なお、チケットは事前予約が必須。また、アクセスや駐車場情報も含めた詳細ガイドは下記ガイドにて。

闇の中に浮かび上がる、木々の「不完全」な造形。その骨格に宿る光は、ただ照らすだけでなく、自律し、そして周囲と呼応しながら色彩を移ろわせていく。 その瞬間、森全体がひとつの洗練された生命体となり、静かに呼吸を始めるのだ。—Journal-ONE撮影
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DAY 2 ── 古刹と銘菓と、300mの空へ
午前:1400年の祈りに触れる ── 和宗総本山 四天王寺
天王寺のホテルを出て、徒歩で向かう。推古天皇元年(593年)、聖徳太子が建立した日本最古の官寺・四天王寺。石鳥居をくぐった瞬間、都市の時間軸が変わる感覚がある。もっとも、それは言葉で説明するより、境内を歩くことで皮膚感覚に落ちてくるものだ。
静かな賑わいの中に、世界が集まっている
境内には、さまざまな国から訪れた旅人たちがいた。手を合わせる人、五重塔を見上げながら身体ごとカメラを向ける外国人観光客、静かに石畳の上を歩く老夫婦。1400年の歴史を見たいと思っている人間が、こんなにも世界中にいるのかと、あらためて感じさせられる。それぞれの言葉で、それぞれの理由で、同じ場所に立っている。そういう静かな賑わいが、また奥ゆかしい。
さらに、五重塔と金堂が一直線に並ぶ伽藍配置は、太子が描いた「仏法の軸線」をそのまま現代に伝えている。境内の総面積は甲子園球場の約3倍。結果として、広大な石畳を歩きながら、ここが大阪の都心であることを、一瞬忘れてしまう。

日本最古の官寺としての面影を今に伝える中心伽藍。五重塔と金堂が一直線に並ぶその姿は、悠久の時を超えて見る者を圧倒します。—Journal-ONE撮影
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午前(参拝後):西門前、120余年の矜持 ── 総本家 釣鐘屋
四天王寺の西門を出ると、参道が続いている。仏具屋、うどん屋、扇子屋、漬物屋。戦後からこの地に根を張り続けてきた昔ながらの店が、ひっそりと、しかし確かに軒を連ねる通りだ。観光地化された派手さとは縁遠い、門前文化のしぶとい余韻がある。
その参道に、釣鐘型の窓が印象的な一軒の和菓子屋が佇んでいる。総本家 釣鐘屋、創業明治33年(1900年)。店頭には、個別に包まれた釣鐘まんじゅうが静かに並んでいる。北海道産小豆の自家製こし餡をカステラ生地で包んだその菓子は、つまんで袋を剥けば二口ほどで口のなかにおさまってしまう、たおやかな小ささだ。大阪マリオット都ホテルのウェルカムスイーツにも採用されながら、本店でしか手に入らない。つまり、百貨店展開もオンライン販売もしない。その一途な姿勢に、なかなか胸が熱くなる話だ、と思う。
購入したら、参道をそぞろ歩きながら、ひとつ取り出してこっそり口に入れる。それが、この門前を歩く者の、小さな特権である。

四天王寺へ続く参道には、歴史ある店構えを守り続ける名店が点在し、歩くだけで門前町ならではの趣に浸ることができます。—Journal-ONE撮影
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昼:都市の「余白」でランチ ── 天王寺公園「てんしば」
釣鐘屋を後にして、てんしばの芝生へ向かう。約7,000平方メートルの緑の広場は、休日の空気に包まれていた。芝生の上に寝転ぶ若者、ベンチでコーヒーを手にする年配の夫婦、まだ足元がおぼつかない子どもの後を笑いながら追いかける親。みんな、どこかゆっくりと動いている。急いでいる人が、いない。そういう、幸福の気配というものが、この広場にはある。
さて、見渡すと、その向こうに地上300mのあべのハルカスが垂直に突き刺さっている。穏やかな時間の流れと、垂直に屹立する人工の美学が同一フレームに収まる。一方で、近鉄本店のデパ地下で調達した食料を持ち込み、芝生の上でランチを広げるのも悪くない。ハルカスを見上げながら過ごすひとときは、旅にゆったりとした呼吸を与えてくれる。














