東福岡が桐蔭学園を越え、春の風に新たな物語を刻んだ。桜が舞い、熊谷に吹く強い風が選手たちの背中を押した春の一週間。
歓声とため息が交錯する中で、若い才能たちがぶつかり合い、未来へ続く一歩を刻んだ。その中心にいたのが、原点回帰のアタックで春を制した東福岡だった。
全国高校選抜ラグビー大会は決勝へ
埼玉県熊谷市の『春の風物詩』となっている第27回の『全国高校選抜ラグビー大会』。3月25日からが熊谷ラグビー場を中心に始まり、31日に決勝が行われた。
大会1・2日目こそ雨が降った。しかし、準々決勝からの3日以降は雨が降らず、桜が満開の中で決勝は行われた。
結果は、九州王者の東福岡(福岡)が、桐蔭学園(神奈川)を33-22で下す。5大会ぶり7度目の春の王者に輝いた。
今大会の最大の焦点は冬の『花園』こと、全国高校ラグビー大会で3連覇中の桐蔭学園を止めるチームが現れるか。それとも、桐蔭学園が春の選抜大会でも2連覇を達成するかだった。
初戦で苦戦するも徐々に力を発揮した桐蔭学園
関東新人大会は、降雪の影響で國學院栃木(栃木)と両校優勝だった桐蔭学園。
1回戦の長崎北陽台(長崎)戦から26-7と苦しみ、5時間ほどのミーティングを行った。すると、準々決勝では近畿大会準優勝の京都工学院(京都)戦では「スペースを突き続けるラグビー」で36-0と快勝。力のあるところを見せた。
準決勝は佐賀工業(佐賀)のロングキック、モールに苦しんだが、15-7と勝利し決勝進出。春の選抜・冬の花園を合わせ、4大会連続で15人制全国大会の決勝戦に駒を進めた。

選抜は決勝で敗れた桐蔭学園。冬の花園まで力をつけて、4連覇を目指す-斉藤健仁撮影
原点回帰の攻撃ラグビーで大会に挑んだ東福岡
一方、九州新人大会の準決勝で佐賀工業に22-19で競り勝った東福岡。決勝では、大分東明に47-36で勝利して、21大会連続25回目の優勝を飾った。
また、選抜大会では最多の6回を誇り、「ストップ・ザ・桐蔭学園」の最右翼だった。
東福岡は近年、ディフェンスからチームを作ってきた。だが、3シーズン前の花園の決勝で桐蔭学園に5-8で敗れた。加えて、昨季の花園は準決勝では、京都成章に19-38で大敗。新チームになり、藤田雄一郎監督が掲げたのは攻撃ラグビーで数々のタイトルを奪取してきた原点への回帰だった。
「東福岡が強いときはアタック。だから、アグレッシブにアタックしよう。」と覚悟を決めて、この3ヶ月、ほぼアタックに特化した練習を重ねてきた。
1回戦の日本航空石川(石川)戦は36-0とやや精彩を欠いた。しかし、2回戦は御所実業(奈良)に49-7で快勝すると勢いに乗る。
準々決勝は57-28で大分東明に、準決勝は東海大大阪仰星(大阪)に45-28と大勝して、3年ぶりの決勝に進んだ。

東福岡のモールは強力だった-斉藤健仁撮影
決勝はディフェンスでも粘りを見せた東福岡が勝利
31日の決勝戦、雨は降らなかったものの、熊谷らしい強風の中で11:00に試合はキックオフされた。先手を取ったのは、新チームとなり「桐蔭学園を止める!」ことをモチベーションにしていた東福岡だった。
FW(フォワード)、BK(バックス)一体となったアタック。そこから、SO(スタンドオフ)川添丈、キャプテンFL(フランカー)吉川元基(ともに4月から3年)がトライを挙げた。しかし、桐蔭学園にキックチャージや、インターセプトからトライを挙げられて、14-15と逆転されてしまう。
それでも、東福岡がここから反撃。攻撃ラグビーを貫いて、ボールを動かして、NO8(ナンバーエイト)濱田篤志(2年)がトライ。再び21-17リードとした。さらに前半25分、選抜大会前に福岡工業大学、九州共立大学に出稽古して鍛えてきたモールが威力を発揮。そこから、HO(フッカー)米田来海(3年)がトライを挙げた。
前半を28-17で折り返すと、後半開始直後に1トライを許して、28-22の時間帯が続く。しかし、ディフェンスでも粘りを見せた東福岡。試合終了間際に再びモールからHO米田がトライを挙げ、33-22でノーサイド。東福岡が5大会ぶり、大会最多となる7回目の春の王者に輝いた。

モールからトライを挙げる東福岡HO本田-斉藤健仁撮影
追われる立場になる東福岡、目指すは花園での優勝
東福岡の藤田監督は、感慨深そうに話しを始めた。

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