10年目のBリーグも話題満載
“りそなグループ Bリーグ 2025-26 SEASON”が幕を開けた。Bリーグ10周年を迎える今シーズンも開幕前から新アリーナの開業や注目選手の移籍など、話題に事欠かない。
10月3日の開幕戦では、前年度チャンピオンの“宇都宮ブレックス”が、 “アルバルク東京”の新拠点、東京・お台場に完成した新アリーナ“トヨタアリーナ東京”に乗り込み開幕戦勝利を手にした。
翌10月4日、全国各地で本格的に始まるBリーグ 2025-26 SEASONの中でも、注目されるのは今シーズンBリーグデビューを果たした富永啓生選手（レバンガ北海道）の活躍だ。
地元・名古屋でデビュー戦となった富永啓生（北海道）-Journal-ONE撮影
地元・愛知に凱旋した富永啓生
愛知県名古屋市守山区出身の富永啓生選手が、名古屋市北区に完成した新アリーナ“愛知国際アリーナ（以下、IGアリーナ）”に凱旋。13,375人が詰めかけた“名古屋ダイヤモンドドルフィンズ”との開幕戦で、Bリーグ初の公式戦に臨んだ。
13,375人のファンで埋まったIGアリーナ-Journal-ONE撮影
愛知県高校バスケットボールの名門・桜丘高校でウインターカップ3位に輝いた富永選手は、アメリカの大学に進学。NCAA1部のビッグ10カンファレンスに所属するネブラスカ大学でもエースとして活躍し、スリーポイント（以下、3Pt）シュートのコンテストで圧勝した映像は日本のニュースでも大きく報じられた。
しかし、何といっても富永選手を「全国区」に押し上げたのは、48年ぶりに自力でのオリンピック出場権を獲得した“FIBAバスケットボールワールドカップ2023”における活躍だった。カーボベルデ戦で見せた、富永選手の6連続3Ptシュート成功は、日本国民に富永選手の存在を大きく印象付けた。
富永啓生の代名詞”3Ptシュート”-Journal-ONE撮影
NBAでの活躍を期待された富永選手だったが、ネブラスカ大学卒業後はNBA下部のGリーグでプレー。そして、今季から日本のBリーグ・レバンガ北海道でプレーすることになったのだ。
信頼できる恩師の下で成長を
富永選手が移籍したレバンガ北海道には、同じく今シーズンからトーステン・ロイブル氏がヘッドコーチとして指揮を執る。ロイブルHCは、2015年からアンダーカテゴリの男子日本代表ヘッドコーチ、2018年から3×3男女日本代表のディレクターコーチ兼ヘッドコーチに就任。その際、富永選手の才能を見出したロイブルHCが日本代表に抜擢し、長く日本代表の活動を共にしてきた縁がある。
富永のプレーを見守るロイブルHC（北海道）-Journal-ONE撮影
ロイブルHCはシーズン前の会見で、「NBAの夢に向けてレバンガで成長してもらいたい。NBAに行くことは現実的だと思っていますし、信じています」と、Bリーグでのさらなる富永選手の成長を期待していた。
「富永選手が北海道に来た理由が、自分がレバンガ北海道のヘッドコーチだからということではない。あくまでも自分にとって一番フィットするチームを選んで欲しいと伝えた結果」とも話していたロイブルHC。成長をするために選んだレバンガ北海道で、富永選手がどういった“鮮烈なデビュー”を飾ってくれるのかが楽しみだ。
「ワクワクした」IGアリーナでのプレー
試合前の練習時間、他の選手たちがロッカールームに戻る中、富永選手はベンチ座りIGアリーナの雰囲気に身を委ねていた。地元・名古屋での凱旋試合ということで、桜丘高校時代の恩師である江崎悟監督をはじめ多くの知り合いが応援に駆け付ける。富永選手は、その人たちを見つけると頭を下げたり手を挙げたりと感謝の意を伝えていた。
試合前にベンチでリラックスした表情を見せる富永啓生-Journal-ONE撮影
「試合前はワクワクしたし、プレー中は本当に楽しかった」と試合後に述べた通り、得意の3Ptシュートを念入りに練習する富永選手の表情は、とてもリラックスしているように見えた。
