。」と語った。一方で、「内容はそれほど良くなかった。過程にこだわって修正していきたい。」と冷静に振り返った。
3ポイントシュートについては、「空いたら打つと決めていた。ガードがアタックしてくれたのでノーマークで打てた場面があった。」と、メンバーを称える。リバウンドについても、第2戦の反省を踏まえ、強く意識していたという。
タフな日程については、「ファイナルまでバスケットができているのは楽しい。最後まで戦っているからこそ勝ちたい。」と前向きに語った。
若い選手についても、日々の練習で信頼を勝ち取っている結果だと評価した髙田。「だから自分はもっとやらないといけない。」とエースとしての覚悟を口にした。

仲間が創ったスペースで得点を重ねた髙田-Journal-ONE撮影
一方、敗れたトヨタ自動車の大神雄子ヘッドコーチは、「ファイナルは3つ勝ってこそ。どう切り替えるか。」と前を向く。
敗因については自分たちに矢印を向け、「アグレッシブに当たってきたデンソーに対し、もう少しできることがあった。」と振り返った。
それでも同点の時間帯があり、最後も6点差だったことから、「ポジティブに考えている。」と語り、第4戦へ気持ちを切り替えていた。

フォーカスすべきは自分たちのプレーと話した大神HC-Journal-ONE撮影
すべてを懸けた第4戦へ
デンソーアイリスは、過去2年連続でファイナル敗退を経験している。今季も皇后杯、ユナイテッドカップとすべて決勝で敗れ、優勝を渇望してきた。
一方のトヨタ自動車アンテロープスも、山本を中心に日々のハードワークを積み重ね、リーグ戦1位でこの舞台に立った。リーグ戦を通して、同じ相手に連敗したことは一度もない。
この背景を踏まえれば、第4戦がどれほど注目すべき一戦かは明らかだ。デンソーが悲願の日本一を掴むのか。それともトヨタ自動車が逆王手をかけ、決着は最終第5戦へともつれ込むのか。





















