
ゴールを決めた57歳のアルシンド-Journal-ONE撮影
ここから世界選抜はロナウジーニョさんに、日本代表は久保竜彦さんにボールを集めて勝ち越しを狙う。
高原直恭さんのスルーパスが右サイドに走り込んだ久保竜彦さんに繋がるも、このシュートは少し浮いてバーの上を越える。解説の城彰二さんから「タツ、ちゃんと決めてね!」との檄が飛ぶと思わず苦笑い。右サイドを上がる内田篤人さんから大きくサイドチェンジで、左サイドの小野伸二さんへパスが渡ると大きな歓声。その小野伸二さんから早いグラウンダーのパスが久保竜彦さんに向かうも、世界選抜のDF陣がカットして決定機を作らせない。

日本選抜は久保(右から2人目)にボールを集める-Journal-ONE撮影
ショートパスを受けたロナウジーニョさんも、エリア内に入りシュートチャンスを狙うが、これを鹿島アントラーズ現役GKコーチの曽ヶ端準選手が好セーブ。アディショナルタイムでは中央のペナルティゾーンやや外からFKを蹴ったロナウジーニョさんだったが惜しくも壁に阻まれる。

FKを狙った日韓W杯で日本でもお馴染みとなったロナウジーニョ-Journal-ONE撮影
結局、23分に41歳のクアレスマさんが、ゴール手前でDF三人をかわしてゴールを奪い勝ち越し。無事に全選手が30分間のプレーを終え、笑顔でピッチを後に。インタビューを受けたロナウジーニョさんは、「今日の試合の開催のために多くの方が関わり尽力していただき、とても素晴らしいイベントになったと思います。また、日本の方々がとても親切にしてくれたことに感謝しています」とコメント。また日本に、広島に戻ってくると話して一足先にスタジアムを後にした。

笑顔で子供とプレーするロナウジーニョ-Journal-ONE撮影
チャリティーマッチでも真剣そのもの
後半は、追いつきたい日本代表の攻撃から試合が始まった。右サイドから小野伸二さんがゴール前にラストパスを送るも中澤佑二さんの“ボンバーヘッド”に合わせることが出来ない。福西崇史さんに通った絶好のパスも、後半から入ったGKのシジマールさんが身体を張ったディフェンスで得点を許さなかった。

中澤佑二のボンバーヘッドは惜しくも得点に至らず悔しがる-Journal-ONE撮影
GKは日本代表も負けていない。後半から入った元日本代表の守護神・小島伸幸さんもセードルフさんが放ったゴール左隅へのシュートに往年の反応良い飛び込みでセーブ。
その後、スアレスマさん、フランサさんなどの怒涛の攻撃に反応を続けた小島伸幸さん。「現役のイメージで行くけど、まったく体が反応しなかった」と試合後に話した小島伸幸さんだったが、スタンドからは数々のビッグプレーに大きな歓声が送られていた。

小島伸幸の好セーブに会場は沸いた-Journal-ONE撮影
壁パスからフリーでボールを受けた坪井慶介さん、ファーサイドへ絶妙なシュートを放った北沢豪さん。どの選手も、往年の得意なプレーはもちろん、ポジションや役割外のプレーもこなすタフネスぶりを発揮。
「最初は、親善試合だから笑顔もあったんです。でも、試合後半になるとエキサイトして『何で今のが入れられないんだ!』なんて現役さながらのヒートアップでしたよ」と、今でも勝負師の顔を見せるジーコ監督のベンチでの様子を笑顔で教えてくれた北沢豪さん。

ジーコ監督のエキサイトぶりに目を見張った北澤豪(左)-Journal-ONE撮影
「僕は静岡の人間だから、子供の頃のドゥンガ(ジュビロ磐田)はあこがれの的でした」と、夢のマッチアップを振り返ったのは内田篤人さん。「とにかく動けそうな人にボールを押し付け合って(笑)僕も走りましたが、皆さんにも走ってもらいました」と、最後まで全力でプレーできた“秘訣”を教えてくれた。
