平成国際大学が第16回全日本大学女子硬式野球選手権大会で快進撃を続けている。
予選トーナメントでは桃山学院大学との接戦を制し、続く京都文教大学戦も粘り強い戦いで勝利。決勝トーナメント進出を決めると、決勝トーナメント1回戦では強豪・至学館大学を6-1で破り、堂々のベスト8入りを果たした。
ここまでの3試合は決して圧倒的な得点力で勝ち上がったわけではない。送りバントや盗塁を絡めて1点を積み重ね、継投策で試合を締める。そして試合ごとに異なる選手がヒロインとなる。濱本光治監督のもとで磨き上げた「平成国際大学らしい野球」が全国舞台で大きな存在感を放っている。

平成国際大学、桃山学院大学との激戦を逆転で制す
まずは、平成国際大学の初陣となった桃山学院大学戦。平成国際大学はいきなり初回に失策絡みで先制点を許す苦しい立ち上がりとなった。しかし、全国大会を勝ち進むためにはこうした接戦をものにしなければならない。選手たちは慌てることなく、一つひとつのプレーを積み重ねながら反撃の機会を待った。
3回には髙橋こゆりの二塁打を足掛かりにチャンスを作り、相手バッテリーのミスを誘って同点に追いつく。さらに4回には尾羽しおりの適時打で勝ち越しに成功した。しかし桃山学院大学も簡単には引き下がらず、試合は終盤まで緊張感あふれるシーソーゲームとなった。

全員野球で8強に進出した平成国際大学-Journal-ONE撮影
台湾代表から帰国直後の登板 濱本監督が託した勝負の継投
そんな接戦の中盤、濱本光治監督が送り出したのが黄晴だった。
黄は前週まで台湾で開催されていた”WBSC女子野球ワールドカップ 台南グループ2026”に台湾代表として出場。開幕戦のキューバ戦では先発投手を務めて勝利投手となるなど、台湾代表のグループ3位入賞と2027年ファイナルステージ進出に大きく貢献していた。
世界大会という大舞台を戦い終え、帰国して間もないタイミングでの全国大会出場だった。しかし、濱本監督は状態を見極めたうえで迷わず起用を決断した。
「台湾から戻ってすぐでしたが、練習で球のキレが良く迷わず起用しました」。
国際大会を経験した右腕への信頼。加えて、試合の流れを変えることができる投手であるという確信が、この継投の背景にはあった。

台湾代表でも活躍した黄-Journal-ONE撮影
黄晴の好投が呼び込んだ平成国際大学の逆転劇
5回からマウンドに上がった黄は、いきなり走者を背負う場面もありながら冷静さを失わなかった。
桃山学院大学打線は序盤から好機を作っており、一つの失点が試合を大きく左右する状況だった。しかし黄は持ち前の力強いボールで要所を締め、得点を許さない。ピンチでもテンポを崩さず打者に向かう姿には、国際舞台を経験した投手らしい落ち着きが感じられた。
この無失点投球が平成国際大学ベンチへ流れを引き寄せる。
直後の攻撃で打線が粘りを発揮すると、終盤に待望の逆転に成功。黄が踏ん張って相手に追加点を許さなかったことが、平成国際大学の反撃を呼び込む大きな要因となった。
数字に表れない価値のある投球だった。
そして試合終盤は守護神・佐藤蒼子へバトンが渡される。黄が流れを作り、佐藤が締める。平成国際大学が今大会で見せる勝利の方程式が機能し、チームは劇的な4-3の逆転勝利を収めた。初戦から見せた粘り強さは、その後の快進撃を予感させるものだった。

三塁打を放ち塁上でチームを鼓舞する主砲・金田-Journal-ONE撮影
平成国際大学らしさが光った京都文教大学戦
続く京都文教大学戦は、まさに平成国際大学の真骨頂ともいえる試合だった。
2回、森花楓の出塁からチャンスを作ると、山口真歩がきっちり送りバントを決める。すると西尾碧空が左中間を破る適時二塁打を放ち先制。さらに篠崎芹の適時打も飛び出し、平成国際大学が主導権を握った。
3回には1点差に迫られたものの、4回には再び西尾が出塁して流れを呼び込み追加点を奪取。打線は大量点こそ奪えないが、チャンスで確実に仕事を果たし得点を積み重ねた。
守っては元廣千晶が試合を作り、佐々木葵、佐藤蒼子へと繋ぐ継投策が機能。京都文教大学打線に大きな流れを渡さず、3-1で勝利した。派手な野球ではない。しかし、ひとつひとつのプレーを確実に積み上げる平成国際大学の強さが凝縮された一戦となった。


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- 取材・文:
- 編集部-矢澤( 日本 )













