ー 空調のコントロールはイベントの内容によっても細かく変えているのでしょうか。
赤坂さん)そうですね。火を使う特殊効果演出をやる時もそうですし、ほとんどのイベントでスモークを焚くので空調が強すぎるとすぐにスモークが抜けてしまうのです。暑いから空調はつけたいけど、火やスモークが揺らぐのはよくないということで空調を一時的に止めるタイミングや換気を抑えることも考えています。
ー 4階まであると階層によっても温度に変化があると思うのですが。
赤坂さん)これだけの大空間なので家のお部屋のように暑いから2度下げようと簡単にできることでもなくて、アリーナ内を一定温度に保つとなると3時間ほどかかります。大空間用の大型空調機が6機入っていて、それをエリアごとと、風向きを考えてそれぞれの出力を調節していますが、全ての客席に対しては管理しきれていない部分もあると思っています。

角度がつく4階席まで空調を一定に行き届かせるのは難しいーJournal-ONE撮影
今、ららアリーナの空調を手掛けているのは ”ららぽーと” の空調管理もやっている部隊なので、そのノウハウをお借りしています。
ー 普段は何人くらいが施設設備のメンテナンスをしているのでしょうか。
斉藤さん) MIXIさんと三井不動産の共同出資で ”株式会社 TOKYO-BAYアリーナマネジメント” という会社をつくり社員数は20人ほどです。イベントを行ってもらうことが1番大切なことなので、イベントカレンダーを埋めていく営業部や、経理や総務などのコーポレートをやっているメンバーがいて、それ以外のメンバーが施設管理を行なっています。
斉藤さん)もちろん、我々だけではなく委託先があって外注先の監督もしていて、平日に清掃や点検作業、週末はイベントを安全に行えるように日々管理しています。興行営業に関してのノウハウは三井不動産のグループ会社に ”東京ドーム” がありますので、そちらからいただくことが多いです。規模は1万人と4万5千人と差はありますが、スポーツの試合とコンサートを行う会場として共通も多いです。

周辺施設と連携しながら試合前にも楽しめるイベントを実施するららアリーナ-Journal-ONE撮影
ー メンテナンスの大変さもそうですが、 週末のイベントの運営時にはどんなことに気をつけていますか。
赤坂さん)施設内の設備が使えなかったりすることがあって、開業当初は大型ビジョンの1箇所が点灯されず黒くなっていたりしたので、なにも壊れずイベントを終えるということが一番ですね。他にもイベント側が急に「これをやりたい!」と言ってくる時があるのですが、そういった対応もコミュニケーションを取りながら我々にできることを最大限力やるようにしています。
ーそんな中でのイベント運営時にはどんなやりがいを感じますか。
斉藤さん)イベンターからの要望に一つ一つ答えて、一緒にイベントを作り上げていくので無事成功に終わった時はその達成感を分けてもらえてる感覚はありますね。
地域と連携して街を作り上げる
ー開業から 1年が経って、南船橋という街を活性化できている実感はありますか。
斉藤さん)ららアリーナだけで街のシンボルを作っているというよりは周りの商業施設を含めて南船橋の街であって、お客さんはコンサート前後にららぽーとや、ららテラスに立ち寄ってご飯を食べたり、買い物をしていたりするので、ららアリーナができたことで更に街全体をコーディネートできている感覚はあります。
ららぽーとやららテラスと連携をして一緒にビジネスを作り上げている、アリーナと他のアセットと含めて街を運営できているなと感じます。
ー南船橋駅とはどんな連携をしているのでしょうか。
赤坂さん)終演時には南船橋駅に連絡をして、混雑することを事前に伝えるなどの連携をとっています。京葉線は特に、ZOZOマリンスタジアム、幕張メッセ、ららアリーナ、ディズニーリゾートがあって特に混雑する路線なので、イベントが重なるタイミングでの混雑を考慮して駅と連携するようにしています。

商業移設が多い南船橋駅との連携が重要になる‐Journal-ONE撮影
ー ららアリーナを訪れた方の笑顔や楽しそうな表情を見て、どのような思いで普段は管理作業や運営を行っていますか。

