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神戸広陵学園 2年ぶり甲子園優勝‐Journal-ONE撮影
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この記事の目次

神戸弘陵学園がついに“無冠の世代”のレッテルを剥がした

神戸弘陵学園がついに“無冠の世代”と呼ばれ続けた時間を、自らの手で終わらせた。

第30回全国高等学校女子野球選手権大会の決勝。Journal-ONEが2月から追い続けてきた神戸弘陵学園の挑戦が幕を下ろした。守備から主導権を握る野球と、山戸優菜主将を中心とした強い結束によって、甲子園の頂で鮮やかに結実した。

夕刻の光がスタンドを柔らかく染める阪神甲子園球場。 “無冠の世代”と呼ばれた神戸弘陵学園の選手たちは、その言葉を静かに、しかし力強く塗り替えていった。 神戸弘陵学園が積み上げてきた時間と覚悟が、この一戦にすべて注がれていた。

神戸弘陵学園と学法石川が対決した決勝-Journal-ONE撮影

神戸弘陵学園と学法石川が対決した決勝-Journal-ONE撮影

神戸弘陵学園が守備から主導権を握る

決勝の先発マウンドに立ったのは、エースで主将の山戸優菜。神戸弘陵学園の背番号21は、春の選抜で涙を飲んだ悔しさを胸に、この決勝のマウンドに立った。

初回から山戸は迷いがなかった。テンポ良く、ゾーンで勝負し、神戸弘陵学園の内野陣を信じて余計な間を作らない。 すると、その信念で初回から学法石川の上位打線を無失点に抑えると、神戸弘陵学園ベンチに落ち着いた呼吸が戻った。

そしてその裏、神戸弘陵学園の攻撃が始まる。 1死から石井望愛が三遊間へ鋭い打球を放ち、内野安打で一塁を駆け抜ける。この一本が、甲子園の空気をわずかに変えた。すると、神戸弘陵学園のベンチから、一気にに熱が高まる声が聞こえ始めた。

西垣美来の執念の一打と、日下陽介部長の判断が生んだ先制点

西垣美来が外角攻めに粘り続けた打席の攻防

1死一塁。 安打で出塁した石井望愛が一塁に立ち、甲子園の空気が張りつめる。神戸弘陵学園にとって、どうしても先制点が欲しい場面だった。

しかし、打席に入った西垣美来は初球から外角へ厳しい攻めを受けた。 試合後、西垣はこう振り返っている。

「どうしても先制点が欲しい試合。そのため、自分で決めると外側に目を付けて狙っていった」。

相手投手は外角低め、外角高めへと徹底して外を突いてくる。西垣はそのすべてをファウルで粘り、打席の中で少しずつタイミングを合わせていった。神戸弘陵学園のベンチは、その粘りに呼応するように声を強めていく。

カウントが深まり、相手投手が投じた一球。それは、これまでの厳しい外角攻めとは違い、わずかに甘く内へ入った。

三塁線に先制打を放った西垣-Journal-ONE撮影

三塁線に先制打を放った西垣-Journal-ONE撮影

日下部長の腕の回し、石井望愛の躊躇なき走塁

西垣は迷わなかった。外角を意識していた分、身体の開きが抑えられ、バットは鋭く内側から出た。

打球は三塁線を鋭く破り、左翼の深い位置へ転がっていく。その瞬間、三塁コーチの日下陽介部長が、打球が転がる先と左翼手の追い付きの遅れを一瞬で見極め、右手を大きく回した。神戸弘陵学園の三塁コーチの判断は迷いがなかった。

その右手を見た石井は、躊躇することなく二塁を蹴り、三塁を回り、一直線に本塁へ向かった。判断の速さ、スタートの鋭さ、そして日下部長の的確な腕の回し。すべてが噛み合った先制点だった。

甲子園のスタンドが揺れた。神戸弘陵学園が欲しかった先制点は、西垣の執念の一打と、石井の躊躇なき走塁、そして日下部長の判断力によってもたらされた。この一点で、神戸弘陵学園は決勝の主導権をしっかりと握った。

