すると施設の奥から「こんにちは、ようこそ弁天座へ」と声が聞こえてきました。今回案内をしてくれる野々村さんです。さっそく案内してもらい、入口から入ると廊下を通った先に、昔ながらの木造のいい香りに包まれた舞台が見えました。
「おお、すごい!」と壮大な舞台と客席を前に目を丸くさせた3人。
安川:歌舞伎で使われるような舞台が目の前に!とても綺麗な施設ですが、一体ここはいつ建てられたのですか?
野々村さん:ここは明治33年ごろ、赤岡町の旦那衆がお金を出し合って芝居小屋を造ったのが始まりなんです。昭和3年に一度、火災で焼けてしまいましたがすぐに再建しました。建てられた当時は大衆演劇はもちろん、映画などを見る劇場として使われていて毎日賑わっている町の人たちの憩いの場のような存在でした。
竹光:町の皆さんにとってもとても大切な場所だったのですね。今でも大切に管理されているのがよくわかります。
野々村さん:しかし少しずつ客足が減り、残念ながら閉館となってしまったのですが平成に多目的施設として再び復活させたのです。今では落語・大衆演劇はもちろん、発表会や結婚式をした方もいらっしゃいましたね!
井上:結婚式…!!こういった本格的な舞台を使うなんてなかなかできないですし、他の方とは少し違った思い出が作れるのも素敵ですね!

野々村さんの説明と初めて見る舞台に興味深々-Journal-ONE撮影
野々村さん:今では多目的施設として使っていただくことが多いので、ご相談いただけましたらできる限りお応えするようにしています。やはり様々なイベントで使っていただけることが嬉しいですね。
舞台の仕組みに興味深々!
弁天座が造られた経緯などのお話をお聞きしたところで、次は舞台の演劇で使う設備について聞く事になった3人。そんな3人が気になっていたのは、会場の奥にある座席後ろから前の舞台へと繋がっている花道。実際の演劇では ”のれん” の後ろから役者が登場する場面で使うのですが、選手たちも役者の気分を味わいたいようで。
野々村さん:せっかくなので ”のれん” の後ろから、おひとりずつ役になりきって花道で登場しましょうか!
ということで役者気分を味わうことになった3人。花道を通り、舞台で決めポーズを決める姿は普段のかっこいい姿とは違う無邪気な少女のようでとても新鮮です。

のれんが上がり、花道から堂々とした姿で登場ーJournal-ONE撮影
歩いて登場した3人が舞台に揃ったところで舞台上の設備を教えていただきます。
野々村さん:皆さん客席側を見てみてください。ここで役者さんたちは演技をするのですが、お客さんとの距離がとても近いですよね。最前列の方との距離は3メートルもありませんね。
安川:この距離で演じるなんて私なら緊張してしまいますね。それにしてもステージから会場全体の眺めが圧巻です。
しばらく会場の世界観に浸っていると、舞台に仕掛けがあることに気付いた選手たち。

選手達も舞台に隠された仕掛けに気付きましたーJournal-ONE撮影
井上:もしかしてここの舞台って回るんですか?
野々村さん:そうです!これは ”廻り舞台” と言って、丸く切り抜いた舞台を回すことで場面転換をスムーズに行うものです。そして ”廻り舞台” の中央にも長方形に切り抜かれたものがありますが、ここは ”セリ” と言って下の奈落から上がったり下がったりする演出に使うんですよ。
竹光:廻り舞台もセリもライブやミュージカルで見たことあるやつですね!
野々村さん:実際にどういう仕組みで動くのか、下の奈落に行ってみましょう。
そういって3人が向かったのは舞台袖から細く急な階段を降りたところにある ”奈落” 。普段は入ることのできない裏側に潜入です。
野々村さん:ここが舞台や花道の真下にある奈落という場所です。そして先ほど見ていただいた廻り舞台を動かす装置がこれです。
安川:えっ!あの重そうな廻り舞台はここで人力で回すんですか!
野々村さん:そうなんです。電動で回す舞台も今では多くありますが、弁天座では人力で回して舞台の場面転換をしているんですよ。ここにあるセリは電動なんですが、昔の形をそのまま残しているんです。このセリで舞台上に上がるのを体験してみますか?
井上:いいんですか!やってみたいです。ぜひお願いします!




