「まず、引き継いでいきたいと思うのは『凡事徹底』。神鳥監督がこの言葉を掲げられていましたが、素晴らしい言葉だと思います。それができたからこそ、この神鳥体制5年目で優勝という結果につながったと思っている。それはラグビーだけではなく、生活も学業も同じです。小さいことを積み重ねる大切さを学生に説いていきたい」。
4月からHCから監督に就任。グラウンド面だけでなく、ラグビー部全体のマネジメントも仕事となってくる。「正直、始まったばかりで漠然としています。しかし、私はラクビーコーチという側面が非常に強いタイプです。ですから、そこをやりつつも、監督としてやらなければいけないことをこれから学んでいく。」と抱負を語った。

高野新監督(左)へパスを投げる神鳥監督-斉藤健仁撮影
現場主義の継続とチーム運営の考え方
ただ、「私自身のやり方を大きく変えるつもりはない。現場のHCを私がやるという形で、アシスタントコーチたちと一緒にうまくやっていきたい。(監督となり)増える部分のバランスや、どんな人に預けていくのかという部分は、これから考えていきたい。何にせよ、チャレンジを楽しんでいきたい」と述べた。
高野新監督は小学校2年生のとき、天理高校が花園で優勝した姿を見た。そして、そこからラグビーを始めたという。その天理高校の選手が4人、明治大学に進学した。それもあって、自らも天理高校から明治大学に進んだ。
「根本には天理高校ラグビー部での教えが身についています。(花園を連覇した)故・田中克己監督の教えで一番頭に残っているのは、『ラグビーはフットボールだぞ』ということ。だから、キックをうまく使って戦うというのが、戦術の根本にある」。
主にCTB(センター)としてプレーし、大学4年時はキャプテンも務めた。だが、大学時代は早稲田大学、関東学院大学が「2強」の時代。高野新監督の学生時代は「早明戦」で1度も勝つことができなかった。また、卒業後に進んだクボタ(スピアーズ船橋・東京ベイ)でも2部を落ちの憂き目を見た。
高野新監督は「しんどい経験をしたことは、ものすごくプラスになっている。結果が求められると思うが、結果よりも絶対に大事なものがある。そういったところは、学生にも知ってほしい。」と語気を強めた。

高野新監督-斉藤健仁撮影
ルディケHCとクボタでの学び
2014年3月に引退した後、すぐにスピアーズのアナリストとなり4年務めた。そして、フラン・ルディケHCの右腕だったコーチがいなくなると、高野新監督はアシスタントコーチに就任。主にディフェンスなどを担当し、2022-23シーズン、スピアーズの初優勝にも寄与した。
やはり、世界的名将のルディケHCの存在は大きい。加えて、スピアーズでの8年間のスタッフとコーチ経験もある。今でもよくルディケHCに会っているという。「特に指導という部分では、ルディケHCからの学びは非常に大きい。彼には一貫して人としてどうあればいいかを教えてもらった」。
また、「クボタの選手たちからの教えも大きかった。プロフェッショナルな選手がたくさんいた。オールブラックス経験のある有名な選手(ライアン・クロッティ)から、『一流のスポーツ選手とはどうあるべきか』という学びを得て、それを学生たちにどう教えるか。プロと学生の違いは重々承知している。しかし、違うから指導法を変えるということではなく、少しアプローチを変えながらやっている。」と語った。
目指すラグビーと初年度の目標
最後にどんなラグビーを目指すかと聞くと、高野新監督はこう答えた。
「見ている人が面白いと思えるような、何より明治らしさ、今まである『前へ』や『重戦車』など、そういうのを出すためのラグビーを選手に伝えていきたい」。
就任1年目の目標は「常に勝ちにこだわっていきたい。もちろん、昨シーズン見せていただいた景色をもう1度見るのも当然。今まで、明治大学の歴代監督がしんどい頃から積み上げてきた。そうして、ようやくまたチャンピオンになることができた。強い明治大学の新しい文化、環境をしっかり作っていくことが役割だと思っている。」とまっすぐ前を向いた。
「しんどい時代を過ごした明治大学を嫌いということは一切ない。逆に母校愛は強い方だと思っている。」という高野新監督。紫紺のジャージーの新たな指揮官は、学生とともに大学選手権の連覇を目指す。

優勝し歓喜の明治大学-斉藤健仁撮影





















