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チームラボ京都の代表作品《変容する連続体》 青い光に包まれた球体群が織りなす幻想的なインスタレーション
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渦を巻いて浮かぶ、無数の球体


チームラボ京都《変容する連続体》 青く輝く無数の球体が鏡面空間に広がる幻想的な没入型デジタルアート作品

台風の渦のような球体

通路を進むと、視界が一変した。大きな空間の奥で、青みがかった静かな光を帯びた無数の球体が、世界を埋め尽くすように漂っている。《変容する連続体》である。

驚くのは、そのスピード感だ。ひとつひとつの球体が意志を持ったように寄り集まり、束となり、自分の視線の少し先で巨大な渦を巻いて、天井へと軽やかに吸い込まれていく。


teamLab Biovortex KYOTO(チームラボバイオヴォルテクス京都)」内で展示されているチームラボのアート作品《変容する連続体》。暗闇に包まれた鏡面の展示空間全体に、無数の球状の光や赤・紫調の光の粒子が幾何学的かつ高密度に波及・浮遊し、無限に広がる光の粒子群と黒い構造フレームが交錯する幻想的な作品空間。


 赤系から青系へ、体温の変化を映すかのようにじんわりと移ろう色の奔流。 これほど高速でダイナミックな動きを目の当たりにしていると、自分の身体の輪郭がすうっと消えて、球体の群れと一緒に上空へ巻き上げられていくような錯覚に囚われる。日頃の忙しない思考がすべてリセットされ、頭の中がすっきりと澄み渡っていく。

高次彫刻という発想


チームラボ京都《変容する連続体》 空気の流れによって無数の球体が集まり、巨大な渦のような秩序を生み出す高次彫刻


「Higher-Order Sculpture(高次彫刻)」——空気の流れという目に見えないエネルギーの秩序が、球体という物質を宙に押し上げ、束ねているのだという。近づいて見つめても、球体の一つひとつは風に弄ばれるシャボン玉のように自由気ままで、球体の一つひとつがどこに向かうのか読めない。けれど不思議なことに、気がつけば全体として、巨大な一つの『渦』のうねりへと見事に収斂していくのだ。

この空気環境を陰で支えているのが、大成建設のミリ単位の施工精度。この美しい無秩序をコントロールするために、どれほどの緻密な計算と技術の裏打ちがあるのだろう。そう考えた瞬間、極上のアートの裏に潜む日本の『ものづくり』のすさまじい執念に、思わず身震いがするような感動を覚えてしまうのである。

泡の部屋で、腕にまとわりつく重さ


チームラボ《質量も形もない彫刻》 水と空気と泡が生み出す巨大な彫刻空間に来場者が入り込み、全身で体験するインスタレーション

レインコートを羽織って

さらに進むと、今度は大きな窓越しに、白い泡が壁を這うように上へ上へと巻き上げられていく光景が目に飛び込んできた。入り口でレインコートを勧められる。スマホ決済でその場で購入できるとは、なんとも手際がいい。

重さのない抵抗

羽織って足を踏み入れると、たちまち視界も足元も泡に埋め尽くされた。一歩踏み出すたび、ふわりと重さのない抵抗が身体にまとわりつく。水と空気と石鹸だけでできているとは思えない、ずっしりとした存在感である。

細胞膜のメタファー

この彫刻もまた、外部の水の流れが渦を保つように、環境のエネルギーの流れによって形を保っているのだという。細胞膜——生命の最小単位を包む、あの薄い膜のメタファーだと聞けば、腕にまとわりつく泡の感触が、急に生々しいものに思えてくる。

退出する頃には、送風の仕掛けで泡はあらかた飛ばされていたが、それでも靴の先にはまだ、名残りのように白い泡がいくつか残っていた。

渦を巻く球体、腕にまとわりつく泡——この二つの体験だけでも十分に濃密だったが、ミュージアムの奥にはまだ、光の回廊も、酔うほどの没入も、そしてもうひとつの太陽も待っていた。

 

▶第3部「作品体験レポート後半 — Infinite Crystal World・痕跡・生と回帰の無常の抽象・呼応するランプの森・太陽と雨の中の永遠の存在+メガリス・呼応する小宇宙・質量のない太陽と闇の太陽」へ続く

■記者プロフィール
編集部-小谷
ナイトランが好きなインドア派。旅と朝カフェ、鮮魚コーナーを愛するJournal-ONE編集部員。メーカーでのアートディレクター・商品企画を経て、気づけばメディア運用側へ。
取材・文:
編集部- 小谷( 日本 )
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