ヒートの新たな本拠地となる栃木県宇都宮。その移転準備が進む中、話題の宇都宮ライトレールに乗って実際にスタジアムへ向かった。現地で見えたのは、スポーツが街に根づく空気だ。加えて、ヒートが築こうとしている新しいファンとのつながりだった。

昨年12月から「ホンダヒートグリーンスタジアム」となった-斉藤健仁撮影
スタジアムの制限から栃木への移転を決定
ラグビーリーグワンのディビジョン1に所属し、3シーズン目を迎えている三重ホンダヒート。2026−27シーズンから活動拠点を三重県から栃木県へ移すことが決まっている。
1961年、本田技研工業株式会社(ホンダ)の鈴鹿製作所のラグビー部として創立されて以来、60年以上にわたり三重県鈴鹿の地で活動してきたヒートにとって、この移転は大きな転換点となろう。
その背景にあるのがスタジアムの環境だ。リーグワンのディビジョン1では、近い将来「15,000人以上収容のスタジアム確保」が必要となってくる。だが、これまでヒートがホストスタジアムとして使用してきた『三重交通グラウンドスポーツの杜 鈴鹿』は芝生席も含めて、最大収容12,000人と条件を満たしていなかった。
一方、新たな本拠地となることが決まっている『栃木グリーンスタジアム』は約18,000人のファンが収容可能だ。施設面での条件をクリアするとともに、より多くの観客を迎え入れる環境が整う。加えて、栃木には工場や研究所などホンダの拠点があることも大きい。

UBKレメキ ロマノ ラヴァ/三重ホンダヒート提供
プロスポーツが根付く栃木という新天地
さらに栃木県は、サッカーのJ2『栃木シティ』、J3『栃木SC』、バスケットボールのBリーグの強豪『宇都宮ブレックス』、野球の独立リーグ(BCリーグ)所属の『栃木ゴールデンブレーブス』、サイクルロードレースの『Astemo宇都宮ブリッツェン』、アイスホッケーの強豪『H.C.栃木日光アイスバックス』、バレーボール男子の『レーヴィス栃木』とプロスポーツが根付いている地域で、自治体の協力を下に、スポーツを軸にした地域づくりが進んでいる。

インゴールへ飛び込むHOテヴィタ・イカニヴェレ/三重ホンダヒート提供
スタジアムの命名権も取得、栃木への移転準備が進む
三重から栃木への移転決定時、前GM(現・GM付アドバイザー)前田芳人氏は「リーグワン所属のラグビーチームは、企業のスポーツクラブという枠組みを超え、より事業性や収益、地域社会への貢献や企業PRなどが求められる時代となりました。今後、継続的・発展的にチームが力を発揮するために、栃木県への移転を決めました」と話した。
ヒートの練習場も大規模工業団地に加え、企業の研究・開発拠点がある宇都宮テクノポリスの中心地区『ゆいの杜』に建設中で、今年の8月に完成する。3万㎡を超える敷地に、国際試合の規格を満たすラグビー専用の天然芝グラウンド、屋内練習場、クラブハウス、一般開放される遊歩道などが建設される予定だ。
ただ、ヒートは活動拠点、ホストエリア、ホストスタジアムは変更するが、恐らくセカンダリーホストとして、三重県内での試合や普及活動は継続していく。
正式な移転は2026-27シーズンからだが、今シーズンも宇都宮でホストゲーム4試合の開催が予定されていた。そしてホンダはスタジアムの命名権を取得し、昨年12月1日から『栃木グリーンスタジアム』は、『ホンダヒートグリーンスタジアム』となり、新たな拠点としての位置づけが少しずつ形になってきている。

ライトレールに向かうペデストリアンデッキ-斉藤健仁撮影
宇都宮ライトレールに乗ってスタジアムへ
東京から宇都宮までは新幹線で約1時間。在来線でも約2時間と、首都圏からのアクセスは良好だ。JR宇都宮駅に到着すると、改札前のショップにはヒートやブレックスといった地元クラブの選手がディスプレイされていた。駅に降りた瞬間から『スポーツの街』であることを感じた。
駅の東口からは地元スポーツチームのバナーで彩られた『ペデストリアンデッキ』を渡り、2023年に開業した宇都宮ライトレール『ライトライン』に初めて乗車。片道300円、『グリーンスタジアム前(キヤノン前)』まで約30分で到着した。

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