四国を元気に!高知編 物部川エリアに行こう!

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Bプレミアの条件を満たしたトヨタアリーナ東京のコートビュー-永塚和志撮影
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テラススイートは6つあり、「Alvark(アルバルク)」、「Botanical(ボタニカル)」、「OEDO(オエド)」といった具合にそれぞれが異なるコンセプトでデザインされている。テラス部分からコートまでの距離は18mと近く、コート上のプレーの臨場感をより間近に感じることができるようになっている。6つの部屋は定員が12名のものと15名のものがある。販売は1試合ごととなっており、価格は12名部屋で80万円、15名部屋が100万円(いずれも税別)だそうである。

テラススイートの部屋にはモニタも設置-永瀬和志撮影

テラススイートの部屋にはモニタも設置-永塚和志撮影

いくつかあるラウンジもまたこのアリーナの特色だ。「トヨタ・プレミアム・ラウンジ」(2席分が提供される1口の販売価格は1シーズン、198万円)にはライブキッチンがありシェフのつくるホテルクオリティの食事が提供される。その他、コンコースで購入できる飲食もここでしか食べることのできないものも多く、充実している。

トヨタ・プレミアム・ラウンジの食事 ©TOYOTA ARENA TOKYO

トヨタ・プレミアム・ラウンジの食事 ©TOYOTA ARENA TOKYO

「夢のアリーナ」構想は場外にも

屋外には自由に利用が可能なバスケットボールコートや、イベント開催が可能な広場も設置されている。こうしたラウンジやバスケットボールコート、広場等があることによって、来場者、来訪者がより長い時間そこにとどまり、ひいてはアリーナを中心としたコミュニティを作ることにもつながる。アリーナ内外には数々のアート作品が展示されており、それもまた「非日常」の演出を助けている。

ポップなデザインの屋外コート-永瀬和志撮影

ポップなデザインの屋外コート-永塚和志撮影

トヨタアリーナがスポーツ観戦を主眼とした仕様になっていることについてはすでに記した。Bリーグの掲げる「夢のアリーナ」構想の先駆けとして2021年に開業した沖縄サントリーアリーナ(琉球ゴールデンキングス本拠)もバスケットボール興行を中心とした設計等がなされ、その後、他の地域で新たなアリーナが完成する中、いまもって評価が高い。林社長も「沖縄アリーナができて日本でもそういう文化を楽しめるところがあるんだと先導していただいた」と、敬意を込めた発言をしている。

「そういう文化」というのは、豊かな「スポーツ観戦文化」を指す。トヨタグループは元来よりスポーツへの理解が深く、様々な競技や国内外の大会に関わってきた。今回のトヨタアリーナの建設・運営はそうした文化の集積の成果とも言えるだろう。

スポーツ観戦文化がお台場でも根付くだろう‐永瀬和志撮影

スポーツ観戦文化がお台場でも根付くだろう‐永塚和志撮影

その本気度は、アリーナの建設から運営まで徹頭徹尾、「民設・民営」にこだわっていることからもわかる。民設・民営アリーナの先例はすでにいくつかあるものの、トヨタアリーナの場合は建物所有をトヨタ不動産株式会社が、運営をトヨタアルバルク東京株式会社が、土地所有をトヨタ自動車株式会社がとすべてをトヨタグループの会社によってなされている(長崎ヴェルカの本拠・ハピネスアリーナも同様)。

民設・民営のアリーナとして一足早く開業したHappiness Arena‐永瀬和志撮影

民設・民営のアリーナとして一足早く開業したHappiness Arena‐Journal-ONE撮影

トヨタグループの仕掛けに注目

ここまで記してきたように、トヨタアリーナがスポーツ観戦に重きを置きつつ、来場者を楽しませるためのさまざまな仕掛けや演出を施すことのできる仕様となったのは、この施設がトヨタグループの持つ完全なる民設・民営のものであるからである。

あるアルバルクのスタッフは、「これだけのハードを用意してもらったのであとはソフトのところでわれわれがどれだけ頑張れるか」と重圧を肩に感じている様子だった。

選手、スタッフ一体でソフトの磨き上げに期待がかかる‐永瀬和志撮影

選手、スタッフ一体でソフトの磨き上げに期待がかかる‐Journal-ONE撮影

もっともだ。最新鋭の、見どころの多いアリーナであることに間違いはないが、それでも安定的に集客を見込めるかどうかは、わからない。現状のBリーグにおいて常時10,000人の観客を呼び込むことは、少なくともまだ容易なことであるわけではない。

■記者プロフィール
永塚 和志
フリーランススポーツライター。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、FIBA W杯や米NCAAトーナメントを取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。著書に「''近代フットボールの父'' チャック・ミルズが紡いだ糸」(ベースボール・マガジン社)があり、東京五輪で日本女子バスケ代表を銀メダルに導いたトム・ホーバスHC著「ウイニングメンタリティー コーチングとは信じること」、川崎ブレイブサンダース・篠山竜青選手 著「日々、努力。」(ともにベースボール・マガジン社)等の取材構成にも関わっている。

「X」アカウント https://x.com/kaznagatsuka
アクセス
トヨタアリーナ東京
  • 東海道新幹線 品川駅 - 山手線(3分)- 大崎駅 - りんかい線(11分)- 東京テレポート駅 - 徒歩5分
  • 東海道新幹線 品川駅 - 上野東京ライン(5分)- 新橋駅 - ゆりかもめ(20分)- 青海駅 - 徒歩4分
Journal-ONE記者の永塚和志氏
取材・文:
永塚 和志( 日本 )
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