
PNCを控え宮崎で合宿する日本代表-斉藤健仁撮影
ただし、昨年エディー・ジャパン入りしていたFL”サウマキ アマナキ”(横浜キヤノンイーグルス)、”ティエナン・コストリー”(コベルコ神戸スティーラーズ)、WTB(ウィング)”長田智希”(埼玉パナソニックワイルドナイツ)らが新たに招集され、スコッドの層は増したと言えよう。
今年はリーチだけでなく、ベテランCTB(センター)”立川理道”(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)も不在のため、ジョーンズHCは「日本人のキャプテンやリーダーを育成していかなければならない」と話したように、8月28日に発表される予定の、新たなキャプテンのリーダーシップにも期待がかかる。
例えば、昨秋は副将を務めたHO(フッカー)”原田衛”、6月にマオリ・オールブラックス戦と対戦した「JAPAN XV」でキャプテンを務めたFL”下川甲嗣”(東京サントリーサンゴリアス)、チーム最多キャップのCTB”ディラン・ライリー”(ワイルドナイツ)、自チームでキャプテン経験のあるNO8(ナンバーエイト)”マキシ ファウルア”、SO(スタンドオフ)”李承信”(スティーラーズ)らがリーダー候補となるだろう。

リーダー候補のFB李承信-斉藤健仁撮影
強化のカギは「ディフェンス」と「ハイボールキャッチ」
ラグビー面の課題は、ウェールズ代表との2戦目で崩されたディフェンスだ。神戸製鋼やアメリカ代表で指揮官を務め、南アフリカ代表でもコーチング経験がある”ギャリー・ゴールド”氏が正式にディフェンス担当のアシスタントコーチに就いた。

トライを挙げる下川-斉藤健仁撮影
また、1試合で30回は起きるという、キック後の空中での競り合いも課題であり、ジョーンズHCは、「ゴールド アシスタントコーチの下、容赦ないディフェンスを確立していきたい。また、キックを交えながらのアタッキングゲームを、PNCで発展させていきたい」と先を見据えた。
もちろん、FW(フォワード)は”オーウェン・フランクス”、”伊藤鐘史”の両アシスタントコーチがスクラム、ラインアウトの指導を熱心に続けている。PNCはFW陣が日本代表より大きなチームとの対戦が続くため、FWがまとまり、スクラム、ラインアウトといったセットプレーで上回ることができるかが勝敗の鍵を握るだろう。

日本代表の主力となったCTBライリー-斉藤健仁撮影
11月1日に日本代表がイングランドで、南アフリカ代表と対戦することが正式に決まった。秋には10月25日のオーストラリア代表戦(国立競技場)を皮切りに、南アフリカ代表、アイルランド代表など世界的強豪との5連戦が控えている。
日本代表としては、ウェールズ代表で得た手応えを、PNCでさらに大きな自信に変えて、秋のテストマッチシリーズにつなげていきたい。そして、12月に開催される、2027年ワールドカップの予選プール組み合わせ抽選で、優位なプールに入るためにも、世界ランキングを12位以上に上げたい。
PNCに向けてジョーンズHCが「超速ラグビーをさらに発展させて、勝てるラグビーを構築したい。昨年は2位で終えたが、さらに上位で終えたい」と言えば、選手たちは「今年は優勝を目指す」と声を揃えた。ラグビー日本代表は2019年大会以来、4度目の環太平洋王者を目指す。

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