|神宮球場
明治神宮野球大会とは
明治神宮野球大会・高校の部。秋季地区大会の優勝校9校と東京都秋季大会の優勝校が出場し、名実ともに秋の日本一を決める大会だ。
そもそも、この大会は奉納試合であることをご存じだろうか。1970年、明治神宮鎮座50年を記念して第1回が開催された。当初は大学のみだったが、第4回大会から高校の部が新設され、大学の部と共に開催される現在の形となった。

神宮球場では奉納試合が行われる-Journal-ONE撮影
センバツの前哨戦で注目される大会
現在は秋季地区大会の優勝校9校と東京都代表が出場する。したがって、“秋の甲子園”と言っても過言ではない。
さらに、この大会で勝ち上がるチームは春のセンバツ出場が確実視される。そのため、ファンにとっては注目校の現在地を確認できる絶好の機会だ。
来春の優勝候補・山梨学院が登場
そして11月14日、明治神宮野球大会が開幕。大会初日の第2試合に登場したのは、来春センバツで優勝候補と目される山梨学院だ。
第95回センバツで山梨県に初の紫紺の優勝旗をもたらした名門。前回センバツでは2回戦敗退だったが、夏の甲子園では13年ぶりにベスト4入りを果たした。

夏の甲子園で152㌔を出した菰田陽生-Journal-ONE撮影
注目の二刀流・菰田陽生
注目は194cmの長身から投げ下ろす最速152km/hの速球を誇る菰田陽生(2年)。さらに打撃も魅力で、MLB大谷翔平選手を彷彿させる二刀流だ。
今回の背番号は「5」。キャプテンとして三塁から仲間を鼓舞する姿が印象的だった。本人も「大谷選手のようになりたい」と語り、吉田監督も「日本プロ野球界の宝」と評している。
そのため、菰田は山梨学院で大事に育てていることが分かる。今回、キャプテンとして周りを気に掛ける姿勢や、仲間を引っ張るキャプテンシーを育むことで、大谷選手のように世界でも敬意を表される選手になってくれるだろう。

キャプテンとしてもチームを牽引する菰田(再左)-Journal-ONE撮影
東京の王者・帝京との激突
対戦相手は東京大会を制した帝京。春夏通算26回の甲子園出場を誇る名門だが、2011年夏以来甲子園から遠ざかっている。今秋は16年ぶりに群雄割拠の東京大会を制覇した帝京。来春のセンバツでストライプのユニフォーム姿が見られる可能性が高い。
その帝京を久しぶりの東京チャンピオンに導いたのは、エースの仁禮パスカルジュニア(2年)。187cmの長身を誇る左腕は、変則フォームで打者にボールを見せない投球が持ち味だ。

帝京のエース・仁禮パスカルジュニア-Journal-ONE撮影
前半は帝京が主導権
試合は帝京が先制。2回、蔦原悠太が本塁打を放つ。さらに4回にも蔦原の犠飛でリードを広げた帝京が、前半の主導権を握っていた。
しかし6回裏、山梨学院は菰田がサードからマウンドへ。すると、菰田は140km/h超の速球を連発し、4番の目代龍之介を三振に仕留める。失策で走者を許したが、続く蔦原も力でねじ伏せ、二ゴロ併殺に打ち取り流れを変えた。

大応援団を背に帝京が前半の主導権を握る-Journal-ONE撮影
菰田の打撃で1点差
一方で仁禮も粘投を続ける。120Km/h前半の直球と100km/h台の変化球を駆使して、強打の山梨学院を無失点に抑えていた。
しかし7回表、3番・菰田が左前打を放ち1点差に迫った山梨学院。それでも仁禮は9安打を浴びながらも2失点で踏ん張った。

鋭い打球をレフトへ放つ菰田-Journal-ONE撮影
山梨学院が逆転
追い上げムードとなった山梨学院。しかし、7回裏に菰田の球威が落ちると。すかさず1年生の渡部瑛太にスイッチした。菰田は再び三塁のポジションに就いたが、大きな声で仲間を鼓舞して流れを維持。



















