京都宇治の歴史、高知の豊かな食文化、鹿児島のダイナミックな火山と温泉。公共交通機関で巡る1泊2日の厳選モデルコースを提案。日常に上質な余白をもたらす地域経済と文化の深層に触れる、Journal-ONEの特集記事はこちら!

ニンテンドーミュージアム、高知のひろめ市場、鹿児島でフェリーの旅!公共交通機関で巡る1泊2日の厳選モデルコースを提案。日常に上質な余白をもたらす地域経済と文化の深層に触れる、Journal-ONEの特集記事はこちら!

京都駅前広場から望む京都タワーとチームラボ京都の告知看板。取材を終えて東京へ向かう前の京都の風景
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京都に位置する「teamLab Biovortex KYOTO(チームラボバイオヴォルテクス京都)」のファサード。黒いタイル壁面の中央に浮かび上がる「teamLab Biovortex KYOTO」の白いロゴマークと、その左右を囲むように配置された青々とした松や植栽の緑、そして上部に広がる深い紺色の外壁が織りなす、モダンと伝統が融合したミュージアムエントランスの落ち着いた佇まい。


梅雨明け直後の京都は、抜けるような青空と、肌に刺すような日差しに満ちていた。チームラボ バイオヴォルテックス 京都で過ごした光と認識の宇宙——その興奮が冷めやらぬまま外へ踏み出すと、待っていたのは至って普通の、けれど確かな手触りのある京都の日常だった。デジタルの宇宙から、人の温もりある場所へ。ここからは、その余韻を五感で持ち帰るための番外編をお届けしたい。


梅雨明け直後の京都。チームラボ バイオヴォルテックス 京都を包む青空と緑が、没入体験の余韻を静かに日常へと引き戻してくれる。—Journal-ONE撮影

自分の絵が、壁の中で命を得る

スケッチファクトリー|チームラボ バイオヴォルテックス 京都

クレヨンが、命を宿すとき

「チームラボ バイオヴォルテックス 京都」のスケッチファクトリーでは、用意された用紙に、来場者がクレヨンで思い思いの生き物を描く。魚でも、恐竜でも構わない。描き終えた絵を専用のスキャナーに読み込ませると、それは「グラフィティネイチャー」や「スケッチオーシャン」といった作品の中で、まるで命を吹き込まれたかのように動き始める。


チームラボ《スケッチオーシャン》 来場者が描いた魚たちがデジタルの海を泳ぐ体験型アート作品

壁の中の小さな生態系

魚を描けば尾ひれを揺らしながら壁一面を自由に泳ぎ回る。壁に手を伸ばして自分の描いた生き物に触れると、びっくりしたように向きを変えたり、逃げていったりする。自分の描いた一枚の絵が、壁の中の小さな生態系の一員になる——その様子を眺めているだけで、時間を忘れてしまう。


チームラボ《スケッチオーシャン》 来場者が描いた魚たちがデジタルの海を泳ぐ体験型アート作品

絵を、形にして持ち帰る


チームラボ スケッチファクトリー 京都 来場者が描いた絵をオリジナルグッズとして制作できる体験コーナー


ひとしきり壁の生き物たちと戯れたあとは、出口エリアの「スケッチファクトリー」のオリジナルグッズ工房へ。タブレットで自分の描いた絵を呼び出し、グッズの種類とレイアウトを選べば、数分で加工が完了する。


チームラボ京都のスケッチファクトリーでオリジナルグッズを注文するタブレット端末


缶バッジやマグネット、パズル、ペーパークラフト、Tシャツやハンドタオルまで、京都のミュージアムはラインナップの豊富さが際立つという。中でも目を引くのが、「スケッチオーシャン」で泳がせた絵を使った、京都ミュージアム限定ロゴ入りのオリジナルシール。2026年7月からの新展開で、絵の形そのままにカットされる仕様も凝っている。


