米沢友翔――31年ぶりの大学選手権に挑んだ関西大学のマウンドに立った左腕は、“金丸2世”の名にふさわしい圧巻の投球で初戦の主役となった。
東京ドームを揺らした10奪三振、完封リレー、そして大応援団の笑顔。そのすべてが、名門復活の象徴として刻まれる一日となった。

伝統ある関西大応援団が東京ドームを彩る-Journal-ONE撮影
米沢友翔が魅せた“金丸2世”の圧巻投球
米沢友翔の立ち上がりと5者連続三振
東京ドームの空気を一変させたのは、背番号21が放つ伸びやかな直球だった。初回からテンポ良くストライクを重ね、相手打線をねじ伏せるような投球が続いた。
先発した関西大のエース・米沢友翔(4年・金沢)は、140km/h後半のストレートとキレの良い変化球が武器だ。強豪ひしめく関西学生野球連盟で4勝を挙げる好投を見せた。その結果、関西大は春季リーグ戦優勝を果たした。
流れるようなフォームから繰り出されるキレのある直球は、常時145km/hを超える。まずは、先頭打者を146km/hの直球で三振を奪うと、その後も圧巻の5者連続三振見せた。
フォーム改造で手に入れた145km/h超の直球
ゆったりと足を上げ、コンパクトなテークバックから無駄のない動きでボールを投げ込む。こうして放たれた直球は、打者の手元で鋭く伸び、次々と空振りを奪っていく。
自慢の速球で球場をどよめかせた米沢。しかし、その後は変化球も交え、多彩な投球術を見せ4回まで北海学園大打線を無安打に抑えた。
そのテンポの良い投球に、スタンドのファンにノーヒット・ノーランの期待も抱かせた。

テークバックの修正で球速がアップした米沢-Journal-ONE撮影
北海学園大・白田優斗との左腕エース対決
白田の0.88防御率が示す安定感
関西大・米沢の好投に目が向いた試合だが、北海学園大学の先発・白田優斗(2年・稚内大谷高)も負けず劣らずの投球を見せた。
札幌学生連盟を制した北海学園大の立役者でもある白田。リーグ戦ではチーム最多の3勝を挙げ、驚異の防御率0.88と優勝に貢献した。
米沢と同様、淡々と投げ込む白田のボールもキレがあった。その結果、関大打線の狙いを外し続け、互いに譲らぬ左腕同士の投げ合いとなる。
関西大打線との緊迫した攻防
一球ごとに勝負の色が濃くなる中、両軍の攻防は息をのむような緊張感に包まれた。
三振を量産する米沢に対し、白田は早いカウントから打たせて取る投球を披露。内外野の守備も堅く、左打者を連ねる強打・関西大打線に4回まで被安打1と好投した。
その後、継投策に入った北海学園大。6回から登板した岩渕英晃(1年・札幌大谷高)、加えて、8回から登板した住吉壮野(4年・室蘭栄高)も関西大を無安打に抑える好投を見せる。
両左腕の投げ合いから、継投を挟んでもテンポ良い試合展開。その結果、最後まで1点を争う緊迫した展開に、両チームのスタンドは白熱した応援を届け続けた。

3投手の継投で1失点と好投した北海学園大-Journal-ONE撮影
関西大学がつかんだ31年ぶりの初戦勝利
わずかな好機を確実に得点へとつなげた関西大学の姿勢が、試合の流れを引き寄せた。
初回の先制点が決勝点に
序盤の一打が試合全体の空気を変え、関大ベンチに勢いをもたらした。その結果、初回に挙げたこの得点が決勝点となった。
1回裏、1年生の渡邊拓実(1年・東洋大姫路高)が左中間を破る二塁打を放ち、いきなりの得点圏へ走者を出した。その後、犠打失策などから1死一、三塁と先制のチャンスを作る。
この場面で4番の山本峻介(3年・延岡学園高)が犠飛を放って先制。これが決勝点となった。

初回に二塁打を放った1年生の渡邊-Journal-ONE撮影
追加点を阻んだ北海学園大の粘り
失点を重ねまいとする北海学園大の守備が、試合を最後まで緊迫させた。
北海学園大は5回表、この試合初安打を放ち2死ながらも同点の走者を三塁に送った。しかし、米沢のリズムは崩れることなく後続を切ってとる。
するとその裏、今後は関西大も、笠井康生(4年・社高)、森内大奈(4年・福井工大福井高)の連続安打で無死一、二塁と追加点のチャンスを作った。1死後、初回に二塁手を放っている渡邊との対戦となった白田。しかし、ここは併殺に切ってリベンジ。追加点は許さなかった。













