2017年完成の巨大スポーツコンプレックス
オリンピックをはじめとする、様々なスポーツ競技大会で活躍する韓国国家代表のトップアスリートたち。そのトップアスリートたちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、最先端のトレーニング施設と充実したサポート体制を提供しているスポーツコンプレックスが、“鎮川ナショナルトレーニングセンター(진천 국가대표 선수촌)‘だ。
ソウル中心街から中部高速道路を使って一路南へ。ソウルの高層ビル群を抜け、のどかな田園地帯や山の間を1時間半ほど走り、大小ICで高速を降りる。その後、蛇行する一般道を走り抜けて左折すると突如、整備された幅広い直線道路に繋がった。凡そ700mほど伸びた大通りの突き当りに、ここからでも十分に認識できる巨大なゲート、鎮川ナショナルトレーニングセンターの入口が見える。

巨大な鎮川ナショナルトレーニングセンターの入口-Journal-ONE撮影
2017年10月に完成した鎮川ナショナルトレーニングセンターは、2011年8月の第1期工事竣工と合わせ2段階の開発を経て建設された巨大スポーツコンプレックス。ソウル市郊外の泰陵国家代表選手村に代わる新たなナショナルトレーニングセンターとして、自国開催となった2018年2月の平昌オリンピックに合わせて完全オープンを果たした。
驚くべき広さの鎮川ナショナルトレーニングセンター
巨大ゲートに隣接するウェルカムセンターにある施設の地図を見ると、驚くべきは練習施設の多さだ。159万平方メートルを超える広大な敷地に、35種目の競技に対応する12の屋内施設と10の専用グラウンドが並んでいる。冬季オリンピック競技を強化するためのアイスリンクや、パラスポーツのための競技場も備えたその大きさは世界最大級だ。
緩やかな丘陵地に沿って建てられた様々な施設を地図上で確認するだけでも大変だが、目的の場所へ移動することは容易ではない。入館IDを持つ選手たちは、チームバスで直接乗り入れることもあれば自家用車で目的の施設に直接行くこともできる。

ウェルカムセンターにある鎮川ナショナルトレーニングセンターの全体図-Journal-ONE撮影
鎮川ナショナルトレーニングセンターのこの広さは開業当時、韓国国内でも相当ニュースになったという。今までの主力施設であった泰陵国家代表選手村と比べて敷地面積は約5倍、それに伴い確実に増える選手たちを想定して宿舎の部屋数も8棟823室と約2倍。収容人数でいえば450人から1,150人となり、様々な競技のアスリートたちを一度に多く受け入れられる環境を整えた。
ウェルカムセンターで韓国国家代表の功績を知る
正面ゲートに隣接するウェルカムセンターは地下1階、地上2階の三層構造になっており、入館受付はもちろん、韓国スポーツ発展の歴史と功績を知ることのできる施設だ。正面玄関では、一般見学の受付も行っているが団体見学、個人見学ともに事前の申請が必要だ。海外のスポーツ事情に興味のある方は、機会があれば是非とも訪れて欲しい。

ウェルカムセンター2階に通じる大きな階段-Journal-ONE撮影
このウェルカムセンターの入口を入った直ぐ右手には、韓国スポーツ界発展に貢献した5人のレリーフが飾られた大きな階段がある。その階段を登ると韓国スポーツの歴史が分かる展示ブースがある2階へと行くことができる。
2階にある展示ブースでは、これまでのオリンピックにおける韓国国家代表の選手たち栄光の歴史が、写真や年表で分かりやすく紹介されている。飲食を提供するスペースには、オリンピックで活躍した韓国のメダリストたちのイーゼルに固定されたパネルもズラリと飾られていた。

韓国トップスポーツの歴史が分かる展示ブース-Journal-ONE撮影
この中で特に大きく紹介されていたのが、女子フィギュアスケートのキム・ヨナ(김연아)選手だった。2010年のバンクーバーオリンピックで金メダル、続く2014年のソチオリンピックでは銀メダルを獲得したキム・ヨナ選手は、同年代の浅田真央選手との名勝負を繰り広げたことで日本でも高い知名度を持つ韓国のトップアスリートだ。
