ふたつの宇宙、ひとつの地続き
物質が可視化した宇宙

東寺の立体曼荼羅は、1200年前、弘法大師・空海が肉眼では捉えられない密教の宇宙観を、21体の仏像という「物質」の配置によって民衆に示そうとした試みだった。薄闇の中に仏たちが立ち並ぶ様は、幾多の参拝者を圧倒してきたのだという。宇宙を可視化するために、空海は物質を積み上げた。
現象が立ち上げる宇宙

一方、チームラボ バイオヴォルテックス 京都は、物質をほとんど使わない作品もある。光と環境、そして鑑賞者自身の認識という「現象」によって、そのつど新しい宇宙を立ち上げてみせる。渦を巻く球体も、腕にまとわりつく泡も、カメラに写らない太陽も——そこにあるのは物ではなく、現象と、それを認識する自分自身だった。「存在の宇宙、認識の宇宙」というコンセプトの意味を、体験を終えたいま、ようやく実感として受け取ることができた。
1200年を超えて、地続きの場所
物質による宇宙と、現象による宇宙。手法はまるで違う。だが、どちらも「空間そのものを使って、人間の認知を超える世界を可視化しようとした」という一点においては、驚くほど似通っている。しかもこの二つの場所は、地図の上ではものの数分の距離にすぎない。
東寺で仏たちと対峙した翌日、光の彫刻の中を歩く——そんな1泊2日の道のりを、京都はこともなげに用意している。1200年前の思想と、いま生まれたばかりの表現が、同じ南区の空の下で静かに向き合っている。もし京都を訪れる機会があれば、この二つの場所を続けて巡ってみてほしい。きっと、時間という感覚そのものが、少しだけ揺らぐはずだ。
インフォメーション(施設情報)
チームラボ バイオヴォルテックス 京都 – 大成建設
-住所:京都市南区東九条東岩本町21-5
-開館:2025年10月7日〜(常設)
-開館時間:9:00〜21:00(最終入館19:30)※変更の場合あり
-休館日:7/14(火)・9/1(火)・9/15(火)※変更の場合あり
-公式サイト:https://www.teamlab.art/jp/e/kyoto/
-アクセス:京都駅八条東口から徒歩約7分
-ハッシュタグ:#teamLabKyoto#チームラボ京都
▶番外編「スケッチファクトリー+余韻を味わうオススメ店」へ続く













