
今大会のメインビジュアル-楽天グループ株式会社提供
8月9日(土)から11日(月)の3日間、国立代々木競技場第二体育館にて、「World University Basketball Series 2025」(以下WUBS)が開催される。今大会には、アジアの6つの国と地域から選出された8チームが集結。トーナメント方式で、チャンピオンの座を争う。日本の大学生が海外の大学生と戦う機会が数少ない中で、WUBSは今年で4度目を数えており、夏の風物詩になってきた印象である。
大学バスケをエンパワーメントする

会場の国立代々木競技場の第二体育館-Journal-ONE撮影
WUBSは、アジアの大学バスケットボール界がより高みを目指すことを目的として、2022年に新設された国際大会である。全日本大学バスケットボール連盟が主催し、Rakuten Sportsが運営協力に入って「大学バスケをエンパワーメントする」というミッションのもと、大学バスケの認知と価値向上に寄与し、学生たちに選手としても人間としても成長する機会になるように取り組んでいる。
2022年に4チームでスタートしたWUBSは、毎年8月にバスケットボールの聖地・代々木第二体育館での開催が定着しており、ことしは日本、オーストラリア、韓国、台湾、フィリピン、香港というアジアの6つの国と地域から8チームがやってくる。例年、応援席には母国の学生を応援する日本人以外のファンの姿も見られ、この大会ならではの光景と言えるだろう。
フィリピン、台湾が優勝チームを輩出

大会のトーナメント表-楽天グループ株式会社提供
過去3大会の戦績を振り返ると、フィリピン勢の強さが際立つ。バスケットボールの盛んな土地柄とあって、その実力も折り紙付きである。2022年の第1回大会ではアテネオ・デ・マニラ大学が初代チャンピオンに輝き、同大学は2023年もベスト4入り。2024年にはデ・ラサール大学が頂点に立った。今夏は、デ・ラサール大学が2年連続で出場するとともに、フィリピン大学が初出場する。海外の同一国から2チームが参加するのは、今回が初めて。両校は昨年末、フィリピン国内でも優勝を争った背景があり、ことしもWUBSでの活躍を期待したいところだ。
そして、昨年準優勝を飾った高麗大学(韓国)は、韓国大学バスケットボール連盟(KUBF)が主催するUリーグで3連覇中という実績を引っさげて3年連続の来日へ。韓国A代表経験のあるメンバーもいるほどだ。2023年のWUBSを制した国立政治大学(台湾)も、大学リーグUBA(University Basketball Association)で5連覇中と圧倒的な強さを誇り、海外チームとしては唯一、4年連続の出場となる。シドニー大学(オーストラリア)は昨年、初の4強入りを果たした経験を持ち、香港大学は初めて代々木第二体育館のコートに立つ。
日本勢は、初優勝なるか

日本の選抜メンバーに注目したい‐楽天グループ株式会社提供
一方で、日本からは2チームが出場する。ことし5月に開催された「第74回関東大学バスケットボール選手権大会」(通称:スプリングトーナメント)で3年連続23回目の優勝を飾った日本体育大学が出場するとともに、日本学生選抜チームもWUBSに挑む。昨年も出場した佐藤友(東海大学)や菅野陸(山梨学院大学)がメンバー入りする中で、注目は7月に開催された「全日本大学バスケットボール新人戦」で躍動した選手たちだ。
日本経済大学の初優勝に貢献してMVPを獲得した児玉ジュニアを筆頭に、同新人戦で準優勝した白鷗大学の小川瑛次郎や、3ポイント王とMIP賞を受賞した明治大学の湧川裕斗らがWUBSに初めて出場する。新人インカレを沸かせた選手たちが、国際大会でどんなパフォーマンスを見せるのか。4度目にして日本勢から、初の優勝チームが誕生するのかも楽しみにしたい。
次世代にとって将来につながる3日間へ
そんな真夏の国際大会は、バスケットボール界を担う有望選手たちが集う舞台でもある。歴代の大会に出場した選手たちの中から、飛躍を遂げた姿も思い浮かぶ。日本代表で言えば、8月5日に開幕した「FIBAアジアカップ2025」の大会登録メンバーに、金近廉(2022年 東海大で出場→現千葉ジェッツふなばし)とハーパー ジャン ローレンス ジュニア(2022年・2023年 東海大で出場→現サンロッカ―ズ渋谷)の2名が選出。脇真大(2022年 白鷗大で出場→現琉球ゴールデンキングス)や游艾喆(2022年 国立政治大学で出場→現滋賀レイクス)といったBリーグで活躍する若手も数多くいる。

≫「X」アカウント
https://x.com/Words_Motion
[写真]=Nobuhiro Fukami