
今年ホンダリヴェルタに移籍をして新しい挑戦をしている川畑選手-Journal-ONE撮影
通算200本安打を積み重ねた秘訣
- 2015年に入団して以来、11年目での通算200本安打。ここまでのソフトボール競技人生を振り返り、ソフトボールを続けてきて良かったなと思うことは何ですか?
川畑)そうですね。一番は、ソフトボールに向き合う自分の姿勢を見ている方が応援してくれることですね。競技スポーツは結果が全てかも知れませんが、私はソフトボールをする際に「誰のためにプレーするのか。何のためにプレーするのか」という意識を持って取り組んでいます。
川畑)2021年の東京オリンピックでは、応援してくれる皆さんのために頑張ろうと思っていたのですが、コロナ禍で無観客試合となってしまいました。声援や応援を肌で感じながらプレーすることができない中でも、毎試合連絡をくれる両親やファンの方たちから目に見えない力をもらいました。ソフトボールを頑張っている皆さんも、ご両親に喜んでもらうためにとか、勝って美味しい物を食べるためだとか、何か目的を持って取り組めばより楽しく、より上手にソフトボールができるのではないかと思います。

守備でもいくつもピンチを救ってきたーJournal-ONE撮影
- 一方で、上手くいかなかったこと、苦労したこともたくさんあったと思います。
川畑)う~ん。やはり最も苦労したのは、自分の実力と求められる実力のギャップが大きくて…そのギャップには苦しみましたね。私はデンソーに入団した2年目から日本代表に呼んでいただいたのですが、蒼々たる代表メンバーの中で本当にやっていけるのかという不安と、やらねばならないというプレッシャーがありました。でもそこで頑張り切れたのは、宇津木麗華監督にソフトボールの知識や技術を徹底的に教えていただき、その課題に無心で取り組んだことだと思います。それで結果が出ることで自信にもなりましたし、自分の器も大きくなりましたね。
- 今シーズンのJDリーグのスローガンは“再輝動”です。川畑選手も今年移籍という大きな再輝動をする環境に身を置かれましたね。
川畑)デンソーとは全く違う環境、メンバーの中でプレーをすることになりましたが、とにかく自分を他の選手たちと比べないようにしてプレーしています。選手ひとりひとりには個性があるので「この人はここが強みだな」と、その素晴らしさを理解してチームプレーに活かす必要があります。でも、その選手と自分を比べてしまうと自分の個性が活かせなくなるため、チームの勝利に貢献できるよう自信を持ってプレーするよう努めています。
新チーム・ホンダで前半戦を戦って

4月26日に行われたデンソー戦でサヨナラヒットを打った川畑選手-Journal-ONE撮影
- その新天地・ホンダリヴェルタへ移籍し、開幕までの準備してきたことを教えて下さい。
川畑)今まで敵チームとして見ていた選手たちと実際にチームメイトになると、新たな発見がたくさんありました。ホンダに移籍してからは、こういった新たな発見を加えながら自分がチームに最も貢献できる立ち位置を探しながら開幕に向けて準備をしました。
- 実際に前半までリーグ戦を戦い抜いての手応え、後半戦に向けた課題を教えて下さい。
川畑)若い選手が多く伸びしろのあるチームですから、開幕から前半戦終了まで常に成長し続けていました。そのため、立ち位置を探しながらプレーをし続けて前半戦を戦い終えたといった感じですね。後半戦に向けてはさらにチームも成長をしていくと思います。その中で、若い選手たちの考えを良く聞きながら自分が経験してきたことを伝え、最適なアドバイスもしながら共に成長していきたいです。
ファンを意識した理想の選手像
― 通算200安打という節目を越え、川畑選手ご自身が抱く今後の目標や、目指す選手像についてはどうでしょうか?
川畑)理想としては、“泥臭くプレーして心に残る選手”になりたいと常に思いプレーしています。ファンの皆さんは、わざわざ休みの時間を割いて私たちの試合を観に来てくれています。当然、結果を出すことが一番なのですが、勝負ごとなので常に勝つというのは難しい。ですから、自分が結果で一喜一憂することなく、どんな局面でも泥臭くチームのためにプレーし続けることで応援に応えていきたい。そういった部分がファンの皆さんの心に残れば嬉しいです。

