ー 今、インタビューをさせていただいているこのお部屋もとても素敵な雰囲気ですが、こちらはVIPルームですか。
赤坂さん) そうです。バスケットボールのアリーナでいうと ”大型ビジョン” と ”VIPルーム” にこだわっていて、この部屋もデザイナーを入れた特別なデザインになっています。

バスケットボールをモチーフにしたようなデザインのVIPルーム-Journal-ONE撮影
VIPルーム内のソファーの一部にはバスケットボールの皮が使用されていて、ラウンジの照明にもバスケットボール型のおしゃれなライトが使われていた。バスケ好きにはたまらないデザインで、試合以外でも楽しめるのがららアリーナの魅力の一つともいえる。

バスケットボール型の照明もアクセントになっていてお洒落な空間にーJournal-ONE撮影
そしてららアリーナに向かって駅から歩いてくると、メインアリーナの左側にサブアリーナが見える。
ー サブアリーナは普段どのように使われているのですか。
斉藤さん) バスケットボールの試合時は選手の練習場として、コンサートの時は物販会場になっていることが多いです。アリーナの外で物販をやるより、屋内の方がお客さんにとっても快適に開場前の時間を過ごせるのかなと思います。

サブアリーナも学校の体育館ほどの大きさがある‐Journal-ONE撮影
施設のバリアフリーと環境効率、そして非常時について
ー ららアリーナのバリアフリーや外国人に向けた設備はいかがでしょうか。
赤坂さん) バリアフリーの設計については車イスの方などが屋外から直接建物内の2階に上がれるようにエレベーターが設置されていて、会場内のコンコースにはエスカレーターが10機あります。他には非常放送やエレベーターアナウンスは4言語に対応していますが、演出としては完備していませんので必要な場合はイベンター側に用意していただくようにお願いし、マイクセット自体をお渡しして対応しています。
ー ららアリーナは1万人規模ということもあり、お手洗いの数が非常に多いですね。
赤坂さん) イベント前にほとんどの方が必ずと言っていいほどお手洗いに行かれるので、それを考慮して人が集まるコンコースには多く設置しています。そして混雑状況が一目でわかるように、画面に表示される○×で各所の空き状態を確認できる仕組みも取り入れています。お手洗いの性別を切り替えられる設計にしており、イベントによっては男性用のお手洗いを、女性用に切り替え施設運営の中で工夫を行っています。

一目で各お手洗いの混雑状況が分かるようになっているーJournal-ONE撮影
ー これだけの規模のアリーナなのでエネルギー活用や環境に配慮した設備にはなにかありますか。
赤坂さん) 設計の段階で省エネ・エネルギー効率を考えた空調などの設備導入をしています。一番大きいところでいうと、ららアリーナの隣にららぽーとの立体駐車場があるのですが、その屋上で太陽光発電を行っていてその電力供給をアリーナに回してもらっていてクリーンエネルギーとして使用しています。
ー ここは海が近いこともありますが災害・緊急時にはアリーナとしてどのような対応をされるのでしょうか。
斉藤さん)基本的に災害・緊急時には退出いただくことになりますが、それができずある程度の人が残った場合のために72時間分の備蓄品や非常用発電の設備はあります。

幅の広い通路も非常時には安心-Journal-ONE撮影
大規模アリーナを管理する上での日々の苦労とは
ーお二人が日々の設備メンテナンスで大変なことはありますか。
赤坂さん)今、一番苦労するのはハエ退治です(笑)。地域の特性もあると思いますが、ハエとカラスの被害があったのでその対応が大変ですね。あとは空調コントロールが難しく、特にこの季節は空調をつけないと湿気が溜まってしまいます。ガラス面に結露がついたりすると、その状態でお客様はお迎えできないので室温と湿度のコントロールには気をつけています。

