女子軟式野球日本一を決める戦い
10月に入っても強い日差しが照りつけるオーエンススタジアム江戸川。全国から野球女子が集まり、女子軟式野球の日本一を決める戦いを盛り上げた。
この日のメインイベントは、“第31回女子軟式野球ジャパンカップ”。大学日本一とクラブチーム日本一が激突し、今年の真の日本一を決める一戦だ。全日本大学女子野球選手権大会を制した“至学館大学と、全日本女子軟式野球選手権大会を制した“ダラーズ”の対決となった。

女子軟式野球のオールスター・学生選抜vsクラブ選抜が対決-Journal-ONE撮影
これに先立ち行われたのは、大学生選抜とクラブチーム選抜のエキシビションマッチ。至学館大学とダラーズを除く加盟チームから選ばれた、10大学19名の“全日本大学女子選抜(以下、大学選抜)”と9チーム20名の“全日本女子選抜(以下、クラブ選抜)”が対決する女子軟式野球のオールスターゲームだ。
色鮮やかなユニフォームが躍動
大学選抜に招集されたのは、今夏に富山県魚津市で開催された第35回全日本女子軟式野球選手権に出場した選手たち。このチームを率いるのは、8月に史上初・女子野球の早明戦を戦った早稲田大学WASEBIを率いる小花利文監督だ。

小花監督率いる大学選抜の選手たち‐Journal-ONE撮影
対するクラブ選抜は、第36回全日本女子軟式野球選手権大会に出場した選手たち。同大会で準優勝となった千葉マリンスターズの森高真代監督がチームを率いて4連覇に臨む。
色鮮やかなユニフォームに身を包んだ選手たちは、試合前の練習から笑顔でグラウンドを駆けまわる。楽しそうに野球に向き合う選手たちの姿に、観ている観客も思わず笑顔がこぼれていた。スポーツ観戦に勝敗はつきものだが、女子軟式野球はそれ以上に大切な「楽しむ」を体感できるスポーツではないだろうか。

明るく元気な女子軟式野球クラブ選抜の選手たち‐Journal-ONE撮影
技巧派と本格派の投手対決
ジャパンカップの開催と同時、1995年に始まったこのエキシビションも今回で31回目を迎える。雨天中止や新型コロナウイルスの影響で中止となった年もあったが、ここまでの対戦成績は17勝9敗2分とクラブ選抜が大きくリード。直近3連敗中の大学選抜が、クラブ選抜にどう挑むかに注目だ。

技巧派・西尾咲希(神奈川アイリス)が変化球を駆使して好投-Journal-ONE撮影
クラブ選抜の先発は、スリークォーター左腕の技巧派・西尾咲希投手(#41 神奈川アイリス)。スライダー、カーブを織り交ぜた緩急自在の投球で、大学選抜の上位打者を三者凡退に切って取る。
対する大学選抜の先発は、辻井結衣投手(#1 4年・富山大学)。こちらは100km/hを超える直球を武器に簡単に2死を取る。しかし、そこから4連続四死球と制球を乱した辻井投手が思わぬ先制点を与えてしまった。

速球を武器に力投する大学選抜の先発・辻井結衣(富山大)-Journal-ONE撮影
西尾投手の変化球に苦戦していた大学選抜が2回表、小村杏乃選手(#99 4年・武庫川女子大学)が両チーム初安打を放ち反撃。意気上がる大学選抜ベンチだったが、ここは西尾投手が後続を打ち取り得点を与えない。
一方のクラブ選抜も2回裏、2死三塁から安藤美樹選手(#25 神龍)がチーム初安打となる中前適時打。チャンスで確実に得点する試合巧者のクラブ選抜が、追加点を挙げて序盤から試合の主導権を握った。

先取点を挙げ盛り上がるクラブ選抜のベンチ‐Journal-ONE撮影
リリーフ投手が要所を締める投手戦
3回、クラブ選抜はマウンドに2番手の細川珠季投手(#15 町田スパークラーズ)を送る。直後、1死から大仲奈奈選手(#7 4年・大阪体育大学)が四球で出塁すると、宮崎和音選手(#1 4年・跡見学園女子大学)も粘って四球を選ぶ。
