6月16日の結果(日立3×-2戸田中央)
前半戦東地区首位の座が確定した戸田中央メディックス埼玉と、昨シーズンの東地区王者・日立サンディーバの注目の一戦。日立の先発マウンドに上がった長谷川鈴夏は、先頭の中川彩音に右前安打、2死から4番・坂本結愛に四球を与えるも立ち上がりを無失点で切り抜ける。
対する戸田中央の増田侑希は、強打・日立打線を相手に1回、2回、3回と打者3人ずつで抑えるパーフェクトピッチングを見せて試合の流れを支配しにかかる。
すると、日立は3回から小刻みな継投。剛速球が持ち味のドンテイシャ・ゴーボーンにスイッチすると、ゴーボーンも強打・戸田中央打線を三者凡退に抑えて流れを渡さない。4回表、戸田中央の先頭・山口みどりの左越二塁打と四球で2死一、二塁と先制のチャンスを作ると、続く今田まなの放った打球が高々とレフトフェンスへ伸びていく。戸田中央の先制点かと思われたこの場面、背走したレフト・平田唯花が半身の体勢からフェンス手前でこの打球を好捕するビッグプレーでゴーボーンを援護した。
すると4回裏、ここまでパーフェクトに抑えられていた増田から、この回先頭の藤森捺未が2-2から変化球に上手くバットを出すと、打球は右中間フェンスを越える先制ソロ本塁打に。日立が初安打で欲しかった先制点を叩き出した。
しかし5回表、戸田中央も直ぐさま反撃に転ずる。先頭・三輪玲奈が四球で出塁すると1死になったところで日立はゴーボーンから坂本実桜にスイッチした。坂本へ交代した直後、1番・中川彩音が左中間を破る二塁打を放ち同点に追い付いた。
再び試合が振り出しに戻ると、5回裏から戸田中央はマウンドに後藤希友を送り、日立打線を三者凡退で退ける。一方の坂本も6回表の戸田中央の攻撃を三人で退け、日本を代表する両チームのエースが意地の投球を見せる。
7回表、前の打席で安打性の当たりを好捕された今田が初球をフルスイングすると、高々と上がった飛球はセンター頭上を襲う本塁打性の打球に。勝ち越しかと思われた瞬間、日立のセンター・唐牛彩名がフェンスに身を乗り出してグラブを差し出すと、勝ち越し本塁打と思われた打球がそのまま唐牛のグラブに収まる超ビッグプレーとなり、試合は延長タイブレークへと進んでいった。
8回の延長タイブレーク、先ずは戸田中央が無死二塁から2番・鈴木鮎美が犠打で三塁へ送ると、2死から坂本も死球で出塁して一、三塁。ここで坂本に代わり日立は長谷川をリエントリーでマウンドへ送る。4番・糟谷舞乃を歩かせ満塁策を取った長谷川は、渾身の三球勝負で次打者を三振に仕留めて無失点。
対する日立は。犠打を失敗したものの1死二塁で打席に入った女鹿田千紘が、日本のエース・後藤を相手に粘りに粘ること実に17球。執念の四球をもぎ取り1死一、二塁と次打者にサヨナラを託すも、ここは後藤が追撃を許さず。三振二つを奪って戸田中央も観失点で8回を切り抜けた。
1死二、三塁からのタイブレークとなる9回、戸田中央は今田が上手く三塁前にゴロを叩きつけて三塁走者が本塁生還を試みるも、サード笠原が本塁の女鹿田に冷静に送球してタッチアウト。2死一、三塁となるも、三輪が2-1 から真ん中高めに浮いた失投を見逃さず、センター右へライナーで運ぶ適時打。戸田中央が遂に1点をもぎ取り、最終回の守備についていった。
9回裏1死二、三塁、今度は日立が逆転サヨナラをかけて日本のエース・後藤に向かう。ここで打席に入った平田に対し、日立・村山修次監督が下した作戦はランエンドヒット。このサインに平田が見事に応え、絶妙に緩いゴロを一塁側に転がした。守備固めに入った一塁手の遠藤澪から素早い送球が本塁へ送られるが、三塁走者の手が一瞬早くホームに触れて同点に。
さらに1死一、三塁と走者が残る場面で、保谷蓮を申告敬遠して満塁策を取る戸田中央・福田五志監督。4番・山内早織との勝負に挑んだ後藤は、フルカウントからの6球目にインハイに食い込む速球を投じた。これに力負けせず振り切った山内の打球は、強烈なライナーで一、二塁間を襲う。懸命にダイビングキャッチを試みたセカンド・鈴木だったが、その打球の速さがグラブを弾きボールはライトへ転がりサヨナラ勝ち。
勝った日立は、昨日のビックカメラ高崎ビークイーン戦で敗れたものの、首位・戸田中央を破り3位のホンダリヴェルタとの差を1ゲーム差に詰めて上位争いへ望みを託して前半の日程を終えた。-JDリーグ試合結果へ