北海道美瑛町の白金温泉は、十勝岳連峰の麓に湧く小さな温泉地です。青い池や白ひげの滝を訪れるついでに立ち寄る人も多いのですが、日帰り入浴の料金は近年になって改定され、宿の名前そのものが変わった施設もあります。
この記事では、泉質や日帰り入浴の受付時間、宿の選び方から、バスと車でのアクセス、十勝岳の火山活動による影響までを整理しました。出発前に押さえておきたい現地の状況もあわせて紹介します。
白金温泉とは?十勝岳の麓に湧く「杖忘れの湯」

白金温泉は、大雪山国立公園のなかにある美瑛町唯一の温泉地です。
温泉地としての成り立ちと位置関係を先につかんでおくと、この後の計画が立てやすくなるので、まずはどんな温泉地なのかを把握していきましょう。
1950年に美瑛町長が掘り当てた
白金温泉の歴史は、それほど古くありません。この一帯には大正時代にも温泉がありましたが、大正15年の十勝岳噴火で発生した泥流によって失われてしまいました。そこで当時の美瑛町長だった鴻上覚一氏が泉源の開発に取り組み、昭和25年(1950年)、地下399メートルから48度の無色の湯を掘り当てます。
このとき鴻上氏が「この湯は地底から湧いたプラチナ(白金)ともいうべき尊いもの」と語ったことから、白金温泉という名前が付きました。開業当初は町営のホテル1軒だけの、ごく小さな湯治場だったといいます。
その後、昭和63年末の噴火でいったん温泉街が閉鎖され、平成2年6月に再開したという経緯もあります。火山とともに歩んできた温泉地なのです。
「杖忘れの湯」という別名で親しまれてきた
白金の湯には、古くから「杖忘れの湯」という異名があります。一度入ると体が軽くなり、杖をついて来た人が杖を忘れて帰るほど疲れが取れる、という言い伝えに由来します。神経痛や動脈硬化、皮膚病などに効果が高いとされ、山を歩いた後の体をほぐす湯として知られてきました。
もう一つの特徴が、保湿成分と呼ばれるメタケイ酸を豊富に含んでいることです。このため「美肌の湯」や「若返りの湯」とも表現され、最近では「痩身の湯」として紹介されることもあります。この別名は現在も生きており、温泉街の日帰り入浴施設には「湯処 杖忘れの湯」という、そのままの名を掲げた宿もあります。効能の感じ方には個人差がありますので、あくまで温泉地の性格を表す呼び名として受け止めておくとよいでしょう。
温泉街は美瑛市街から車で25分の山あいにある
白金温泉があるのは、美瑛の市街地から南東へ約20キロメートル、道道966号を上りきった山あいです。車ならおよそ25分、旭川空港からは約40分の距離になります。丘の風景で知られる美瑛の中心部とは方角が異なるため、丘めぐりと組み合わせるなら移動の順番を考えておきたいところです。
美瑛の市街から温泉へ向かう道沿いには、白樺の並木が約4キロメートルにわたって続きます。これは大正15年の泥流が流れた跡に自然と生えてきた木々で、「白樺街道」と呼ばれる人気のドライブルートです。
標高が上がるにつれて視界に十勝岳連峰が迫ってくるため、この道自体が白金温泉の見どころのひとつになっています。ただし、温泉街から十勝岳温泉方面へ抜ける道は冬季に通行止めとなりますので、季節によって使えるルートが変わる点は覚えておきましょう。
主要な2軒は近年になって名称が変わっている
白金温泉を調べるうえで、最初に知っておきたい注意点があります。温泉街の主要な宿のうち2軒が、近年になって名前を変えているのです。
長く親しまれてきた「大雪山白金観光ホテル」は「森の雫 RIN」へ、「湯元白金温泉ホテル」は「碧の美 ゆゆ」へと、それぞれリブランドされました。
温泉街は徒歩で回れる広さなので現地で迷うことは少ないものの、宿を探すときや、日帰り入浴の情報を照合するときには以前の名前だけしか知らないと混乱のもとになるので注意しましょう。温泉地の基本情報は下記の通りです。
| 温泉地名 | びえい白金温泉(白金温泉) |
|---|---|
| 所在地 | 〒071-0235 北海道上川郡美瑛町字白金 |
| 開 湯 | 1950年(昭和25年) |
| 別 名 | 杖忘れの湯/美肌の湯 |
| 泉 質 | ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性中性高温泉) ※施設により含鉄泉・炭酸水素塩泉の要素を含む複合泉と表記 |
| 源泉温度 | 約47〜53度 |
| 主な適応症 | 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・疲労回復・慢性皮膚病・動脈硬化症 など |
| 宿泊施設数 | 5軒(すべて源泉かけ流し・日帰り入浴可) |
| 所在エリア | 大雪山国立公園内・十勝岳連峰の山麓 |
| 美瑛駅からの距離 | 約20キロメートル(車で約25分) |
| 問い合わせ | 美瑛町観光協会 TEL 0166-92-4378 |












