外角の一本で流れをつなぎ、次はドライブで守備を収縮させ、味方の足元にパスを落とす。攻撃が止まって見える時間でも、実は次の得点に向けて“地ならし”が続いていた。

潮目が変わるたび冷静なゲーム運びを演じた富-Journal-ONE撮影
同点・逆転・再逆転と主導権争いが激化
そして、アルバルク東京のマーカス・フォスターが外角で存在感を増し、セバスチャン・サイズがペイントエリアで幅を利かせ、ライアン・ロシターがつなぐ。スコアは交錯し、ついには同点に並んだ。
ただ、ここで千葉ジェッツの表情は曇らない。ブースターの声はさらに強くなり、コートの熱はむしろ濃くなる。原がフリースローで前に出れば、フォスターが外角で応酬する。原がペイントエリアで押し込めば、また外角が返ってくる。
まるで一本ごとに“上位対決の価値”が上書きされていくような時間だった。
終盤、リトルが外角で撃ち返し、最後はペイントエリアへねじ込んで千葉ジェッツがわずかに前で第4Qへ入る。第3Qのスコアは千葉ジェッツ14、アルバルク東京27。それでも、これは「崩された10分」ではない。交錯する流れを受け止めながら、最後に“自分たちの一歩目”を取り戻して次の10分へ渡した、価値ある10分だった。

マーカス・フォスターの活躍でA東京が猛追-Journal-ONE撮影
再び突き放しリベンジ完遂――決着を呼んだ、落ち着きと熱狂の同居
ブースターの鼓舞がリズムを取り戻す
最終Qの序盤、千葉ジェッツはもう一度、試合の芯を握りにいく。先頭に立ったのはホグだ。
外角の3Pで先に叩き、次のポゼッションではペリメーターから間合いを詰め、ペイントエリアへ持ち込む。外角→ペリメーター→ペイントエリア。
一本の攻撃の中でレンジが変わるから、守る側の重心も揺れる。ホグはその揺れを読み、あえて“強く行く”局面で強く行った。
アルバルク東京も粘り強い。サイズが外角を沈め、フォスターがペイントエリアへ切り込む。小酒部泰暉もスティールから走る。スコアはふたたび並んだ。
それでも、ららアリーナは熱を失わない。同点になった瞬間に空気が沈むのではなく、「ここからだ」という声が一斉に立ち上がる。ブースターの鼓舞が、次の守備の一歩目を速くし、次のリバウンドの一伸びを生む。
渡邊が原がモメンタムを取り戻す
その“次の一本”を現実に変えたのが渡邊だ。外角のシュートでファウルを誘い、フリースローを3本、きっちり沈める。点差以上に大きいのは、会場が共有した「決め切る」という感覚だ。一本目のネットが鳴るとアリーナの音が増す。二本目でさらに増し、三本目でアリーナが一つのリズムになった。
続く攻防で、千葉ジェッツは守備の集中を上げる。フォスターを簡単に打たせない。富樫がボールを預かり、ペリメーターで相手の視線を引きつけ、ギブスを経由して原へ。
原がペイントエリアで落ち着いて決める。ここは「千葉ジェッツの体制が整い始めた」ことを象徴する一連だった。誰かが無理をするのではなく、役割が噛み合い、ボールが自然に正解へ届いていった。

渡邊の3本のフリースローが勝負を決した-Journal-ONE撮影
最後まで堅実なプレーで押し切る
さらに千葉ジェッツは、時間の使い方も美しかった。富樫が時計を操り、ホグがペイントエリアへ切り込み、ファウルをもらって確実に積む。アルバルク東京が前へ出ようとする瞬間には、千葉ジェッツが一歩先に“決める手段”を用意している。
そしてクライマックス。富樫が切り込むように見せて守備を動かし、外角で待つ原へパス。原の外角3Pが弧を描いて吸い込まれた瞬間、アリーナの熱はさらに跳ね上がった。歓声が波になって押し寄せ、コート上の選手たちの背中を押す。ブースターの声が、決着の音に変わった。
終盤は、ベンチも含めて全員の熱量が形になった。富樫は最後まで落ち着いて試合を運び、フリースローで締める。原もフリースローを積み上げ、最後の勝利を手繰り寄せる。こうして千葉ジェッツは72-64。前日のリベンジを、堂々と“勝利の物語”として完結させた。

アルバルクの追撃を振り切り喜びを現わすホグ-Journal-ONE撮影






















