アルバルク東京を迎えたGAME1は、73–82で敗れたものの、第4Qに25得点を叩き出す猛追。その結果、シーホース三河は青援のうねりと反撃の手応えを確かにした。収容1万5千席クラスの新舞台に12,901人が集い、名古屋の新ランドマークを青一色のホームアドバンテージに変えた一夜である。

IGアリーナ正面に配されたシーホース三河のオブジェ‐Journal-ONE撮影
試合概況――最終スコアと来場者数
最終スコアは三河73–82A東京。立ち上がりからA東京が外角とトランジションで主導権を握り、シーホース三河は前半にビハインドを背負う展開となった。
第1Qはシュート選択の精度と守備の寄せが一歩遅れ、相手のリズムを止め切れなかった。
続いて第2Qでは、外角と速攻に押され、間合いの詰め方で後手に回る。さらに第3Qは入れ替えのタイミングで反発を試みたものの、連続失点が重なり点差は広がった。
ところが第4Qに入ると、シーホース三河はテンポ制御とスペーシングの再構成が噛み合い、ペイントタッチとキックアウトの両立で一気に反撃。初主催にふさわしく12,901人の声がコートに響き、会場全体の熱量がショットの決定力と守備の圧に直結。試合の空気は青に染まり、最後まで勝機を追い続けた。

シーホース三河とアルバルク東京の一戦-Journal-ONE撮影
Qごとの得点――前半の失点と最終Qの噴射
クォーター別の得点は以下のとおり。前半3Qまでの失点が響いたが、最終Qは圧巻のスコアで食らいついた。
| クォーター | 第1Q | 第2Q | 第3Q | 第4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| シーホース三河 | 15 | 21 | 12 | 25 | 73 |
| A東京 | 30 | 21 | 18 | 13 | 82 |
試合の流れを象徴するのが序盤の連続ランだ。
第1Qから第3Qかけ、A東京に連続得点の機会を与えたシーホース三河。主導権を握られ続け、点差を詰めることができなかった。その要因は、ペリメーターでの最初の当たりが弱かったこと、ヘルプの一歩目が遅れたこと。そして、トランジションで戻る最初の三歩に迷いが出たことだ。
しかし、第4Qに入ると、シーホース三河はショートロールの受け手とウイングが連動。逆サイドのコーナーを生かす形で外角の成功率を引き上げて41得点と爆発した。その要因は、何といってもIGアリーナの熱狂だった。ブースターたちの熱が戦術と決定力に同期し、試合の空気を一変させた。

IGアリーナで熱狂するシーホース三河ブースター-Journal-ONE撮影
チームスタッツ――外角効率とFT精度が勝敗を分けた
当日のシュート効率は、A東京が3P45.5%(10/22)・FT88.9%(16/18)と高水準を維持。対するシーホース三河は、3P28.6%(10/35)・FT61.1%(11/18)と成功率が伸びなかった。
結果として、この決定率の差が勝敗を左右した。A東京はペイントでも着実に加点し、合計82点を積み上げてゲームを通して内外のバランスを保った。

チェイス フィーラーは内外角全てのシュートを成功させた‐Journal-ONE撮影
対するシーホース三河も、第4Qで外角とリムアタックの両立に成功した。しかし、前半の失点とフリースローの取りこぼしが最後まで重くのしかかった。だからこそ、次戦は「外角の確率」「もらったFTを落とさない」「ペイントの守りを固める」の三点が鍵になる。
シュートは確率のスポーツだが、確率を上げる準備はできる。キャッチの角度、足の入れ方、リリースの再現性を整え、良い形のショットを増やすことで成功率は安定する。
さらに、FTはルーティンの徹底がすべて。試合の中でも一呼吸おいて、同じ手順で撃ち切る。ペイント守備は、最初の当たりとヘルプの距離感を揃えるだけで大きく改善できる。小さな積み上げが、最後の数点差を埋める。

厳しいマークを受けたダバンテ・ガードナー-Journal-ONE撮影
シーズン戦績比較――得点力は三河、失点管理はA東京
”IG決戦”前までのシーズン指標で見ると、シーホース三河は19勝7敗。平均得点85.9点、FG成功率48.5%、3P35.0%、FT78.0%、平均リバウンド36.0、平均アシスト21.6。総じてオフェンス効率とFT精度が高く、“スコアを伸ばす力”に秀でる。




















