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韓国野球ソフトボール協会新会長ヤン・ヘヨン(양해영 / Yang Hae-young)氏のインタビュー。
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 ― KBOが大きく成長した2017年、今度はソフトボールも含めた野球・ソフトボールというスポーツを子供たちはもちろん、広く一般に普及させていく現在の大韓野球・ソフトボール協会の副会長に転身されました。プロ野球・KBOからもっとすそ野の広い大韓野球・ソフトボール協会に転身した理由を教えてください。 

 当時のKBSAは新たな会長が就任し、色々と野球界に精通する人材が必要だということでした。長くKBOでプロ野球の発展に尽くしてきた私でしたが、もう一度野球・ソフトボール全体のために何か貢献できればという気持ちがありましたので、喜んで副会長職に就かせてもらいました。 

 ― 現在では会長に就任され、更なる発展のために色々なことに挑戦されていることだと思います。会長就任後、特に力を入れている分野を教えてください。 

 今、最も力を入れているのは「公正なジャッジで試合を運営すること」です。競技に取り組む高校生は、当然ながらプロの世界で活躍する夢を持ってプレーしています。学生にとって人生を左右しかねない試合の結果が、審判の誤った判定で間違ったものにならないようKBSAが責任を持って運営する必要があるのです。 

 高校生の大会ではビデオ判定や、レーザーロボットによるストライクゾーンの判定などをMLBよりも早く取り入れました。高校で導入した1年後にはKBOでもその仕組みを取り入れています。 

 ― なるほど。最近は映像解析の技術も高くなっていますしね。 

 そうです。昔だったら、スロー再生しても映像のクオリティが低くて判定難しかったのですけれど、今の時代は観客の多くが撮影したスマホなどの映像でも区別がつきやすくなっていますよね。それ故、難しいジャッジの場面で正しい判定を下せなかった場合、観客の映像などから大会運営者への不信感が出てくる可能性もあるため、KBSAとして確りと判定を確認していく必要があるのです。 

 ソフトボールの韓国事情について

ソウルで開催された伊予銀行と韓国代表のソフトボール親善試合の様子

徐々に力をつけてきている韓国代表チームーJournal-ONE撮影

 ― 一方、ソフトボールへの取り組みについてはいかがですか? 

 日本と韓国の文化や教育環境の違いがあります。ソフトボールが盛んな日本と比べ、韓国のソフトボールは競技人口がとても少ないことが課題です。普及拡大を最優先に取り組んでいますが簡単にはいきませんので、先ずは認知度を高めることから始めています。 

 韓国の勉強に関する教育熱が高いことも影響しています。学生がスポーツをすることに対して否定的な教育文化があり、特に女子学生がスポーツをするという意識が高くないのです。女子学生がスポーツをすることに対して肯定的な考え、風潮を作っていくことが重要になると考えています。 

 ― 日本も高校部活動における女子のスポーツ選手は概ね男子の半分以下という数字が出ています。 

韓国は日本よりももっと少ない、男子の3分の1もいない位です。韓国の学生は、勉強をするかスポーツをするかを中学生の段階で決め、どちらかに特化した学生生活を送るのですが、女子学生はスポーツよりも勉強を選ぶ人数が圧倒的に多いのです。 

 加えて、現在の韓国における教育の指針が少し間違った方向に行っているように思います。本来、全ての学生がスポーツを楽しめるようにしてあげることが大事だと思うのですが、韓国では現在、スポーツを専攻している学生たちに勉強をさせるべきだという意見が強くなっています。 

 韓国では小学校4年ぐらいで勉強をするかスポーツをするかを選択します。日本の様に、中学生の時に勉強とスポーツを両立させ、スポーツを楽しんで続けるとうことがほとんどありません。スポーツを楽しみ、勉強も頑張る、色々なことにチャレンジすることが必要だと感じています。 

 ― 高校野球のチーム数を見ても、日本が3,768校(2025年)に対して81校(2020年)ととても少ないですね。 

 はい。韓国で野球部のある高校は2020年で81校でしたが、現在は104校に増えています。私がKBO事務総長をしていた頃(2011~2017年)では50チーム強、プロ野球チームも8球団でした。それが10球団になり、更なる普及のためには高校のチームをもっとたくさん作らなければならないと、高校野球チームの創設を支援して少しずつ増やしてきました。 

 ただ、まだまだ韓国の高校におけるスポーツ部の数は少ないです。人口の差を鑑みても、野球部であれば1,000、2,000校と増えても良いと思います。スポーツ施設やインフラの整備を進めていかなくてはなりませんし、スポーツをする習慣ももっと広がっていかなければなりません。野球は人気があるので子供が集まりましたが、ソフトボールのような認知の低いスポーツにおいては、注目度を高めることから始めなければ競技人口が増えていかないのです。

■記者プロフィール
編集部-矢澤
1995年早大卒、JR東海で国内外からの観光誘客に関する企画・宣伝を主に、百貨店、レンタカー、旅行代理店、広告代理店でも働く。趣味はスポーツ観戦と旅行。メジャーリーグ(MLB)は28球団のBall Parkで観戦済み(全30球団)。
取材・文:
編集部-矢澤( 日本 )
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