白金温泉の泉質と効能

白金温泉の湯は、無色透明で湧き出したあと、時間とともに色を変えていきます。どんな成分を含み、なぜ濁るのか。
そして「杖忘れの湯」と呼ばれる根拠はどこにあるのか。入る前に知っておくと、湯船での時間が少し違って見えてきます。
ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉に分類される
白金温泉の泉質は、ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉です。低張性中性高温泉に区分され、旧泉質名では含塩化土類-芒硝泉と呼ばれていました。硫酸塩泉と塩化物泉の性格をあわせ持つ湯で、体を芯から温める効果が期待できるとされています。
源泉の温度は、施設や源泉によって47度から53度ほどです。美瑛町観光協会の資料では、開湯時に地下399メートルから48度の湯が噴出したと記録されています。なお、施設によっては炭酸水素塩泉や含鉄泉の要素を含む複合泉と表記していることもあり、公表されている泉質名には多少の幅があります。同じ温泉地でも複数の源泉を使い分けているためで、細かな表記は各施設の温泉分析書でご確認ください。
空気に触れると褐色に濁る
白金の湯は、湧き出した直後は無色透明です。ところが鉄分を含んでいるため、空気に触れると少しずつ酸化が進み、緑がかった褐色へと変わっていきます。宿によって湯の色が違って見えるのは、浴槽に注いでからの時間や湯量の差によるものです。
浴槽の底には、湯の華と呼ばれる成分の沈殿が溜まっていることもあります。砂のように見えるので驚くかもしれませんが、これは温泉成分が固まったもので、湯の鮮度が高い証しでもあります。かき混ぜると薄く赤みを帯びた濁り湯に変わる浴槽もあり、透明な湯と濁り湯の両方を味わえるのが、この温泉地の面白さでしょう。金気を帯びた独特のにおいも、白金の湯らしさのひとつです。
どの施設も源泉かけ流しで湯を使っている
白金温泉のもうひとつの特徴は、温泉街のすべての宿が源泉かけ流しの浴槽を持っていることです。加水も加温も循環ろ過もせず、湧き出したままの湯を浴槽へ流し込む完全放流式を掲げる施設が並びます。約52度の源泉を、内湯でおよそ42度になるよう調整している宿もあります。
浴槽の底から直接源泉を注ぎ込み、鮮度を保つために浴槽をあえて小さくしている宿もあれば、350トンの岩を組んだ大きな露天風呂を持つ宿もあります。
ただし、温度調整のために一部で加水や加温を行う場合があると案内している施設もあるため、条件を厳密に確かめたい場合は各館の掲示を見ておくと安心です。いずれにせよ、湯そのものの質にこだわる温泉地であることは間違いありません。
保湿成分のメタケイ酸を多く含む
白金の湯が「美肌の湯」と呼ばれるのは、メタケイ酸を豊富に含んでいるためです。メタケイ酸は天然の保湿成分とされ、肌の潤いを保つはたらきが期待されています。湯上がりに肌がなめらかになると評判で、女性の利用者から支持を集めてきました。
浴感としては、入った直後はつるつるとした感触が優勢で、しばらくすると硫酸塩泉らしいきしみが混じってきます。この変化も白金の湯の個性といえるでしょう。
宿によっては、源泉を使ったオリジナルの化粧品やピーリングジェルを売店で扱っており、土産としても選ばれています。肌の弱い方は、長湯を避けて様子を見ながら入るとよさそうです。
神経痛や冷え性への効能がうたわれている
適応症として案内されているのは、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うち身、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進といった項目です。きりきずや火傷、慢性皮膚病、動脈硬化症、慢性婦人病を挙げている施設もあります。
「杖忘れの湯」の別名は、こうした神経痛や関節への効能に由来するものです。十勝岳や美瑛岳の登山口が近いことから、山を下りてきた登山者が体をほぐす湯としても使われてきました。
ただし、温泉の効能は医学的な治療を保証するものではなく、感じ方にも個人差があります。持病がある方や体調に不安のある方は、無理をせず短めの入浴から始めてください。
白金温泉の日帰り入浴

白金温泉は宿泊しなくても、5軒の宿すべてで湯に入れる温泉地です。ただ、受付時間も料金も施設ごとに差があり、定休日を設けている宿もあります。青い池の帰りに立ち寄るつもりなら、何時までに着けばよいのか、いくら用意しておけばよいのかを先に押さえておきましょう。
受付時間は施設ごとに14時から21時まで幅がある
もっとも遅くまで開いているのは、森の雫 RINとホテルパークヒルズの2軒です。どちらも21時まで受け付けており、RINは20時30分が最終受付となります。碧の美 ゆゆは20時まで、湯処 杖忘れの湯は受付が17時、入浴は18時までという設定です。
注意したいのが森の旅亭 びえいで、日帰り入浴は11時から14時までと、他館より大幅に短くなっています。加えて毎週月曜日が休みで、祝日の場合は翌日が休業日です。杖忘れの湯も火曜日と水曜日が定休となっているため、この2軒を目当てにするなら曜日の確認が欠かせません。












