B.LEAGUEに所属する ”千葉ジェッツふなばし”(以下、千葉ジェッツ) のホームアリーナとして2024年5月に開業した ”LaLa arena TOKYO-BAY”(以下、ららアリーナ)。2024-25シーズンの千葉ジェッツの年間来場者数は、Bリーグのクラブ主管試合レギュラーシーズンにおける年間総入場者数、およびクラブ史上年間総入場者数で新記録を達成。それ以外にもコンサートなどのイベントが行われ、開業して1年にも関わらず多くの人が足を運んだ。
南船橋のさらなる活性化のために欠かせない存在となったららアリーナだが、その飛躍的な成長の理由の一つとして、全国にあるアリーナの中でも施設設備がトップクラスということが挙げられる。約1万人を収容する規模のアリーナで、来場者が快適に過ごせる施設の設備や取り組みとは。他にも隠されたららアリーナの秘密とは一体何なのか。

開業から1年が経過したららアリーナの秘密に迫るーJournal-ONE撮影
今回は【株式会社TOKYO-BAYアリーナマネジメント】の営業部兼、施設管理部兼、経営管理部の斉藤 拓さんと、施設管理本部の赤坂 峻一さんにお話を伺い、南船橋のシンボルであるららアリーナの施設について明らかにしていく。
三井不動産×MIXIの共同開発で誕生した ”ららアリーナ”

今回お話を伺う斉藤さん(右)、赤坂さん(左)-Journal-ONE撮影
ー まず、ららアリーナはどういった経緯で作られたのでしょうか。
斉藤さん) もともとこの場所は、線路を挟んだところにある ”ららぽーとTOKYO-BAY”の敷地外駐車場でした。このエリア一帯を開発している三井不動産が、この駐車場の場所でなにか収益が発生するものを作れないかと考えたことがきっかけです。
そして当時 ”船橋アリーナ” をホームアリーナとして使っていた千葉ジェッツには、もっと大きな規模のホームアリーナを持ちたいという強い思いがありました。その想いに応える形でMIXI(※千葉ジェッツはMIXIの100%子会社)と方向性が一致し、共同事業としてプロジェクト化に至りました。

開業1年で大いに盛り上がったららアリーナーJournal-ONE撮影
ー ららアリーナを設計するにあたって工夫した点はどんなところですか?
斉藤さん) 今、ららアリーナで行われる千葉ジェッツの試合は年間約30試合です。ですがアリーナの事業上それだけだと採算が取れないのが現実です。ですので、バスケットボールに特化した作りではなく、コンサートにも対応できるような設計にしました。
例えば、床はコンクリートがデフォルトになっていてバスケットボールの試合の時に木の床を上から敷きます。客席に関しても、コンサートのエンドステージ形式を想定した作りとしており、バスケットボールの試合の時は360度どの角度からでも見られるように、エンドステージの位置に14段ほどの可動席を引き出してそのスペースを活用しています。バスケットボールの床を入れるのは当初は6時間くらいかかっていましたが、今では3時間ほどで作っていただけるようになりました。

コンクリートの床と可動式の座席が壁沿いにある‐Journal-ONE撮影
赤坂さん) コンサートを念頭に置くと天井の吊りポイントが多くキャットウォークも幅広で歩きやすいですし、アリーナ内にトラックが乗り入れられるので設営時のイベンター側の手間を省くことができます。ストレスなく設営や本番の作業してもらうことができるのは良い点だと思いますね。
斉藤さん) 三井不動産もMIXIもアリーナ事業は初めてでノウハウがない中でのプロジェクトでしたので、ノウハウを持っている方にヒアリングをしてここまで進めていきました。

インタビューに答えてくれた赤坂さん(左)、斉藤さん(右)-Journal-ONE撮影
ー 他のアリーナ施設に比べてアリーナ内に広告が少ないのはどんな意図があるのでしょうか。
赤坂さん)単純に演出を考えると邪魔になるので、コンサートをやる時にどう見えるかを考えて物理的な看板は作らないようにしました。我々は箱を貸し出す側であって、イベンターにもスポンサーがついているのでそういう場合には「あの看板を隠してもいいか?」となる場合があるので、その部分では考えていかないといけないと思っています。なのでLEDやデジタルサイネージで広告を出すというやり方が必要になってくると思っています。

