高校・大学の縛りを超え、世代の融合を図る
大久保HCは合宿最終日の3月10日、千葉・市原で日本代表と高校日本代表と合同セッションを行った。大久保HCは高校日本代表候補30名に、U20に選ばれる可能性があることを伝えている。そのため、高校日本代表のイングランド遠征にも参加した。
「日本はどうしても学年の縛りがある。しかし、今の高校日本代表選手は、海外遠征がゴールではなく、U20の世界大会がユース世代の目標となるよう。そこで自分がプレーしたいと思えるよう。これからも連携を深めていくことがユースの強化では最も必要。」と話す。
「今のU20日本代表は3学年くらいをミックスし、意図的に経験を循環させている。日本人がどう世界で勝つか、というディスカッションを深めていき、そういった仕組みが一歩進んだのはうれしい。」と、大久保HCは続ける。
現に、高校日本代表のSH荒木奨陽(中部大春日丘3年、帝京大学進学)と、CTB林宙(京都工学院3年、帝京大学進学)の2人。彼らは昨年、飛び級でU20日本代表に選出された。高校日本代表のイングランド遠征で活躍した選手の中からも、きっとU20に昇格する選手も出てくるはずだ。

U20日本代表の大久保HC‐斉藤健仁撮影
世界と戦うためフィジカルの底上げを重視
チームが本格始動する前の2月、2024年と同様に大久保HCはFWの選手たちだけを集めてリーグワンとの強化合宿を3回、繰り返した。
その意図を改めて聞くと「(世界の強豪に勝つには)前提として、FWが勝てないとアタックもディフェンスも機能しない。プロセスとしては最初なので、これからも格上のリーグワンのチームに胸を借りて6月に向かって仕上げていきたい。
彼らはユースの世界大会がゴールではなく、日本代表を目指して、ワールドカップに出場することがゴール。スタートとして、ユースでこういった習慣が身につくことが大切。」と説明した。
また、大久保HCはFWの選手たちにフィジカルアップを要求し、合宿中は1日、3~4回、ウェイトトレーニングを課し、昼寝だけでなく、就寝前にも豚肉を中心とした食事を摂っている。
指揮官は食事の回数が多く、「お金が大変です」と苦笑する。しかし、その甲斐あってPR原悠翔(明治大学1年)はすでに6週間で体重が6kgも増えた。
「原は昨年の高校日本代表遠征から見ている。世界で対戦するという意識に変わり、自分の習慣が変わったと思う。」と大久保HCは意識の成長にも触れた。

スクラムセッションには元日本代表PRだった畠山さんの姿も‐斉藤健仁撮影
キーワードは『超速』を越える『コスモ』アタック
大久保HCが目指すラグビー、そしてキーワードは2年前から変わらない。それは、カオス(混沌)ではなく、体系化された『超速』越えるほどの素早い攻撃である『コスモ』アタックだ。
大久保HCは「ニュージーランド、スコットランド、イタリアにオーソドックスに戦って、勝負になるかと言ったら、 (過去の1部大会で)1勝15敗という成績が物語っている。」と話した。
そして、「頭を使って日本人だけでどう勝つか。組織力の最大化という意味では、個々になったら勝てないことを理解している。それゆえ、カオスにならないように2年前から『コスモ』をキーワードに使っている。しっかりとグループの中で相互作用させて、組織力を上げていきたい。」と続けた。

コスモアタックで組織力を上げると大久保HC-斉藤健仁撮影
前に出る意識と“ボールを下げない”攻撃の徹底
大久保HCは選手に「6月27日、クタイシで午後3時半からニュージーランド戦が決まっている。もし、グラウンドに立ちたいのであれば、そこに向けて毎日努力を継続してほしい。」ということを選手たちに伝えている。
4月からも合宿を重ねて、リーグワンのチームやNZUとの対戦など、6月の本番まで対外的な試合は8試合ほどあるという。大久保HCは「時間を言い訳にせず取り組んでいきたい」と前を向いた。

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