コンサートやスポーツ試合の演出について
コンサートでいうと2024年7月のこけら落としで Mr.Children、その後もKis-My-Ft2、あいみょん、THE RAMPAGE from EXILE TRIBE、ずっと真夜中でいいのに。、KARA、=LOVEなどの多くのアーティストがららアリーナでコンサートを行っている。
赤坂さん) ららアリーナは、客席の上の階を作るときに下の階と同じ角度で客席を広げていってしまうと、どうしてもフロアから遠くなってしまい見えづらくなってしまうので、高くなるにつれて角度をつけた ”すり鉢状” のつくりになっています。なので、イベント会社さんからは「アーティストがいるステージから見て、最上階のお客さんの顔がとても見やすい」とよく言っていただけます。
客席からステージが見やすいのはもちろんですが、アーティストからもファンの顔が見やすいことは、とても嬉しいことですし、ららアリーナで行われるコンサートは行ってみたくなりますね。

試合とライブのどちらにも対応できる設計のららアリーナーJournal-ONE撮影
ー コンサートで最も大切な音響や照明では、ららアリーナはどんな特徴があるのでしょうか。
赤坂さん) 音響に関してはアリーナ内部の壁に吸音材をたくさん使っていて、残響音のあり方をかなり研究して調整しました。音が残り過ぎず、クリアに良く通るところが音響のこだわりポイントです。
そして照明についてはアリーナとして管理をしているのは ”客席照明” とバスケットボールの試合でコートを照らす ”競技用照明” のみとなります。もちろん、コンサートやバスケットボールの試合をやる際はこれだと明るさや演出で足りないので、イベンターさんが好きな演出をするための ”ピンスポットライト” や ”レーザーライト” などは全て持ち込みにしていただいています。
アリーナの設備として私たちが持っていたとしても、イベンターがやりたい演出とは異なっていると結局使われなくなってしまうので、持ち込みにすることで色々な演出ができることもららアリーナの特徴の一つです。

良く見える4階席と、アリーナが管理するリボンビジョンと客席照明-Journal-ONE撮影
ー ららアリーナの設備として一番目に入るのは中央の ”大型ビジョン” がありますね。
赤坂さん) 唯一、演出の設備として管理しているのがその ”大型ビジョン” と、2階の客席前にある帯状の ”リボンビジョン” です。ただ我々は管理と映像の送出操作だけになるので、例えば千葉ジェッツの試合での得点時の特殊な演出などの制作は全てチーム側にお願いしています。
ー 大型ビジョンは他にどんな使い方ができるのでしょうか。
赤坂さん) 今、大型ビジョンを吊り下げているチェーンは、1番下まで降ろすことも上げて収納することもできます。ビジョン全体の重さは約25トンで、ビジョンの下部分にはカメラも取り付けられるようになっています。

大型ビジョンがららアリーナには欠かせない‐Journal-ONE
ーここは千葉ジェッツのホームアリーナということですが、選手が使うバックヤードは何か特別な設備はあるのでしょうか。
赤坂さん)バックヤード自体に特徴はありませんが、千葉ジェッツのホームアリーナですので、千葉ジェッツ側のロッカールームはチームがデザインを担当し、NBAのようなデザインのロッカールームになっています。
今回、撮影が難しくどんなお部屋かをお見せできませんが、赤とアイボリーの温かみと強さを掛け合わせたようなカラーを基調にした円形のお部屋。壁沿いに各選手の名前が書かれたロッカーが並んでいて、選手同士の顔もよく見える配置になっていました。その雰囲気は間違いなくNBAのロッカールームで、ここを実際に千葉ジェッツの選手たちが使っていると思うと心が躍る、そんな空間でした。
以前、千葉ジェッツユースの選手に取材をした際にららアリーナの存在を聞いたところ「憧れの場所」と言っていたのが印象的でした。選手にとってもららアリーナの存在は大きいのですね。

選手にとってもららアリーナの存在は大きいという‐Journal-ONE撮影

