アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

1500mと5000mの2種目で、すでに参加標準記録をクリアしている田中。2冠で2種目内定を決めたい‐児玉育美撮影
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9月の世界陸上出場に向け重要な日本選手権

第109回”日本陸上競技選手権大会”が7月4日(金)~6日(日)、”東京2025世界陸上競技選手権大会”(以下、”東京世界陸上”)の日本代表選手選考競技会を兼ねて、東京世界陸上の舞台となる”国立競技場”で行われる。

会場となる国立競技場、9月の東京世界陸上もここで行われる-小野寺俊明撮影

会場となる国立競技場、9月の東京世界陸上もここで行われる-小野寺俊明撮影

世界陸上(9月13日~21日開催)の出場資格を得るには、世界陸連が設けている参加標準記録を突破する方法と、ワールドランキング「Road to Tokyo」(以下、ワールドランキング)で種目ごとに決められたターゲットナンバー(出場枠)内に入る方法(1カ国3人を上限)の2つがある。

日本代表の選考は、日本陸連が設定している基準に則って行われ、最終的には9月上旬に代表選手が出揃うことになるが、この日本選手権においては、決勝が終わった段階で参加標準記録を突破して、3位以内の成績を残した場合は、即時内定を得ることができる仕組みになっている。

果たして、日本選手権期間中に、何人の内定者が誕生するのか?激戦が予想される種目、好記録が期待される選手が数多く存在する今大会。ここでは、「対決」の観点で、要チェックの選手を紹介しよう。

※エントリー状況や記録・競技結果、ワールドランキング等の情報は、6月28日時点判明分の情報に基づき構成

世界選手権内定選手は3名

この日本選手権で行われるのは、別日程で実施される男女10000mと男女混成競技(十種競技、七種競技)を除く、トラック&フィールド全34種目。

これらのなかで、すでに世界陸上代表に内定しているのは、前回のブダペスト大会優勝により、ディフェンディングチャンピオンとして出場権を得ている女子やり投の”北口榛花”のほか、必要な条件をクリアして4月に早期内定を決めた男子110mハードルの”村竹ラシッド”と男子3000m障害の”三浦龍司”の3選手のみとなっている。

参加標準記録の水準は非常に高く、大会前の段階で突破している選手は、上記3人を除くと8名しかいない。どの選手も、記録・勝負ともに厳しい戦いに挑んでいくことになる。

内定済みの上記3選手は、今回の日本選手権には出場しないことを選択している。少し寂しく感じるかもしれないが、ほかにも、ぜひ注目してもらいたい選手はたくさんいる。

男子110mハードル&走幅跳:泉谷駿介、2冠&2種目内定の達成なるか

日本の男子110mハードル界には、パリ五輪5位の村竹ラシッドとともに、忘れてはならないトップハードラーがもう1人いる。この種目を世界水準に押し上げた立役者”泉谷駿介”だ。

自己記録の13秒04は、3連覇した2023年日本選手権で樹立したもので、同年秋に村竹も並ぶことになった現日本記録。2023年には、ブダペスト世界選手権5位入賞など、史上初の快挙を次々に達成している。そんな泉谷は、昨年のオフに、走幅跳への参戦を表明。3月の世界室内陸上に出場すると、いきなり8m21を跳んで4位入賞の快挙を達成。東京世界選手権は、2種目での活躍を目標に掲げている。

110mハードルでは昨年の段階で、すでに参加標準記録(13秒27)は突破済み。今回の日本選手権は、1日目に予選・準決勝、2日目に決勝が行われる110mハードルで、2年ぶり4回目のタイトルとともに、まず1つめの内定切符を手に入れ、3日目に予定されている走幅跳で、初優勝と参加標準記録(8m27)をクリアして、2つめの内定切符を手中に収めることがターゲットだ。

110mハードルと走幅跳の「二刀流」で東京世界陸上を目指す泉谷。レベルの高い両種目での2冠を目指す‐児玉育美撮影

110mハードルと走幅跳の「二刀流」で東京世界陸上を目指す泉谷。レベルの高い両種目での2冠を目指す‐児玉育美撮影

110mハードルでは、村竹が早期内定を決めているため、残り2枠となった代表の座を、「層の厚さも史上最高」の呼び声が高いなかで争うことになる。

また、走幅跳でも東京オリンピック6位入賞の実績を持つエース”橋岡優輝”を筆頭に、同じく東京五輪代表で、今季、再浮上の兆しを見せる8m15を跳んでいる”津波響樹”、昨年、8m13をマークする急成長を見せ、今年はアジア選手権で銅メダルも獲得した”山浦渓斗”らとのハイレベルな戦いが予想されており、その道のりは決して簡単ではない状況だ。

しかし、「難しいことはわかっているけれど、難しいからこそやってみたい」と泉谷。歴史に残るであろう新たな挑戦が、最初の山場を迎えることになる。

男子100m:激戦必至のレース。注目は栁田大輝とサニブラウン

男子100mも見逃せない勝負が繰り広げられそうだ。2025年の日本リストをみていくと、10秒0台でリスト1・2位を占める”栁田大輝”(10秒06)と”小池祐貴”(10秒09)に続いて、10秒1台をマークしている選手が実に15人にものぼるのだ。決勝に進むことができるのは8選手。10秒1台で走る力があっても決勝に進めない可能性があるということになる。

■記者プロフィール
児玉 育美
フリーランスライター、エディター、ときどきフォトグラファー。陸上競技マガジン元編集長。東京女子体育大学卒業後、ベースボール・マガジン社で『陸上競技マガジン』の編集業務に携わったほか、スポーツ書籍の編集、トレーニング専門誌『陸上競技クリニック』の創刊・編集などに従事。フリーランスとなってからは、日本陸連オフィシャルライターをはじめとして、陸上競技の取材・撮影、執筆、編集業務をメインとした活動に取り組んでいる。
≫「X」アカウント https://twitter.com/ikumik6
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Journal-ONE投稿記者-児玉 育美
取材・文:
児玉 育美( 日本 )
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