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宮崎早織は2025₋2026シーズンを以て引退-Journal-ONE撮影
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宮崎早織──スターが歩んだ軌跡と、柏で迎える最後の二日間

宮崎早織。

その名を口にすると、Wリーグの時間が一瞬だけ止まる。

スピードで切り裂き、判断で試合を動かし、ENEOSサンフラワーズの黄金期を支え続けた司令塔。

2025–26シーズン限りでの引退表明は、長くリーグを見てきた人々に、ひとつの時代の終わりを静かに告げた。

そして、彼女が最後の二日間を迎える場所は、地元・柏。ENEOSのホームタウンであり、宮崎がキャリアの大半を過ごした場所だ。

ここで引退を迎えるという事実は、偶然ではなく、物語の必然に近い。

今シーズン限りで引退を表明している宮崎早織(ENEOS)-Journal-ONE撮影

今シーズン限りで引退を表明している宮崎早織(ENEOS)-Journal-ONE撮影

スピードで切り拓いたキャリア

宮崎早織のキャリアを語るとき、最初に浮かぶのはやはりスピードだ。

ドリブル一歩目の鋭さ、トップスピードに乗るまでの速さ、そしてスピードを落とさずに繰り出すパス。そのすべてが、彼女を“ゲームの流れを変える存在”へと押し上げた。

ENEOS加入当初は、まだ若く、ただ速いだけのガードだった。だが、経験を重ねるごとにそのスピードは、状況を読み、相手のズレを突き、味方を生かすための“戦術”へと昇華していく。

宮崎がコートに立つと、試合のテンポが変わる。その変化を、ファンは何度も目撃してきた。

宮崎早織の代名詞、スピードを活かしたドリブル‐Journal-ONE撮影

宮崎早織の代名詞、スピードを活かしたドリブル‐Journal-ONE撮影

東京五輪で世界を驚かせた“日本の司令塔”

宮崎早織は、日本女子バスケを象徴するスピードスターとして、国際舞台で輝きを放ってきた。

最大のハイライトは、東京2020オリンピックで日本代表を史上初の銀メダルへ導いたことだ。日本の快進撃を支えた彼女の俊敏なドライブと果敢なゲームメイクは、世界を驚かせた。

さらに2021年のFIBA女子アジアカップでは、中国との決勝で26得点・11アシストを記録し、日本を優勝に導く圧巻のパフォーマンスを披露。大会アシスト王とベスト5にも選出され、その名をアジアのトップガードとして確固たるものにした。

国内外で磨かれたスピードと勝負強さは、常に日本代表の推進力となり、女子バスケの歴史を切り開いてきた。

今後も“ユラ”の存在は、多くの選手とファンにとって道標となり続けるだろう。

ENEOS黄金期を支えた“文化の体現者”

宮崎早織が所属し続けているのが、ENEOSサンフラワーズ。長くWリーグの頂点に立ち続けてきた名門だ。宮崎はその中で単なる司令塔ではなく、チームの文化を体現する存在だった。

勝利への執念。チームファーストの精神。どんな状況でも前を向く姿勢。

彼女のプレーには、ENEOSが積み上げてきた哲学が宿っていた。苦しい時間帯での“あの一歩目”は、何度チームを救ってきたかわからない。

2025–26シーズン限りでの引退表明は、多くのファンにとって突然の知らせだった。だが、宮崎自身は長い時間をかけて決断したという。

若手が台頭し、リーグ全体のレベルが上がる中で、彼女は“次の世代に託す”という選択をした。その潔さは、宮崎早織という選手の生き方そのものだ。

「若い子たちには教えられることは全て教えてきた。」と言い切る宮崎。しかし、その伝承は深く広い。今シーズンのENEOSサンフラワーズは、勝ちへの落とし込みが思う通りに行かずに苦戦を強いられた。

ENEOSサンフラワーズ“強者の遺伝子”が、すぐに根付かないことは宮崎も分かっている。それゆえ、「これから3年、5年とプレーを続ける中で『あの時、ユラさんが言っていたのはこのことだったんだなぁ』と思い返してくれればうれしい。」と、後輩たちへの想いを語った。

試合前に笑顔で後輩に声を掛ける宮崎-Journal-ONE撮影

試合前に笑顔で後輩に声を掛ける宮崎-Journal-ONE撮影

1,275人のブースターに勝利を届けた

“ラス前”となった、地元開催の初戦。この日も宮崎早織は、スターティング5に名を連ねた。対する富士通レッドウェーブは、日本代表の赤木里帆、町田瑠唯、内尾聡菜、宮澤夕貴が名を連ねる強敵だ。

富士通レッドウェーブ戦の前、「練習ではいつもよりコミュニケーションを重ねてきた。」と宮崎が振り返る。その言葉とおり、1Qから組織的なディフェンスを見せ、ENEOSサンフラワーズが主導権を握った。

しかし、第2Q終了間際に同点に追いつかれると、続く第3Qに富士通が持ち前のアジリティを発揮して逆転。このまま押し切られるかに思われた。

アクセス
柏市中央体育館
  • 東海道新幹線 東京駅 - JR上野東京ライン常磐線(35分)- 柏駅 - 慈恵医大柏病院行きバス(約8分)- 徒歩5分
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取材・文:
Journal ONE( 編集部 )
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