中でも、三歳上の姉(トヨタ自動車でプレーした美加さん)からお祝いの言葉をもらった時は、改めて200安打を達成した実感が湧きましたし、それをきっかけにこれからも頑張ろうと思いましたね。
楽しむ気持ちで最後まで諦めない
最後まで諦めずに続けて欲しい
- ここまでのソフトボール競技人生を振り返り、ソフトボールを続けてきて良かったなと思うことは何ですか?
鈴木)やはり、最後まで諦めない。それを学んだことですね。
上手くなるために最後まで諦めずに追求を続けることで、ソフトボールという競技、技術だけでなく人間性も学べたと思います。
振り返れば、私は子供の頃からひたすらボールを追いかけていました。
その、単純にソフトボールを楽しんでいた気持ちが、今でも最後まで諦めないで続けるという原動力になっています。
- 今、ソフトボールをしている子どもたちも、楽しむことを続けて欲しいですね。
鈴木)そうですね。特に、小学校、中学校、高校と続けていくことで友だちが増えますし、視野も広くなっていくと思います。
だからこそ、ぜひ楽しんで続けて欲しいですね。
「上手くなりたい」思いが大切
- そうはいっても、長く続けていると上手くいかずに苦労したこともあったのではないでしょうか?
鈴木)確かにそうですね。私、トヨタ自動車に入団してから4年目までは、ほとんど試合に出ていないのです。
というのも、当時のトヨタ自動車は、福田監督(現・戸田中央メディックス埼玉の福田五志監督)が率いる最強のチームで、周りのレベルに全くついて行けませんでした。
- 今でも10年以上も破られていない個人シーズン最高打率(.524)を叩き出したお姉さん(美加さん)を始め、坂本令奈さん(現・トヨタレッドテリアーズ監督)などレベルの高い選手がたくさん在籍していました。
鈴木)まさにそうです。本当に一から上達するために、死に物狂いで練習をしました。
福田監督はもちろんですが、特に中西コーチ(現・東海理化チェリーブロッサムズの中西あかねGM)には付きっきりで見てもらいました。
その結果、徐々にレギュラーで使ってもらえるようになって、ベストナイン賞(2016年 日本リーグ1部の三塁手部門)も取ることが出来ました。
通算200本安打を積み重ねた秘訣
- 2011年に入団して以来、15年目での通算200本安打。常にトップ選手として活躍を続ける秘訣は何でしょうか?
鈴木)そうですね。やはり、チームの勝利に少しでも携わりたいという気持ちを持ち続けていることですかね。
打てなくても四球で出塁する、守備をしっかりやりきるなど、つまりチームのために何ができるかを考え続けることで、結果も付いてくるのだと思います。
特に試合に出られない新人の時は、誰よりも早く監督に挨拶をすることを徹底していました。福田監督がグラウンドに入られるところが見える位置でストレッチをして、姿が見えたらどんなに遠くても大きな声で一番に挨拶をしていました(笑)。
- 今シーズンのJDリーグのスローガンは“再輝動”です。通算200本安打を達成した後、鈴木選手も再輝動されると思います。
鈴木)もちろん、福田監督の下で勝ちたいと思い戸田中央に移籍してきた訳ですから、このチームで日本一になるという目標に変わりはありません。
加えて、若い選手が多いので、私は特に守備のところで自分のスキルを伝えてチームに少しでも貢献できればと日々取り組んでいます。
さらに、一緒にプレーしながら教えることができるので、自分の練習にもなりますしね。
好調の前半戦を振り返って
- 鈴木選手、チームの悲願である日本一に向け、この前半戦を首位で折り返しました。
鈴木)昨シーズンのチームの成長に加えて、後藤投手、中川選手など戦力も充実したので、シーズン前に思い描いていたとおりの結果になっていると思います。
とはいえ、まだ足りない部分はたくさんありますね。
- 15勝1敗(取材時の戦績)と圧倒的な強さを見せたこの数字でも満足できないと?
鈴木)勝負の世界に“絶対”という言葉はありません。
特に、日本一を決めるダイヤモンドシリーズは一発勝負ですから、色々な状況に対応できるチームになることで、勝つ確率を少しでも上げていかなければなりません。
そのためにも、一敗(NECプラットフォームズレッドファルコンズ戦)に対して、もっと真剣に向き合って考えていかなければならないと思っています。
もっと上手くなって通算300本を目指す
― 通算200安打という節目を越え、鈴木選手ご自身が抱く今後の目標や、目指す選手像についてはどうでしょうか?
鈴木)う~ん。200本安打を達成したので、次は300本安打あたりを目標にしますかね(笑)。新人の頃からいつも、プレーを続けるからには上手くなりたいと思ってやっています。
そして、毎年少しずつ上手くなって結果を残すことで、300本が達成できればと考えて頑張ります。加えて、他のメンバーと比べて経験していることの多い年長者ですから、チームメイトにその経験を伝えていく。

















