花野氏は「ホームゲームならではの勝ち方をしました。ファン・ブースターが(大声援で)ナイスディフェンスをしてくれて、勝てたと思います。これぞ3×3という試合を皆さんに見せられて、ホっとしましたし、嬉しい気持ち」と振り返った。
チームは、続くSHINSHU SAKU REGION.EXEにも18-15で勝利して、準決勝に駒を進めるとST-KASUMI.EXEとの再戦を21-19で制して決勝へ。ただ、優勝をかけた大一番ではUENOHARA SUNRISE.EXEに19-21で惜敗。リードを許しながらも終盤に1ポゼッション差まで詰める驚異的な粘り強さを見せたが、あと一歩及ばなかった。2023年のPREMIER参入以来初めてプレーオフ進出を逃す結果にもなったが、劣勢でも最後まで戦い抜くFLOWLISH GUNMA.EXEは、群馬で3×3の醍醐味を存分に見せてくれたと言っていいだろう。

存在感を発揮したFLOWLISH GUNMA.EXEⒸ3×3.EXE PREMIER
選手たちの奮闘「女子の3×3を引っ張っていく」
もちろん、選手にしてみればホームゲームで優勝できず、プレーオフを逃した悔しさがにじむ。髙橋は「チームとしても個人としても、もう1個、もう2個レベルアップしないと勝っていけないです。今日はホームゲームで、いろいろな人に背中を押してもらって、苦しい試合も勝ち抜けたところはすごく良かったと思いますが、そこ(優勝)に至るまでの勝ち方、ゲーム運びはもっともっとチームとして成長しないといけない」と話す。
ただ、2度目のホームゲームの価値は十分に感じ取っていた。髙橋が「女子のチームでこれだけたくさんの人が集まってくれて、大きな規模で、いろいろな人が関わって開催されるホームゲームというのはなかなか無いです。地元に愛されるチームになれているのはすごく嬉しい」と言えば、横井も想いを語った。

髙橋選手の活躍で勝利に近づくⒸ3×3.EXE PREMIER
「本当に会場の一体感と言いますか、皆さんの声援のおかげで勝てた試合もありました。本当に大会を開いてくださったスポンサー企業の皆さん、ファンの方々もそうですし、チームのみんなにも感謝しています」
髙橋と横井は、2023年のチーム創設を機に群馬に移り住み、チームの活動に専念した、いわばFLOWLISH GUNMA.EXEの屋台骨だ。花野氏によると、彼女たちはスポンサー営業やバックオフィスの業務も行っているそうだ。3年も活動していると、少しずつチームに対する周囲の反応も変わってきているようで、髙橋は「営業に行った時に『あの3×3のチームだよね』という第一声がちょっとずつ増えてきて、嬉しいです。スポンサーさまのお力もあって、バスケットボールに関わりがなくても、経営者の方との話で『あの方は(FLOWLISH GUNMA.EXEの)スポンサーをやっているよね』と言われることもあります」と明かした。

試合中の円陣も緊張感が漂うⒸ3×3.EXE PREMIER
また、チームは今年から「FLOWLISH CUP」というユース向けの大会を年6回ほど計画して開催中。地域への浸透に一役買っている。髙橋は「少しずつ育成世代からの認知も増えてきている」と話す。花野氏が外部コーチを務める高崎商業高校女子バスケットボール部とは、今冬に開催される「3×3 U18日本選手権」出場を目指して、FLOWLISH TAKASHOという名前を掲げて、同じユニフォームで11月の東日本エリア大会へ出場するという。
3×3のプロ選手としてチームの活動にコミットして、地域に根ざした取り組みを深める。ホームゲームで大きな盛り上がりを見せるのも、日頃の地道な活動があってこそである。高崎商業高校女子バスケットボール部は、誘致大会の設営も手伝ってくれたそうだ。FLOWLISH GUNMA.EXEの取り組みは、女子3×3シーンでもお手本にしたいところ。横井の言葉からは強い決意も感じられた。
「こういう形(=プロ3×3選手)をやっているチームはすごく少ないので、やっている以上は勝たなきゃいけない責任感があります。自分たちが女子の3×3を引っ張っていく存在になっていかなきゃいけないと思っています」

試合後にファンと交流する横井選手。髙橋選手とともにチームをけん引するⒸ3×3.EXE PREMIER

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[写真]=Nobuhiro Fukami