2026年8月には米国女子プロ野球リーグ(WPBL)が開幕し、多くの日本人選手がドラフトされた。国内でもNPB球団による女子チーム、企業チームが増えるなど女子野球界は急成長。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)の女子野球世界ランキングでも日本は首位を維持している。

神戸でも女子野球の普及に尽力する清水監督-Journal-ONE撮影
急成長する競技環境と大学スポーツの役割
このように、女子硬式野球を取り巻く環境は急速に広がっている。一方で、大学は普及・育成・体験の受け皿としての役割を担い、競技志向と楽しむ志向の両立を模索している。組織の体は、体育会部の関西学院大学と同好会の明治大学で異なるが、目指す方向性は同じだ。
それは、明治大学も関西学院大学も、プロ選手育成が目的ではないということ。“経験者と初心者が一緒に野球を楽しめる場”を作ることに重きを置いている。
第2回 明関戦 ― 開会式と両エースの好投
前日までの雨で開催が危ぶまれたが、兵庫県西宮市にある関西学院大学硬式野球部グラウンドでは試合開始3時間前から部員たちが懸命にグラウンド整備を行った。
さすがは関西学生野球連盟で優勝6度を誇る名門の専用グラウンド。ファウルゾーンにやや水気が残ったものの、予定通り第2回明関戦がプレーボールとなった。
SNS告知を見て集まった観客が見守る中、両校の校歌が斉唱されると大きな拍手が送られた。
先攻・明治大学、後攻・関西学院大学はともに序盤無得点。関学大の斧本珠璃投手(啓明学院高)、明大の柴田優衣投手(本荘高)がテンポよく投球し、試合は中盤へ向かった。

校歌斉唱後に挨拶に並ぶ両チーム-Journal-ONE撮影
中盤の流れと両校の粘り、最終盤の意地
試合が動いたのは3回裏。関西学院大学の打線が勢いをつけた。
初心者の多いチームでありながら、思い切りの良いスイングで放った打球が次々と野手の間を抜けていく。
「好きなように振れ!」「当たるよ、自信持って!」といったベンチの声が後押し。その声援に支えられ、緊張していた選手の表情にも笑顔が戻っていった。

笑顔でプレーする姿が印象的だった関学大の選手たち‐Journal-ONE撮影
明治大学もすぐに4回表に1点を返して反撃を開始。普段あまり打ち慣れていない変化球を落ち着いて見極め、好球必打を徹底した。
しかし関学大の勢いは止まらず、4回・5回と追加点を奪って試合を優位に進めた。
それでも明治大学は最後まで諦めない。6回裏を無失点でしのぐと、7回表には代打攻勢から3点を奪取する執念を見せた。
最終的に13-4で関西学院大学が勝利したが、両校の溌剌としたプレーと笑顔は点差を感じさせない充実した試合だった。

最後まで食らいついた明大の選手たち‐Journal-ONE撮影
定期戦ならではの交流と、両監督の言葉
試合後の閉会式では両校のMVPが発表され、関西学院大学は斧木投手、明治大学は野口聖奈選手(旭川明成高)が選ばれた。
「ヒット数は互角で、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。」と清水監督。
また藤﨑監督も「挟殺プレーなど試合でなければ得られない課題も見つかった。硬式の大会に出場する今年は大きな節目です。今日得た経験を糧に成長してほしい。」と語った。
最後は両校の選手が入り交じって記念撮影。歴史は浅いながらも、女子硬式野球の新しい伝統として定着しつつある空気が感じられた。

MVPに選ばれた野口選手(明大)と斧本選手(関学大)-Journal-ONE撮影
球春到来、それぞれが描く未来へ
柴田投手は「前回の反省を克服して試合に入れたことは良かった。」と笑顔を見せた。それでも、「中盤はスタミナ不足で打ち込まれた。これから走り込みで鍛えたい。」と前を向き捲土重来を期す。

完投した柴田投手(明大)-Journal-ONE撮影




















