女子軟式野球ジャパンカップ
1987年に初開催された、女子大学野球の日本一を決める“全日本大学女子野球選手権大会”。「マドンナ達の甲子園」の愛称で親しまれる大会は毎夏、富山県魚津市で開催されている。
一方、一般の女子野球日本一を決める大会は1990年に初開催。全日本女子軟式野球連盟の結成と共に 産声を上げた“全日本女子軟式野球選手権大会”の栄冠を目指し、全国の野球女子が熱い戦いを見せてくれている。
そんな両大会の覇者が激突し、真の女子軟式野球日本一を決める大会“ジャパンカップ”が1995年に始まった。2025年、この統一王座決定戦に臨んだのは全日本大学女子野球選手権大会で初優勝を果たした“至学館大学(愛知県)と、全日本女子軟式野球選手権大会を連覇した“ダラーズ(石川県)”の対決となった。

選手宣誓をする至学館大・小倉主将(左)とダラーズ・神田主将-Journal-ONE撮影
華やかに始まった大会の舞台
試合開始の13時から5時間も前、至学館大学、ダラーズの選手たちはもちろん、様々なユニフォームに身を包んだ選手たちがグラウンドに現れた。
ジャパンカップへあと一歩及ばなかった、全日本女子軟式野球選手権に出場した各大学、全日本女子軟式野球選手権大会に出場した各クラブチームから選手も集まり、華やかな開会式が執り行われたのだ。

女子軟式野球ジャパンカップ開会式-Journal-ONE撮影
色とりどりのユニフォームがマウンド周りに集まる中、ダラーズの神田亜依主将と、至学館大学の小倉麻綾主将が選手宣誓。開会式が終わると、ジャパンカップに出場しない選手たちがベンチに入り、エキシビションが始まる。
10大学19名の“全日本大学女子選抜(以下、大学選抜)”と9チーム20名の“全日本女子選抜(以下、クラブ選抜)”が対決した女子軟式野球のオールスターゲームは、最後まで1点を争う好ゲーム。

オールスター戦で盛り上げた大学選抜の選手たち-Journal-ONE撮影
観客たちは大いに盛り上がり、メインイベントであるジャパンカップの開催を心待ちにしている中、満を持して両チームの選手たちがグラウンドに元気に散っていった。
王座決定戦の注目ポイント
今大会の注目は、何といっても大会連覇を狙うダラーズ(石川県)に、初の大学日本一を手にした至学館大学がどういった戦いを挑むかが注目される。

ジャパンカップ初出場初優勝を狙う至学館大-Journal-ONE撮影
女子硬式野球部、女子軟式野球部を両有する至学館大学。高校も女子硬式野球部が盛んだが「経験者が入部してくることは非常にまれ」と、僅か11人で統一王座を目指す服部翔太監督は人材確保を課題に挙げていた。
今回、大学女子軟式野球日本一の座に加え、女子軟式野球日本一の称号を手にすることで、軟式野球部の部員獲得に弾みを付けたいところだ。
一方、連覇を狙うダラーズの注目は、中学1年生から46歳までの幅広い年齢層が集まるチームということ。基礎体力、野球スキル、人生経験など多様性を極めるチームがどうやって一体となって試合に臨んでいくのかに注目したい。

石川県から参戦し連覇を狙うダラーズ-Journal-ONE撮影
中学2年生と大学2年生の投げ合い
2年連続6回目の王座を目指すダラーズの先発は、中学2年生の渡辺奈央投手。大学生を前にした渡辺投手は31歳の矢倉由唯捕手のリードに任せ、打たせて取る投球で初回を三者凡退に抑える。

落ち着いた投球を見せる中学2年生の渡辺(ダラーズ)-Journal-ONE撮影
対する至学館大学は、全日本大学女子野球選手権大会で獅子奮迅の投球を見せた安並未来投手(2年・高知小津)がマウンドに上がる。球威で勝る安並投手だったが、ダラーズ打線の降り抜いた打球が不運にも内外野の間に落ちる安打を2本浴びていきなりの2失点。
