サプライズ応援で全国準V
女子ソフトボールの世界最高峰リーグ”JD.LEAGUE(以下、JDリーグ)”。正式競技として復活した2028年ロサンゼルスオリンピックで3大会連続金メダル獲得を目指す日本代表トップ選手はもちろん、世界各国のトップ選手たちが集まりしのぎを削っている。

JDリーグ公式戦はトップレベルのプレーで盛り上がる-Journal-ONE撮影
そのJDリーグでプレーできるのは、所属16チームに入団した限られた選手だけ。いわゆる女子ソフトボール界のエリートばかりのJDリーガーは、ソフトボールで汗を流す小学生たちにとっては、憧れであり目標となる存在だ。
そんなJDリーガーが、地元の後輩たちにサプライズで応援動画を送ったのは2月の末、春の全国大会出場を前に千葉県松戸市長の表敬訪問をしていた”松戸JSLホワイトレイズ”の選手たちに向けてだった。
憧れの先輩からのサプライズメッセージに奮起した松戸JSLホワイトレイズの選手たちは、3月に岐阜県(揖斐川町)で開催された第18回春季小学生女子ソフトボール大会において、見事チーム史上最高位となる準優勝に輝いた。

第18回春季小学生女子ソフトボール大会で準優勝した松戸JSLホワイトレイズ-Journal-ONE撮影
お礼と報告にJDリーグ初観戦
その準Vから1ヶ月余り経った5月11日、神奈川県川崎市にやって来た中島正幸ヘッドコーチをはじめとする選手、チームスタッフ、親御さんたち総勢15名の松戸JSLホワイトレイズ。
サプライズメッセージを送ってくれた”日立サンディーバ”の杉浦穂華選手を応援しようと、JDリーグのリーグ戦第3節が開催される等々力球場にやって来たのだ。
松戸JSLホワイトレイズの選手たちはもちろん、スタッフの皆さんもこの日が”JDリーグ初観戦”。野球ならばNPB(日本プロ野球)、バスケットボールならばBリーグ、サッカーならばJリーグと、各競技に取り組む子どもたちが憧れの選手たちのプレーを生で観る機会が増えている。
しかし、女子ソフトボールの最高峰であるJDリーグはまだ4シーズン目。試合数も他の競技と比べると少ないため、なかなか生観戦する機会に恵まれないようだ。

憧れの先輩・杉浦穂華選手(日立)-Journal-ONE撮影
「一流選手のプレーを子どもたちに見せる機会が持てて嬉しい」と観戦前に語った中島ヘッドコーチは、「男女混合のチームが主流の中、女子だけで楽しくプレーさせようと創設したチームですが、目標となるJDリーガーである杉浦選手からメッセージをいただき、選手たちも上手くなりたい、勝ちたいという欲が出てきました」と、思いがけない一流選手との交流を喜んでいた。

ホワイトレイズで主将を務めた田村心選手(太陽誘電)-Journal-ONE撮影
実は松戸JSLホワイトレイズ、お目当ての日立サンディーバ・杉浦選手の応援にもう一つの偶然が重なる。この日の対戦相手”太陽誘電ソルフィーユ”に今シーズン入団した田村心選手(神田女学園高校)は、かつて同チームのキャプテンを務めた憧れのOGだ。
憧れの先輩二人を応援すべく、バックネット裏の最前列に陣取ったご一行のJDリーグ初観戦は想像以上に心に残るイベントとなった。

バックネット裏で2試合を初観戦-Journal-ONE撮影
初観戦に刺激を受けたポイントはさまざま
全国準Vとは言え、まだまだ小学生の選手たち。試合前や試合の合間にはスタジアムグルメを楽しんだり、選手同士でじゃれ合ったりと微笑ましいスタジアム観戦の光景も。
「楽しんで観戦できればと思っていましたが、生で観る一流選手たちのプレーは迫力満点で見入ってしまいました。娘も投手や打者の行動や振る舞いを観て勉強になったようで、親子で本当に良い刺激をもらいました」と試合後に感想をくれたのは、エース・田邊彩夏投手のお父さん。
クリンナップの一角、太田桃寧選手は「状況によってボールの捕り方が違うことに驚きました。技術力はもちろんですが判断力の良さに驚きました」とディフェンスの高さに目を奪われたとのこと。
