そんな中で、PREMIERの誘致大会も継続開催をしているからこその進化を小泉氏は感じていた。「年を追うごとにイベントに肉付けがきちんとできて、いろいろなお客様に楽しんでもらえるイベントになっている」と話す。
具体的には、メインコンテンツとして提供する「試合」のみならず、コートサイドの催し物も充実させた。ことしは、子どもが楽しめる巨大な遊具や、東京ヴェルディクラブによるスポーツ体験ブースを設置したほか、アリオ柏に入るカインズホームの協力を得て、ものづくりを体験できるワークショップのブースを新たに設置したという。小泉氏によると、去年までは体を動かすブースしかなかったそうだが「手を使って物を作ったり、ちょっと疲れたときに楽しめるブースもあれば、スポーツが得意ではないお子さんにも楽しんでいただけると思いました」と明かす。これも、商業施設だからこそできる工夫であり、子どもから大人まで1日中楽しめる取り組みである。

観戦と同時に体を動かすアスレチックもⒸ 3×3.EXE PREMIER
小泉氏は会場の様子を見て「本当にトータルでお客様に楽しんでもらえるイベントになっていることは、非常に私としても嬉しいですね」と、笑顔を見せていた。

カインズホームによる、ものづくりが楽しめるブースが設置されたⒸ 3×3.EXE PREMIER
市立柏出身で、柏南で教員に…地域と縁の深い黒田裕
一方で、今ラウンドには、柏と縁の深い選手が出場していた姿も見逃せなかった。LEOVISTA.EXE(レオヴィスタ エグゼ / 以下LEOVISTA)の黒田裕(#96 / 194cm)だ。高校時代に柏市立柏高校で全国大会へ出場した経験を持ち、柏を拠点に活動するクラブチーム・勉族のメンバーとしても活躍。本業でも体育教師とバスケ部監督という顔を持ち、習志野市立習志野高校時代にはバスケ部を5人制と3×3で全国大会へ導き、現在は千葉県立柏南高校で指揮を執り、千葉県バスケットボール協会の3×3委員長も務めている。

黒田選手の昨年の試合の様子Ⓒ 3×3.EXE PREMIER
また、黒田は3×3の選手経験も豊富であり、勉族として3×3日本選手権に出場したほか、PREMIERでは、かつてBリーグの千葉ジェッツが運営していたCHIBA JETS.EXEや、船橋エリアで活動していたSEALS.EXEといった県内に拠点のあるチームに所属。柏市でバスケットボールスクール事業を母体に運営するLEOVISTAに加入してから、4シーズン目を数える。今シーズンはメンバーが一新された中、黒田は唯一の継続選手である。今大会は1勝1敗で12チーム中6位に終わったが、黒田は柏で試合ができた喜びを語った。
「やっぱり、本当に柏でバスケットボールが盛り上がって、大会をやってくれるのはすごい嬉しいです。私もこのラウンドには出たいと思って、すごく頑張って(練習を)やっていました。今日は柏でプレーができて、嬉しいと思います」
2015年にPREMIERデビューを飾って、ことしで10周年の黒田。年齢は41歳になるが、194cm・104kgの体格を生かしたゴール下での存在感は印象深かった。彼はバスケに対する今のモチベーションについて「バスケットが進化してすごく楽しいですね。若い子たちとやれて、自分の足りないところも分かっています。それでもチャレンジできるのであれば、どんどんやりたいなと思ってます」とコメント。その語り口は、非常に明るかった。

黒田選手(右から2番目)らチームと、LEOVISTAのスクール生による記念写真Ⓒ 3×3.EXE PREMIER
この日は2試合を終えて決勝トーナメントに進めなかったため、チームミーティングが終わったあと「部活に戻ります!」と話していたほどだった。自分のバスケの次は、練習に励む教え子たちの指導へ。取材の結びには「バスケットが好きな子たちが本当に柏南に来てくれているので、すごくバスケを教えながら一緒にやったりするのも楽しいんですよ」と話した黒田。柏とともに歩んできたバスケットボールキャリアは、次世代とともにまだまだ濃いものになっていきそうだ。

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[写真]=Nobuhiro Fukami