その後、東京・国立競技場で行われたセイコーゴールデングランプリに臨み、64m16の好投を見せて優勝を果たし、会場に足を運んだファンを魅了した。セイコーゴールデングランプリのあとは、ヨーロッパ各地を転戦していく計画で、すぐに海外で拠点としているチェコへ出発した。
しかし、そこからなかなか調子が上がらず、出場を予定していた5月25日のダイヤモンドリーグ第4戦ラバト大会(モロッコ)の出場を見送り、その後も予定していた大会をキャンセルして、じっくり調整。6月12日にノルウェーで開催されたダイヤモンドリーグ第6戦オスロ大会に出場した。

日本の大エース、女子やり投の北口榛花。ゴールデングランプリ(写真)を制したあとは渡欧。6月には調子を取り戻し、ダイヤモンドリーグ通算10勝目を挙げている-児玉育美撮影
1回目が57m28、2回目がファウルという滑りだしとなった北口は、3・4回目でようやく60m台に乗せたものの、60m74、60m86と記録を伸ばすことができず、この段階で4位と苦境に立つ形となった。
しかし、5回目にシーズンベストとなる64m63をマークして、一気にトップに躍り出ると、6回目に逆転する選手は現れず北口の優勝が確定。初めて制した2022年のパリ大会からダイヤモンドリーグで通算10勝目。今季初勝利となる結果を手に入れている。
競技後、「最終投てきで逆転することは何度もあったので、自信はあった」と振り返った北口は、「私はプレッシャーのかかった状態のときのほうがうまく行くようだが、その状態はあまり好きではないので、次回は違う展開にしたい」と本音もチラリ。
このあとは、6月24日にオストラヴァ(チェコ)で行われる競技会に臨んだのちに、大会初日の7月4日に決勝が予定されている日本選手権出場のため、帰国の予定だ。

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