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アルバルク が天皇杯を制した
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それでも、Bリーグのシーズンや天皇杯では頂点が遠かった。Bリーグでは昨季、そしてその前のシーズンと2年連続で1回戦敗退を喫していた。日本リーグやJBL時代にまで遡れば数々の栄光を獲得し、多くのスター選手を輩出してきた。

アルバルク が天皇杯を制した

かつての栄光を取り戻すか-永塚和志撮影

「過去にすがらない」という意識改革

トヨタ自動車という世界的な企業が後ろだてとなっている。それゆえ、アルバルクには「名門」「強豪」の看板が付いて回る。日本の男子バスケットボール界の盟主の一角の印象は根強い。

「アルバルクでプレーをしている以上はどのタイトルも取りに行く義務があると思ってプレーをしています」。

天皇杯後、テーブス海はそう語った。司令塔ポジションであるポイントガードであるからこそ出た言葉だった。それでも、このチームのジャージーに袖を通せばポジションにかかわらずさまざまな重圧を背中に背負うはずだ。

アルバルクでタイトル奪取に燃えるデーブス海‐永塚和志撮影

アルバルクでタイトル奪取に燃えるデーブス海‐永塚和志撮影

スタイルの変化(ペース&3P増加)

ただ、日本のバスケットボールは人気等が向上。これにより、今のBリーグではもともと大きな資本を後ろだてとしない「後発の」チームも力をつけた。果てはリーグ制覇をする事例も出てきている。

めまぐるしく状況が変化している同リーグの歴史はまだわずか10年。しかしながら、アルバルクが連覇を果たした2年はどこか遠い過去であるようにも感じられる。

事実、その連覇を経験している選手は、現在のアルバルクのロスターではバランスキーと菊地祥平が残るのみだ。

「うーん、どうなんですかね……今の自分たちは過去のアルバルクにすがるものでもないし、やっぱり過去は過去なので。今いるメンバーが過去にすがっているようじゃあ、勝てないと思います」。

12月のリーグ戦の試合後、チームの主力の1人、安藤周人はそのように話した。その試合で同チームは連敗を4で止めたアルバルク。これは連敗を終わらせたいという思いの中で名門の彼らとしては勝利の質も問われるものだったのかと取材者からの問いに対してのものだった。

誇りを継ぐということ

もっとも、安藤はこのように言葉を続けてもいる。

「今のアルバルクは多分、どのチームから見ても『勝てるだろう』と思われているくらいのレベル。そう思われているということは、アルバルクを背負っている身としては恥です」。

優勝をしていた頃のアルバルクは今の選手たちにとっても往時のもの。しかし、年月をかけて紡がれてきた強さと誇りは継いでいかねばならない――。安藤の言わんとするところは、このようなところか。

連覇を知るバランスキーも「2連覇したチームと今のチームはまったく別のチーム」と、安藤に同意。そして、「アルバルク東京のユニフォームを着ている以上、優勝に絡むようなチームじゃなきゃいけないなというプライドは1人、1人、持っている。」と述べている。

Bリーグのシーズンでアルバルクは開幕から4連敗を2度記録するなど苦戦を強いられたが、調子は上向き天皇杯ファイナルラウンドまでの10試合を9勝1敗としている。故障者が多い状況に変化はないのに、だ。

シュートを決めるバランスキー‐永塚和志撮影

シュートを決めるバランスキー‐永塚和志撮影

スタイルの変化(ペース&3P)

固いディフェンスとハーフコートのオフェンス印象の強いアルバルク。今シーズンは、オフェンスのペースを上げた。1試合平均のポゼッション数を指す「ペース」が今シーズンは前年の69.4から71.5となっている。加えて、3Pの試投数も増やし、同じく23.1から29.4となっている。こうした、新たなスタイルに取り組んでいるのだ。

テーブスは、脚の故障等で今シーズンはまだ9試合の出場に留まっている。それでも、負傷するまではチームについて「今までで一番、手応えを感じていたシーズン。すごくいい感じに仕上がっている。」という感触があったと語っている。

彼自身は、故障からは復帰した。しかし、天皇杯ファイナルラウンド時にはまだ万全に戻ってはいなかっただろう。エースガードがそういった状態でも同大会を制することができた事実。これを見ても、アルバルクの調子が上向いていることを示唆している。

繰り返しになるが、故障者が絶え間なく出ていることに変わりはない。平岩はケガに肯定的な意味合いなどは当然、ないにしても、今は「いる選手で全力を出している。みんながやらなきゃいけないっていう気持ちがあり、レギュラーシーズンを通して育ってきている。」と語った。

■記者プロフィール
永塚 和志
フリーランススポーツライター。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、FIBA W杯や米NCAAトーナメントを取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

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Journal-ONE記者の永塚和志氏
取材・文:
永塚 和志( 日本 )
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