つまりここは、“どう遊ぶか”を選べないほど自由だ。しかし、どの遊び方を選んでも同じ根っこ——観察する喜び——に行きつく。
Waterエリアで感じた「他者の気配」や「景色と自分の関わり方」の感覚が、この森と海で自然に甦る。没入をもう一度身体に落とし込み、過去の命と自分をつなぎ直す。そんな静かで、深くて、どこか懐かしい体験がここにはあった。
学ぶ!未来の遊園地(Future Park)|描くと、世界が増える
創ったものが、空間の住人になる。
チームラボプラネッツのFuture Park に足を踏み入れたとき、私はまず「ここは子どものための場所」だという思い込みをそっと外した。実際には、大人の想像力まで容赦なく引っ張り出す“創造のジャングル”のような空間だった。
チームラボプラネッツの中でも、Future Parkは“創造が世界を動かす”構造を最も体験できる。
作品を眺めるのではなく、つくったものがそのまま空間に溶け込み、“生きはじめる”のを目の前で見守る場所。そんな光景があちこちで起こっていた。
スケッチ環世界|描いた生きものが、世界へ“飛び出していく”瞬間に息を呑む
大きな紙に思い思いの生きもの——飛行機やイルカ、蝶などから選び描く。描き終えたその紙をスキャンする。すると、不意に画面の向こう側から呼ばれたかのように、生きものがキャンバスに飛び込んでいく。
驚くべきことに、その生きものはただ絵として貼り付けられるのではなかった。自分の“意思”を持ったかのように世界を飛び回りはじめる。
さらに面白いのが、アプリを使うと、その生きものの視界がスマートフォンに映り込む。自分の描いた存在がどんなルートを選び、どこへ向かい、何に反応しているのかが「内側から」見られることだ。
“描いた=所有”ではなく、“描いた=世界に送り出す”。そんな驚くほどオープンな創造の体験が、ここにあった。

チームラボ《スケッチ環世界》©チームラボ
こびとの世界|手触りのある素材で、小さな住人たちの“暮らし”を作る
一方で、小人の世界はまったく異なる体験だった。ここでは描かない。磁石、スタンプ、木枠など、手触りのある素材を使い、小人たちが動き回る“現場”そのものを組み立てていく。
磁石を置けば、小人が群れて反応する。木枠を動かせば、彼らがその空間を道として利用し、小さな作業を始める。スタンプで“環境”を足していくと、小人たちがそこで働いたり、遊んだり、時には協力したりする姿が現れる。
とくに印象的だったのは、世界中から集まった子どもたちの笑顔だった。この小人の街をそれぞれの感覚でつくり変えていく。その小人たちが勝手に動き回る様子をただ眺めているだけでも、人によって世界の見え方がまったく違う。
自分が何もしていないのに、誰かの手によって世界が増え、変わり、広がる。それを見ているだけなのに、なぜか胸の奥がハッとする瞬間がここにはあった。
“世界が増え続ける”という体験
チームラボプラネッツ のFuture Park。その面白さは、スケッチ環世界と小人の世界がまったく違う方式で世界をつくっているにもかかわらず、どちらも「自分が手を加えたことで世界が勝手に動き出す」体験が成立していることだ。
ここでは、子どもたちが無邪気に世界を増殖させている。そして、その増殖の波が空間のあちらこちらで連鎖していく。私はその様子をしばらく佇み、空間が絶えず“生まれ続ける”のを目撃していた。それだけで、心が少し柔らかくなる。
初訪問者への楽しみ方のコツ
チームラボプラネッツのFuture Park を楽しむいちばんの方法は、大人が遠慮しないことだ。
描く・並べる・動かす・眺める。そのすべてが世界を変える行為になっているので、まずは一つ、何かを作ってみる。そのあと、他の子どもたちがつくった世界を眺める時間をゆっくり取ってほしい。
自分の線が勝手に飛び回る瞬間も、誰かの小人が小さな仕事を始める瞬間も、どちらも等しく世界の“更新”だ。そして、誰かの創造が自分の視界を変えるとき、このエリアの魅力が静かに立ち上がってくる。
Future Parkは、世界を観る場所ではない。世界を“増やすことができる”場所だ。そして増えた世界の中で、創造の喜びを誰もが同じ地平で共有できる。そんな不思議な平等性が、とても心地よいエリアだった。

チームラボ《こびとが住まうテーブル》©チームラボ
Open-Air|余韻を“食べる”という選択肢
アートのあとに、味覚で世界を結ぶ。
チームラボプラネッツ をすべて体験し終え、外気に触れた瞬間、身体の奥にまだ熱のようなものが漂っていた。




















