代表選手が集う千葉J戦にホーバスHCが来場
10月25日にららアリーナ東京ベイで行われた千葉ジェッツ対サンロッカーズ渋谷の試合に、男子日本代表チームのトム・ホーバスヘッドコーチが視察に訪れ、ハーフタイム中にメディアの取材に応じた。
「この試合(対戦カード)には代表の選手がいっぱいいます。試合が終わったら、いろんな選手と話をしたいなと思っています」
ホーバスHCの口調はすこぶる穏やかだった。しかしこの先、彼の指揮する日本代表チームの戦う試合の結果いかんでは、気持ちの凪いだ状態を保つことが難しくなってくるかもしれない。

千葉ジェッツ対サンロッカーズ渋谷の試合の視察に訪れた、男子日本代表チームのトム・ホーバスHC-永塚和志撮影
FIBAアジアカップの結果と課題
8月にサウジアラビアで開催されたFIBAアジアカップで、日本は準々決勝進出戦に敗れて全体の9位という結果に終わった。オリンピックを含めた直近の4つの世界大会に連続して出場している同国とすれば、期待される順位はもっと上のものだった。
当然、日本は2028年のロサンゼルスオリンピックへの出場を目指している。しかし、アジアカップの結果だけを見ても日本の実力が永続的なものとなったとは到底言えないことを示している。
ロサンゼルス五輪へ向けた道筋
日本は2023年のワールドカップにおいてアジア出場国のトップの成績を収めたことで、昨年のパリオリンピックへの切符獲得を果たした。ロサンゼルスへ行くには2027年のワールドカップ(カタール開催)で、やはりアジアで1位の成績をつかむことが必要となる(オリンピック世界最終予選を通じても切符獲得は可能だが、強豪ばかりが集うこちらで獲得枠を得るほうが難易度はずっと高い)。
アジア地区予選と台湾戦の重要性
11月からはワールドカップ進出へ向けてのアジア地区予選が始まる。16チームによる同予選は2つのラウンドに分かれており、1次ラウンドでは4チームずつの各予選で上位3チームが2次ラウンドに進出する。2次ラウンドでは6チームずつの組に分かれ、各組上位3チームと4位の上位のチームの計7チームがカタール行きとなる(2次ラウンドでは1次ラウンドに対戦してないチームとの対戦となる。カタールはすでに開催国枠を獲得)。
日本は1次ラウンドで中国、韓国、台湾と同組となっており、11月下旬から始まる「ウインドウ1」では台湾とホーム(ジーライオンアリーナ神戸、11月28日)とアウェイ(新北市、12月1日)で1試合ずつを戦う。日本は過去2度のワールドカップ・アジア地区予選の出だしを連敗で切っており、その後の連勝で本大会進出を決めている。だが、他の2か国がより強敵であることや2次ラウンドに進出しても1次ラウンドの勝敗が反映されることを鑑みれば、台湾から2つの白星の奪取は絶対的にしておきたいところだ。

パリオリンピック前の合宿で渡邊雄太のシュートの模様を見守るトム・ホーバスHC-永塚和志撮影
海外組不在の中での国内選手の台頭
これまでも日本は、海外でプレーをする八村塁(NBAロサンゼルス・レイカーズ)のシーズン中の代表活動参加が難しかった。それに加え、NBAに挑戦中の河村勇輝やアメリカの大学に通うジェイコブス晶(フォーダム大)ら「海外組」のシーズン中の参加も同様に見込めないという事情がある。日本はここでつまずくようなことがあれば、ロサンゼルスオリンピックの前に、ワールドカップ進出も危ぶまれることとなる。

NBA挑戦中でシーズン中の代表活動参加が期待できない河村勇輝の穴を埋める選手の登場が待たれる-永塚和志記者
渡邊雄太の復帰とその影響
ただ、日本にはBリーグにも才ある選手がいる。ホーバスHCや彼自身の言葉から判断すると、アジアカップは故障がちの体の改善のために出場を見送った渡邊雄太(千葉J)の復帰は決定的としてもよさそうだ。また、パリオリンピック後に代表活動から身を引く旨をほのめかしていた比江島慎(宇都宮ブレックス)の復帰の可能性もありそうだ。

昨秋、日本代表チームからの引退をほのめかした比江島慎だが復帰の可能性もあるようだ-永塚和志撮影

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