瞬時の判断で走者に指示を出した日下部長-Journal-ONE撮影

瞬時の判断で走者に指示を出した日下部長-Journal-ONE撮影

浅水梨来の一打で、神戸弘陵学園が理想的な展開に

なおも2死三塁。 打席には浅水梨来が入る。神戸弘陵学園の若い力が試される場面だった。プレッシャーのかかる場面だったが、浅水は表情を崩さなかった。

「自分の前で点が入っていたので、気負わずに打席に入れました。」と、浅水は振り返る。カウントを整えながら、真ん中付近に来たボールをコンパクトに振り抜いた。

打球は中前へ鋭く弾き返され、三塁走者が悠々と生還。こうして神戸弘陵学園は、山戸を早々に援護する理想的な展開を手にした。

神戸弘陵学園のベンチはさらに沸き、序盤から「守って、繋いで、得点する」という自分たちの野球を体現していく。

神戸弘陵学園 中前に適時打を放った浅水-Journal-ONE撮影

中前に適時打を放った浅水-Journal-ONE撮影

■記者プロフィール
編集部-矢澤
1995年早大卒、JR東海で国内外からの観光誘客に関する企画・宣伝を主に、百貨店、レンタカー、旅行代理店、広告代理店でも働く。趣味はスポーツ観戦と旅行。メジャーリーグ(MLB)は28球団のBall Parkで観戦済み(全30球団)。
アクセス

阪神甲子園球場

  • 住所
    兵庫県西宮市甲子園町1−82
  • TEL
    079-847-1041
  • アクセス

    ① 三宮駅 - JR神戸線 約15分 - 西宮駅 - 阪神本線 約5分 - 甲子園駅 - 徒歩 約3分

    ② 大阪梅田駅 - 阪神本線 直通 約20分 - 甲子園駅 - 徒歩 約3分

    ③ 東京駅 - 東海道新幹線 約160分 - 新大阪駅 - JR神戸線 約15分 - 西宮駅 - 阪神本線 約5分 - 甲子園駅 - 徒歩 約3分

  • その他
取材・文:
編集部-矢澤( 日本 )
この記事に関連する人物
石原康司

神戸弘陵学園女子硬式野球部の創部監督として、高校三冠や全日本選手権優勝など数多くの全国タイトルを獲得し、女子高校野球界を代表する指導者。男子硬式野球部時代には甲子園出場5度の実績を持ち、技術・戦術に加え人間形成を重視した育成方針で多くの選手を輩出。女子野球の普及と競技力向上に大きく貢献している。

山戸 優菜

神戸弘陵高校 女子硬式野球部 2026年主将
背番号 21
ポジション 投手
投打 右/左
背番号:21
出身:広島県
経歴:平良小学校ソフトボール育成会-安佐ボーイズー神戸弘陵高校
始めたきっかけ:野球をしていた兄を見に行っていたのがきっかけ。小学生の時はソフトボール。中学生からボーイズに入り硬式野球を始め、神戸弘陵高校で初めての女子チーム。
マインドセット:クラシック音楽を聴きながら、瞑想で仲間や応援してくれてる人を思い出し、やる気スイッチを入れている。

島本 そな

神戸弘陵高校 女子硬式野球部
背番号 31
ポジション 外野手
投打 右/左
出身地 兵庫県
地元兵庫県出身の選手で、中学生時代に練習試合を行うことで神戸弘陵高校に入学を決める。得意な打撃を磨き、チームの主軸選手に成長。春の選抜大会でも結果を残し、夏の大会でも活躍が期待されている。打席前はリラックスするために、歌を歌うという大物ぶり。左打者とは思えぬ力強さとバットコントロールで神戸弘陵高校を勝利に導く。

濱嶋 葵

神戸弘陵高校 女子硬式野球部
背番号 89
ポジション 投手
投打 右/右
出身 東京都
小学生の時に女子初となる読売ジャイアンツジュニアチームに選出。当時から小学生女子とは思えない投球で、注目を集めてきた。小学6年生の時に、女子野球大会の決勝戦が初めて阪神甲子園球場で行われたのを見て、憧れの先輩と同じ神戸弘陵高校への進学を決めた。3月の選抜大会には運命の準決勝に先発出場。惜しくも試合には敗れたが、石原監督も「夏の強みとなった」というほどの期待が寄せられている。

西垣 美来選手

神戸弘陵高校 女子硬式野球部

背番号:24
出身:大阪府
経歴:大阪狭山ボーイズー神戸弘陵高校
始めたきっかけ:小学1年生の時に野球をやっていた兄の影響で始めた。 
マインドセット:自分のフォームを動画でチェック。親にもアドバイスをもらいながら、時間があるときは一緒にバッティングセンター行って練習をしたりしている。

福田 稟選手

神戸弘陵高校 女子硬式野球部
背番号:26
出身:兵庫県
経歴:備前サンラッキーズー神戸弘陵高校
始めたきっかけ:1歳上の兄が野球をしていて、その応援に行っていたら自分もこんなプレーをできるようになりたいなと思い始めた。 

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