GWどこ行く?2026年は伊勢日帰り旅!

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トヨタ自動車アンテロープスは準優勝-Journal-ONE撮影
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小野寺は、決して派手なタイプではない。だが、相手の重心を見極め、一瞬の隙を突いてペイントに侵入する感覚は、チームにとって大きな武器となっていた。

ゴール下を支配するアマカに絶妙なパスを通し、1点差まで追い上げると、会場の空気は一気にトヨタ自動車アンテロープスへ傾いた。ベンチから立ち上がる選手たちの声も、自然と大きくなる。さらに、ディフェンスでもボールへのプレッシャーが一段と強まり、ルーズボールへの飛び込みも増えていった。つまり、彼女たち本来の“熱量”が、ようやくコート全体を覆い始めたのだ。

全員バスケがモメンタムを取り戻す

そして、再び安間が戻り、金田愛奈の3ポイントが決まった瞬間、ついに逆転。ようやく主導権を手繰り寄せかけた。しかし、デンソーアイリスも簡単には崩れない。精度の高いショットを連発し、再び5点差をつけて前半を折り返した。ここで象徴的だったのは、トヨタ自動車アンテロープスが“あと一歩”で流れを掴みきれない場面が続いたことだ。

シュートがリングに嫌われる。リバウンドのこぼれ球が相手の手に渡る。わずかな判定の揺らぎが、流れを変える。そうした細部の積み重ねが、じわじわとスコアボードに反映されていった。つまり、内容としては互角以上で戦っていながら、スコアだけが冷徹にデンソーの優位を示していたのである。

安間の負傷退場をカバーした小野寺-Journal-ONE撮影

安間の負傷退場をカバーした小野寺-Journal-ONE撮影

希望が溢れた後半-一気に傾いたモメンタム

平下の3ポイントが呼び込んだ“理想の時間帯”

後半開始直後、試合は大きく動く。ここまで沈黙していた平下の3ポイントがリングを貫き、これを合図にトヨタ自動車アンテロープスは一気にモメンタムを掴んだ。平下のシュートフォームは、迷いがない。キャッチからリリースまでの流れが滑らかで、ボールはまるで引き寄せられるようにネットを揺らした。

さらに、そこから連続10得点を挙げ、会場の空気は完全にトヨタ自動車アンテロープスへと傾く。ベンチも、観客席も、そしてコート上の選手たちも、「ここから一気に行ける」という確信に近い感覚を共有していた。実際、この時間帯は攻守ともに理想に近いバスケットを体現していた。

しかし、その歓喜は長く続かなかった。敵陣ゴール下での攻防で、安間が相手選手と交錯し、床に倒れ込む。会場が一瞬、静まり返る。すぐに立ち上がるかと思われたが、彼女は立ち上がれない。車いすが持ち込まれ、そのままベンチ裏へと向かう安間。その背中を、仲間たちは不安そうな目で見送った。

チームを牽引してきた司令塔がコートを離れた瞬間、ベンチにも、コート上にも、言葉にできない動揺が広がった。それでも、試合は止まらない。大神雄子HCから、「落ち着いて!落ち着いて!」と檄が飛ぶ。その言葉は、今シーズンでは聞いたことのないフレーズだった。

トヨタ自動車アンテロープスの平下愛佳-Journal-ONE撮影

厳しいマークにも3Pを打ち切った平下-Journal-ONE撮影

安間離脱がもたらした揺らぎと、それでも続いた踏ん張り

自分たちのプレーを貫くため、アマカは強固なリバウンドでチームを支え、岡本美優は高精度のシュートを打ち続ける。さらに、小野寺は安間の穴を埋めようと必死に走り続けた。彼女は、プレータイムが伸びることへの不安よりも、「自分がやらなければ」という責任感を前面に出していた。

しかし、終了間際に痛恨の失点を許し、再びビハインドを背負って最終クォーターへ突入する。あと一歩で追いつけそうで追いつけない。そのもどかしさが、選手たちの表情に少しずつ影を落としていった。

試合後、大神雄子HCは「誰が出てもトヨタ自動車アンテロープスのバスケットを体現できる。」と語った。確かに、選手たちは誰一人として戦いを放棄しなかった。しかし同時に、「後半、安間不在の中で小野寺一人に負担をかけるのは無理。」とも語り、その奮闘を深く労った。言葉の端々には、指揮官としての責任と、選手への深い信頼が同居していた。

アマカは強固なリバウンドとポストプレーで終始活躍-Journal-ONE撮影

アマカは強固なリバウンドとポストプレーで終始活躍-Journal-ONE撮影

運命が試した10分間──それでもアンテロープスは前へ進む

第4クォーター開始直後、デンソーアイリスの藪未奈海が3ポイントを沈める。その結果、これが勝負を決定づける合図となった。

藪は2ポイント、さらに2本の3ポイントシュートをリングに通した。これは、いずれもディフェンスが完全に崩れたわけではない状況で放たれたものだった。つまり、トヨタ自動車アンテロープスの守備が致命的に破綻していたわけではない。それでも、わずかなスペースと一瞬の遅れを突かれた結果として、3本の矢は正確にゴールへと吸い込まれていった。

■記者プロフィール
編集部-矢澤
1995年早大卒、JR東海で国内外からの観光誘客に関する企画・宣伝を主に、百貨店、レンタカー、旅行代理店、広告代理店でも働く。趣味はスポーツ観戦と旅行。メジャーリーグ(MLB)は28球団のBall Parkで観戦済み(全30球団)。
アクセス
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  • 東海道新幹線 東京駅 - JR中央線(14分)- 新宿駅 - 京王線特急(16分)- 調布駅 - 京王線各停(3分)- 飛田給駅 - 徒歩5分
取材・文:
編集部-矢澤( 日本 )
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