もちろん、JDリーグにも洲鎌夏子監督(タカギ北九州)、金江爽友コーチ(デンソー)、鎌田優希選手(トヨタ)など多数の教え子を送り込んでいる。
「地元関西にも、良い選手はたくさんいますよ」と目を輝かせる山本チーフ。そのお眼鏡にかなってギャラクシースターズのユニフォームを着る選手が出てくることも楽しみだ。
なお、加藤監督も山本アドバイザーの教え子。IPUでは山本監督/加藤コーチとして、今では加藤監督/山本スカウトとしてチーム強化の二人三脚が続いている。
ところが、一緒に真剣な眼差しで高校生を見つめる加藤監督にお目当ての選手を聞くと…「う~ん。ボチボチですよ(笑)。」と、企業秘密を巧みにはぐらかされてしまった。

山本さんと加藤監督の二人三脚でチームを作る‐Journal-ONE撮影
名門校が期待するプロとの交流
京都西山高——JDリーグにOGを輩出する名門の矜持
まず、高校女子ソフトボールの全国大会について。高校野球と同様に春のセンバツ(全国高校女子選抜大会)と夏の選手権(全国高校総体)がある。
そして、その両方に毎年のように出場する名門が京都西山高だ。当然、JDリーグにも多くのOGを輩出している。現役では、清原奈侑選手(NECプラットフォームズ)、新宮怜美選手(ホンダ)、上村紗輝選手(タカギ北九州)、浅野莉胡選手(大垣ミナモ)が主力として活躍している。
さらに、既に出場を決めた第44回全国高校女子選抜大会での好結果を目指し、トッププロから教えを請おうと滋賀・守山までやって来た。

春の全国大会出場を決めている京都西山高-Journal-ONE撮影
韓国代表との縁——指導者・選手が国境を越えて結ぶ線
加えて、京都西山高はJournal-ONEが注目している女子ソフトボール韓国代表とも縁が深いことにも驚いた。
この日、采配を振るったチームリーダー・渡辺祐司さん。韓国代表の九門篤志監督と現役時代に一緒にプレーしていた縁を持つ。
さらに、同校OGで北京オリンピック金メダリスト・江本奈穂コーチの実妹・江本侑香さん。韓国代表の選手兼コーチとして2026年のアジア大会(愛知・名古屋)でのメダル獲得を目指している。
この貴重な機会について、江本コーチが「この冬、どれだけ選手たちが成長できるか。今日学んだことを含めて昨年のチームを上回れるよう頑張りたい」と話し、全国への意気込みを語る。
一方の渡辺さんも「高校生は、体力や技術はもちろんだが、何といっても気持ちの強さを醸成することが大事」。
「トップ選手のアドバイスや、いろいろなチームとの交流戦を通して、出来るという気持ちの強さが育まれる」。渡辺さんは、このイベント参加の意義を明確に示した。

京都西山高の渡辺リーダー(右)と江本コーチ(左)-Journal-ONE撮影
香ヶ丘リベルテ高——“実業団直伝”の価値
続いては、同じく春のセンバツ大会への出場を決めている大阪の香ヶ丘リベルテ高だ。
「実業団のトップ選手の指導を受けられる貴重な機会です。」と上地毅先生の期待を胸に参加を決めた。

大阪の名門・香ヶ丘リベルテ高も参加-Journal-ONE撮影
その期待通り、交流試合では中村優花・永井柚衣選手が2試合ともにベンチ入り。
最初は遠慮気味だった高校生たち。しかし、ずっと話しかけてくれる両選手のフレンドリーな対応に笑顔が。その結果、両選手の周りには常に高校生が集まり、楽しそうに試合を進めた。

中村選手がベンチで香ヶ丘リベルテの選手たちと笑顔で話す‐Journal-ONE撮影
試合中にアドバイスを受ける貴重な経験。それを心から楽しんでいた、香ヶ丘リベルテの選手たちだった。
試合中、ベンチ外から戦況を見つめていた上地先生は試合後、「どんな質問をしていましたか?」と中村、永井両選手に聞き込むシーンも。
全国大会上位進出に向け、選手たちのニーズを把握しようと熱心に耳を傾けていた。

試合後に上地先生(右)も中村、永井選手と話し込む‐Journal-ONE撮影


















