レッドファルコンズの今シーズンは、着実な進化を遂げている。一方で、その歩みの根底には“凡事徹底”という哲学が息づいている。
レッドファルコンズ、接戦続きで見せる現在地
JDリーグの開幕から一ヶ月、今シーズンも既に1/3が消化された。日本一を決定するポストシーズンへの進出枠が変更となった今シーズン。優勝争いはもちろん、そのプレーオフ進出を目指すチームの健闘ぶりが光っている。
そんなチームのひとつが、静岡県掛川市を本拠地とするNECプラットフォームズ レッドファルコンズだ。ゴールデンウィーク最後の週末を連勝で飾ったレッドファルコンズ。その結果、東地区同率4位(4勝5敗)とプレーオフ進出圏内へと浮上してきた。
レッドファルコンズが興味深いのは、その戦歴にある。強豪ひしめく東地区で対戦を一巡し、1点差ゲームが5試合(9試合)もあるのだ。残念ながら1点差の試合は1勝4敗だが、展開が上手く転べばその成績は逆になっていた可能性がある。

NECプラットフォームズ レッドファルコンズの選手たち‐Journal-ONE撮影
レッドファルコンズを支える西山監督の哲学
西山麗監督の原点にある金メダルの経験
「大事な場面でフライを打ち上げてしまうケースが多かった。」と、冷静に敗因を分析した西山麗監督。しかし、「選手たちは課題がどこにあるかは分かっている。練習では課題に向き合い、ひとつひとつ克服指摘過程を続けている。」と、西山麗監督は選手たちの意欲の高さに目を細める。
今シーズンから指揮を執る西山監督だが、昨シーズンからコーチとしてレッドファルコンズに在籍している。溝江監督(現・戸田中央メディックス埼玉監督)と共に、守り勝つことに重点を置き、徹底的に守備力を鍛えてきた。
西山監督は、日本女子ソフトボール界を代表する金メダリストである。
現役時代、日本代表として臨んだ2008年北京オリンピックでは決勝戦を含む全試合に出場。極度の緊張感に包まれた大舞台でも、守備位置や状況判断といった“当たり前のプレー”を一切崩さず、日本の金メダル獲得を支えた。
その経験は、特別なことを求めず、凡事を徹底する現在の指導哲学へとつながっている。

西山監督が大事にするのは凡事徹底-Journal-ONE撮影
レッドファルコンズを進化させる指導体制と会社の後押し
それに加え、昨年まで戸田中央でプレーした通算200安打超えの巧打者、鈴木鮎美氏をコーチに招請。伝統の堅守に加え、鈴木コーチの持つ粘り強く、勝負強い打撃スキルを習得すれば、悲願のプレーオフ進出も現実味を帯びてくる。
会社側の期待も大きい。NECプラットフォームズは、この春に掛川事業所内にある練習場を全面改修。安全性を考慮したネットの増強はもちろん、雨上がりにも練習ができる黒土に入れ替えた。

新たに通算200安打超えの鈴木コーチを迎えた‐Journal-ONE撮影
“凡事徹底”が生む勝利へのプロセス
レッドファルコンズに浸透するスローガンの意味
今シーズン、レッドファルコンズが掲げるスローガンは“BON”。この英字3文字には、“BUILD UP”、“ORIGINAL”、“NEXUS”の頭文字を当てている。日本語にすると、チームの進化、独自性、そして団結力を表しているという。しかし、このスローガンにはもう一つの大きな意味がある。それは、西山監督が大事にする「凡事徹底」の“凡(BON)”の意味も含まれているという。
当たり前のことを、誰にも真似できないほど徹底してやり抜くことを意味する凡事徹底。加えて、それを妥協なく継続することで、非凡な成果を生み出す。そのチームスローガンで勝利を掴んだ試合が、5月9日の日立サンディーバ戦だった。

先制の2点本塁打を放つ長井-Journal-ONE撮影
レッドファルコンズが体現した試合での凡事徹底
先ずは、先発の右のエース・山本すみれが、強力・サンディーバ打線を相手に5回まで無失点の好投を見せる。これを受けて、山本の好投に報いたいレッドファルコンズは6回、主砲・長井美侑が、狙いすましたバット一閃。先制の2点本塁打を放ち均衡を破り、山本を援護した。












