会場に入ると日本語以外の言語が聞こえてきた。本田圭佑による英語の挨拶からはじまり、スタンドからは我が子やチームを後押しする家族の声援が飛び交う。タイがチャンピオンに輝き、シンガポールやフィリピンも4強入り――。アジア各国からU11(11歳以下)の選手たちが一堂に集結した4人制サッカー「4v4」(フォーブイフォー)初の国際大会「TOYOTA Presents, 4v4 ASIAN CUP 2024-25」は、選手たちの可能性を引き出す競技の未来を示していた。
本田圭佑が選手たちに伝えた2つのこと
元サッカー日本代表の本田圭佑が育成年代向けに開発した4人制サッカー「4v4」(フォーブイフォー)初の国際大会「TOYOTA Presents, 4v4 ASIAN CUP 2024-25」が、8月10日に東京・大田区総合体育館で開催された。日本をはじめカンボジア、中国、台湾、香港、インドネシア、韓国、フィリピン、シンガポール、タイというアジアの10の国と地域から予選を勝ち抜いたU11(11歳以下)の選手たちが一堂に集結。国際大会とあって日本語や英語以外の言語も耳に入り、スタンドからはチームスタッフだけでなく、家族の姿も。我が子の活躍を願う声援は、やっぱり万国共通のようだ。

国を越えた戦いが始まったⒸHIROYUKI OHASHI
幕開けを告げたのは、本田による英語の開会挨拶だった。この舞台が国際大会であることを改めて印象づけたシーンと言えるだろう。彼は挨拶の中で「もし、チャンピオンになれば、4v4アジアカップで初めてのNo.1チームになります」と子どもたちに語りかけ、2つのことを説いた。ひとつは「この大会の経験と、今感じている気持ちを忘れないでほしい。勝てば喜び、負ければ悔しさがあるだろうが、それもすべて大切な財産になる」ということ。もうひとつは、フィールドでの心構えだった。
「後悔のないよう、持てる力をすべてフィールドに出し切ってほしい。そして、アジア初のチャンピオンを目指してほしい」

子供たちへエールを送る本田圭佑-Journal-ONE撮影
優勝はタイ。日本は3位に…「泣いてなんかいられないよ」
今大会は、まず10チームが5チームずつに分かれて総当たり戦による予選を行った。各予選グループで決勝トーナメントに駒を進めるのは、各グループの上位2位まで。会場は声援が飛び交うメインアリーナだけでなく、サブアリーナも併用されたが、ここの中に入れるのは選手、レフェリー、運営スタッフのみ。チーム関係者や家族は外に出てガラス越しに見守ることしかできず、声は僅かに中に届くぐらい。子どもたちにとって頼れるのは、まさに自分たちだけという環境でもあった。

外から選手たちを見守る応援団-Journal-ONE撮影
試合に臨む選手たちの様子もさまざまだ。日本代表のGAMERは、初戦を前にしたとき、緊張するそぶりを見せず、自分たちでスクワットや腹筋、立ち幅跳びなど体を動かしはじめて試合へ。一方、カンボジア代表のSiem Reap Unitedはやや緊張した面持ちで、チームスタッフから「Enjoy!」と声をかけられる場面も見られた。
タイ代表のLUCKY BOYSによる、手を合わせてお辞儀をしてからフィールドに入るという振る舞いから、些細なことだが文化的な違いも垣間見えたほか、シンガポールのHart Unitedには仲間を人一倍鼓舞する選手がいた。試合を通して好プレーを称え、ゲキを飛ばす姿は、元サッカー日本代表で今大会の配信で解説を務めた槙野智章氏をほうふつとさせるほど。どのスポーツもそうだが、良い声を出す選手にはやはり目を奪われるものである。
そして予選を終えて、決勝トーナメントに進んだのは「日本」「タイ」「シンガポール」「フィリピン」(MAKATI FOOTBALL CLUB)の4チーム。日本を除く3チームは東南アジア勢が占めた。技術力で言えば日本が一枚上手な印象もあった中、タイは小柄ながらゴールへの推進力が強く、シンガポールは各ポジションで強みに秀でた選手が融合し、バスケットボールが盛んなイメージがあるフィリピンも足元の技術が高い選手が目立った。
優勝まであと2試合。メインアリーナで行われた準決勝は劇的な試合が続いた。まずシンガポール対フィリピンのマッチアップでは、シンガポールが残り40秒からの逆転勝ち。ペナルティエリア前でゴールを抜いて3点を獲得し、さらにロングシュートも決め切って5-3で決勝へ。

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[写真]=Nobuhiro Fukami