チームラボ スケッチファクトリーで制作できるオリジナルグッズの展示。描いた生き物の絵をTシャツやトートバッグ、缶バッジにできる


価格帯は缶バッジで600円から、トートバッグで3,000円、Tシャツで3,000-4,000円ほどまで。スマホで注文すれば、館内を巡っている間に製造が進み、受け取りには待ち時間がほとんどない。絵を描くという体験が、そのまま形になって手元に残る——未来的でありながら、どこか工作の時間のような懐かしさもある仕組みだった。


チームラボ バイオヴォルテックス 京都のミュージアムショップとスケッチファクトリー受付エリア


すぐ隣には、自分の絵とは別に「公式ギフトショップ」もある。米袋を再利用したノートPCスリーブやオリジナルのティーバッグなど、チームラボらしい視点のお土産が並ぶ。

なお館内での飲食は禁止されており、イートインスペースはない。持ち帰りを前提とした物販とスケッチファクトリーのみ、という点は覚えておきたい。

芝生の向こうに、馬と人の物語があった

The Paddock Cafe

芝生と、一頭の馬の記憶


青若芝公園の芝生越しに望むThe Paddock Cafe。大きな木と京都の青空に囲まれた開放的なカフェ


チームラボ京都から歩いてすぐ、南岩本公園に寄り添うように、平屋の一軒がある。The Paddock Cafeだ。目の前に広がる芝生と、一本の大きな木。京都の山並みを背景に、ゆったりとした時間が流れている。

入口には蹄鉄でできた文鎮、レジには黒い馬のフィギュアが置かれ、物販コーナーには馬にまつわるグッズが並ぶ。強い日差しの中、緑の陰に守られながらパンケーキをいただいた。「パドック」とは、競走馬がレース前に体をならす広場のこと——その店名の由来を聞きながら、ふと店の奥へ目をやると、そこにはもっと大きな物語があるように感じられた。


The Paddock Cafeのレジに飾られた黒い馬のフィギュア。競走馬のパドックに由来する店名を象徴するインテリア

別稿にて

この日は幸運にも、オーナー・林右典さんご本人からお話を伺う機会に恵まれた。引退した競走馬たちの余生を支える活動、馬に触れる機会のない人々への思い——その全容は、別稿にて改めてお届けしたい。

 

創業140年を迎えた老舗が守る、京都の一品

京 駿河屋 京都駅前店


京駿河屋 京都駅前店の外観。明治19年創業の老舗和菓子店が京都駅前で暖簾を掲げる

創業以来、この地で親しまれてきた

取材を終えて京都駅へ向かう道すがら、ふと立ち寄ったのが「京 駿河屋 京都駅前店」だった。明治19年(1886年)創業。京都駅がまだ「七条停車場」と呼ばれていた時代から、この地で親しまれてきた老舗和菓子店だ。京都駅前で140年にわたり暖簾を守り続け、伝統の羊羹や京菓子は観光客の土産としても人気を集めている。

持ち帰った、ひとひらの甘さ

購入したのは、季節限定の水羊羹。持ち帰り、家の冷蔵庫でしっかり冷やしてから、あらためて味わうことにした。表面はつるりと滑らかな舌触りで、歯で食べるというよりも、舌でゆっくり押しつぶすようにして口に運ぶ。きめ細やかなこしあんからは、なめらかな喉ごしとは裏腹に、小豆の風味がじわりと立ちのぼる。上品な砂糖の甘さ。同じ大きさのチョコレートなら胃にもたれそうなところを、これは一つ、するりといけてしまう軽さだった。

旅先で出会った甘さを、日常に持ち帰る——そんな余韻の味わい方も、悪くない。

■記者プロフィール
編集部-小谷
ナイトランが好きなインドア派。旅と朝カフェ、鮮魚コーナーを愛するJournal-ONE編集部員。メーカーでのアートディレクター・商品企画を経て、気づけばメディア運用側へ。
取材・文:
編集部- 小谷( 日本 )
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