アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

能登と共に進んでいく-吉川哲彦撮影
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負け続けのチームに救世主が現れる

石川県に縁のある選手で編成を固めたチームは、池田を除くと3x3の経験もない若手ばかりというメンバー構成で、白星はなかなか伸びなかったのだが、そこに救世主が現れた。3x3.EXE PREMIER女子カテゴリー初代得点王の”有明葵衣”が、現在同リーグに参戦していないTOKYO BBからのレンタル移籍という形で加入。

かつて、Wリーグ・富士通でもプレーした実力は今も衰えず、加入発表の直後に行われた6月15日のラウンド3ではチームをグループ戦2連勝に導き、初の決勝トーナメント進出に大きく貢献。自身も、ハッスルプレーが光った選手に贈られる「in ゼリー ENERGY賞」に選出されるという活躍ぶりだった。

なお、有明は現役選手の他に会社、NPO法人副代表、Wリーグ理事と計4つの肩書を持ち、社会貢献への意識が人一倍高い人物。出身は秋田県だが、能登復興に対しても強い想いを抱き、「私にとっては大きなモチベーションです」ということだ。

3x3.EXE PREMIER女子カテゴリー初代得点王の有明葵衣-吉川哲彦撮影

3x3.EXE PREMIER女子カテゴリー初代得点王の有明葵衣-吉川哲彦撮影

8月2日に開催されたラウンド6は、2敗でグループ戦敗退となったものの、2試合目はラウンド5優勝の”SANJO BEATERS.EXE”に対して粘りを見せた。序盤から4~6点を追いかける展開となり、残り3分35秒には20点目を許す。

3x3は10分間で行われる中、一方が21点に達すればKOで試合終了となるため、ECHAKE-NA NOTO.EXEは、KO負け寸前まで追い込まれたのだが、好ディフェンスで失点を防ぎながら池田や有明のフリースローで1点差に肉薄。最終的には先に21点目を許して敗れてしまったが、ラウンド5に続いてラウンド6も制することとなるSANJO BEATERS.EXEを大いに苦しめた。

開幕ラウンドからここまでを振り返って、「まだまだな部分もあるんですけど、チームとして積み上げてきたことができてる部分もあるし、少しずつ進化してると思います」と語る池田は、「自分のプレーに自信を持ててないから、そこを私がなんとかしてあげたい」と若手の成長を促す有明の存在の大きさを実感しているところだ。

「3x3の経験が豊富だというのも大きいですし、リーダーシップがあって、みんなにポジティブな声かけをしてくれたり、明確な方向性を示してくれてます。若い子たちは、これまでは成功体験の少なさが出てたんですけど、チームの中でのそれぞれの役割を自信を持ってやってくれるようになった。私と葵衣さんに対してマークがきつくなる場面が多い中で、そこで他のメンバーがハッスルしてくれてるのは、相手にとっては嫌かなと思います」

池田が本格的に3x3と向き合うようになったきっかけも、実は有明が作っていた。3年前、愛知県で開催された3x3.EXE PREMIERの開幕ラウンドを観戦に訪れた池田は、TOKYO BBがラウンド優勝を果たした場面を目撃。決勝戦の最後の35秒で5点差をひっくり返した劇的勝利の立役者が有明だった。

「あれを見て、こういうお客さんのいる中で、またプレーしたいなって思ったんです。その葵衣さんと3年越しで一緒にできるなんて、本当に嬉しいです」

若手にアドバイスを送る有明葵衣(左)-吉川哲彦撮影

若手にアドバイスを送る有明葵衣(左)-吉川哲彦撮影

能登と共に歩みを進め、発信を続ける

地域に根差した活動を志向する3x3.EXE PREMIERは、各チームが活動拠点の地域に誘致して開催するラウンドも多く、8月23日のラウンド7はECHAKE-NA NOTO.EXEのホームゲームとして、石川県七尾市で開催された。

この時点でリーグ1位を走る”UENOHARA SUNRISE.EXE”、3位の”FLOWLISH GUNMA.EXE”と同組となった、ECHAKE-NA NOTO.EXEは、2敗でグループ戦敗退となったが、チームの認知度を高める上でこのラウンド誘致は不可欠なもの。

「能登で2、3回イベントに参加しましたけど、まだまだ足りない。もっともっと知ってもらえるように活動していきたいです」と意気込む谷オーナーは、“能登と共に”歩みを進めていく決意だ。

能登と共に進んでいく-吉川哲彦撮影

能登と共に進んでいく-吉川哲彦撮影

「僕の周りもYouTubeの配信で試合を見てくれていますし、連絡をくれる人も結構います。たくさんの人に見てもらって、元気を与えられればと思います。震災のことを忘れられないように発信していくのが大事だと思いますし、能登って地震があったよねって思い出してもらうだけでも意味がある。復興もゆっくりだと思うんですけど、チームも少しずつでも強くなっていって、一緒に上がっていくようなイメージで頑張っていこうと思います」

■記者プロフィール
吉川 哲彦
2000年に日本初のプロバスケットボールチームとして誕生した新潟アルビレックスBBの密着取材で、フリーライターとしての活動を開始。以後、バスケットを専門に現在はBリーグ(B1~B3)、Wリーグ、3x3など多くのカテゴリーを欲張っているため、特に秋から春にかけては毎週末が取材で埋まる一方、2016年のBリーグのスタート以降は原稿執筆のため自宅に引きこもる時間も増え、体重が20キロ増えたことに悩んでいる。
≫「X」アカウント
https://twitter.com/Akhk_Yskw
アクセス
和倉温泉運動公園
  • 北陸新幹線 金沢駅 - IRいしかわ・JR七尾線(1時間24分)- 七尾駅 - 北鉄能登バス(14分)- 香島停留所 - 徒歩15分
Journal-ONE記者 | 吉川哲彦 バスケットを専門に現在はBリーグ(B1~B3)、Wリーグ、3x3などを取材
取材・文:
吉川 哲彦( 日本 )
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