シンボリックな屋根の下に特設コート
3人制バスケットボールのグローバルプロリーグ「3×3.EXE PREMIER 2025」のシーズン優勝決定戦「PLAYOFFS」(プレーオフ)が9月27日、28日の2日間にわたって、グラングリーン大阪内にあるロートハートスクエアうめきたで開催された。今大会には日本、タイ、ニュージーランド、オーストラリア、ベトナムの5カ国で実施されたレギュラーラウンドを勝ち抜いた男子22チーム、女子6チームが集結。プレーオフは2017年の導入以来、東京で開催されていたが、今回初めて大阪へ舞台を移したのだ。
会場となったグラングリーン大阪は、JR大阪駅直結の公園を中心とする再開発エリアで、昨年9月に先行して街びらきされた新しい梅田のランドマークである(全体の街びらきは2027年度)。とりわけ芝生広場には数多くの子どもから大人まで集い、噴水で遊ぶキッズの姿も。夜になっても語り合う若者らが数多くいたほどだ。

プレーオフの会場は、グラングリーン大阪内にあるロートハートスクエアうめきた-Ⓒ3×3.EXE PREMIER
そんな芝生広場のすぐ隣にあるロートハートスクエアうめきたが、今回の舞台である。シンボリックな円形の屋根が特徴的な大屋根イベントスペースの下に、特設コートが出現。3×3のファンはもとより、偶然ここを通りかかった人々から「バスケやってるやん」「デカイ!」「バスケでDJあるんだね」といった驚きの声が上がるなど、注目を集めていた。
地元選手が躍動!家族や友人の声を背に
そんな大阪での大一番は、関西出身の選手たちにとって特に気持ちの入る舞台にもなった。3×3は関東での試合開催がまだまだ多いだけに、この2日間は家族や友人、3×3プレーヤーと仕事を両立する選手にとっては職場の仲間にも、その姿を見てもらう機会になったのだ。
「3×3.EXE PREMIER 2025 JAPAN」で女子カテゴリーのレギュラーラウンド1位に立ち、プレーオフに初出場したUENOHARA SUNRISE.EXEの八木希沙は「(グラングリーン大阪での開催が決まって)ほんまにめちゃくちゃ、たぶん誰よりも一番テンションが上がっていたと思う」と、言葉を弾ませた。さらに「こんな良いところでやってくれて、ほんまにEXE(=3×3.EXE PREMIER)ありがとうございます」という気持ちでもあったそうだ。
ただ、残念ながら結果は予選で2敗を喫して悔しいものに。八木は「わたしは5人制もやっていて、関西のバスケの友だちも応援をしてくれているので、3×3の試合を見たいと言われていました。今回は、ここぞとばかりにみんなが来てくれただけに、勝ちたかった」と唇を噛んだ。今シーズンは新チームのけん引役として、これまでと違う役割で活動していただけに、この敗戦を糧にさらに成長した姿を期待したいところだ。

UENOHARA SUNRISE.EXEの八木希沙Ⓒ3×3.EXE PREMIER
一方で、男子カテゴリーでも地元開催が好プレーの原動力になった選手たちがいた。レギュラーラウンド14位からプレーオフに進出したTOKYO DIME.EXEの西畝優は、予備予選2試合を勝ち抜いて本戦予選に駒を進める大きな力に。特に2ポイントシュートを数多く射抜く姿が印象的だった。彼は「友だちや会社のみんなも応援をしてくれて、感謝しかありません。ホームのパワーをもらったのか分からないですけど、良いところで2ポイントが入りました。大阪でやってくれたリーグには感謝です」と振り返った。
また、レギュラーラウンド6位でプレーオフに駒を進めたUTSUNOMIYA BREX.EXEの仲西佑起も晴れの舞台で躍動した。大会初戦でレギュラーラウンド1位のSHINAGAWA CITY.EXEを撃破した後には「家族も来てくれましたし、会社の方にも見てもらえる。3×3をプレーしているところを見てもらえるのはすごくありがたい」と明かす。その後もチームは強豪ぞろいの予選を1位通過して決勝トーナメントへ。準決勝でMELBOURNE MAGIC.EXEに敗れたものの、スピードに乗ったレイアップや好守を発揮して、地元で堂々した姿を見せてくれた。

UTSUNOMIYA BREX.EXEの仲西佑起-Ⓒ3×3.EXE PREMIER

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[写真]=Nobuhiro Fukami